標高330mのモノローグ

富士山の10分の1、東京23区最高峰の10倍の山間に暮らして20年。地域の自然や思いを綴ります。

外国人記者が見たトランプ大統領のアジア歴訪(BS-TBSを見て)

2017-11-13 19:38:09 | 日記
12日のBS-TBSの「外国人記者は見た+」は「世界はどう見た?! トランプ大統領のアジア歴訪」だった。5か国の外国人記者が流暢な日本語で語る評論は、興味深かった。



一部を除きほとんどのニュース番組は、日本人のコメンテーターである。しかし、この番組はアメリカ、ドイツ、イギリス、韓国、中国の5か国の記者がメインだった。

以前にも述べたが、日本では、イヴァンカ氏とトランプ大統領の日本訪問の1週間は、各マスコミが賑やかであった。しかし、内容はそれほどでもないと思っていた。この日の番組でも多くのコメンテーターの意見は、成果はなかったとのコメントが多かった。

ドイツと韓国の記者は、今回のアジア歴訪について点数を聞かれて、目の前のパネルに「0」と大きく書いた。100点満点の0ではなく、プラスマイナス0ということだ。つまり、トランプ大統領と安倍首相の「信頼関係を維持した」ということと、「アメリカの言いなりであることを確認させられた」という判断とのこと。

韓国の記者は、韓国の新聞の風刺画(北朝鮮の金正恩氏が羽をつけた天使)を例に、天使がいる、つまり北朝鮮の問題があるから、トランプ大統領は韓国に軍事装備品を買いなさいとか言う。韓国も導入の理由がたつなど。プラスマイナス「0」という評価。イギリスの記者は、「トランプは浅い」と言い切っていた。考えも発言も浅いとのことだろう。アメリカの記者は、「60点」との評価点だった。アメリカでは60点は落第点だとのこと。

中国の記者は、他の記者と大分見解が異なるようで「120」点だった。そして、終始笑顔だった。報道にあるように、米中企業などによる2500億ドル(約28兆円)もの商談や投資がとりまとめられた。トランプ大統領は、それまで米国の対中貿易は多額な赤字で、「不公正で一方的な状況だ」と是正を迫っていた。しかし、「お土産」をもらったので、直接中国を責めるのは控えた。アメリカの今までの政権が悪いなどと発言した。

中国としては国賓を超えるもてなしをし、トランプをうまくやり込めたとでも、言っているようだった。私の中に、中国人記者の終始笑みが消えない映像が、今でも残っている。しかし、番組中でも他のコメンテーターが発言していたが、お土産以上に、貿易赤字は多額だ。28兆といっても具体的な商談が成立したわけでもない。中国の強い押しによって今後、アメリカが痛手を負う可能性もあるとのことを付け加えていた。

そして、今回のトランプ大統領のアジア歴訪により、最も利益を得ているのは、北朝鮮ではないかという。北朝鮮への対応について、日本はトランプ大統領に追従するばかり。韓国と中国はアメリカの制裁ありきではなく、対話が必要という。中国の制裁の内容は緩い。温度差は温存されたままだ。北朝鮮としては国際世論が分断していた方が都合がよいからだ。

トランプ氏は、今後どのような発言、態度を表出するか分からない。今回の歴訪はあってもなくても、変わらなかったのではないか、というコメントもあった。

それぞれの国の思惑はなかなか変わらない。
今後は、各国は表面的な華やかさではない、己の立場の主張ではない、地道な討論、関係づくりをしていってほしいと願う。
コメント
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