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最近は子育てを中心に時々建築話、旅行記や映画の事を綴っています。

■ガス VS IH コンロ対決はやはりガスに軍配?比較料理体験~第61話

2007-06-10 23:23:01 | ■建築家の自邸・構想~建築、竣工まで
このコーナーではakatukiが自宅建設の為に日々奮闘する様子を記事にしております。
自宅建設と同時進行で書き綴っている為、初めて記事を読まれる方は第一話からご覧ください。
すこしづつ更新していきますので、お引き立ての程宜しくお願いいたします。

◆建築家の自邸・目次はこちらから

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母親のキッチンの熱源をガスにするかIHにするか?
ちょっと悩む所。
そこで、良くお客様に体験していただくガスとIHの比較料理体験を行ってきました。
※東京ガス主催の為、若干ガスよりの内容となります。

まず、なんといっても大きな違いは火力の差。
サーモグラフィックで確認しながらIHとガスで同時に調理を始める。

すると、着火とほぼ同時にガスのほうはなべが熱くなるのに対して、IHはなかなか温かくならない。
しかも、IHは鍋底のみ温かく、フライパンの縁はなかなか温かくならないのです。

料理は、小松菜とベーコン、卵の炒め物。

IHで料理している母は、なかなか料理が出来上がらないことにちょっと苛立っている様子。
それは、立ち上がりの遅い事も原因だけど、フライパンいっぱいに入ってる小松菜になかなか火が通らないのです。

やっぱ、IHにはこういった料理の仕方は似合わないのです。
(厚みのあるものはなかなか火が通りません)

お味はというと、やはり私はガスの方がおいしいかなぁと。
ガスは卵がふんわりと出来上がっていたのに対して、IHはベチョって感じ。
まぁ、あの火力じゃしょうがないかなぁ。
全体的には、IHの方が水っぽい感じ。

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それと、専門的な話になりますが、IHヒーターは内線規定によって5.8kWh以上の出力が出来ないように設定されています。
その為、魚を焼きながらとか、お味噌汁を沸かしながらとか作業をすると、最大火力が出せないようにコントロールされているのです。

しかも、オールメタル対応のコンロでは、アルミのフライパンを使うと、また火力の制限を受ける事になります。
それは、オールメタル対応の作業だと、鍋底が過熱され火傷の危険が高まる為。

自動的に、フライパンの種類を感知し、火力が最大火力より抑えられ、しかも熱効率が20%落ちで調理する事になるのです。

※これは、あくまで東京ガス側のクッキングなんで、きっとIH専用のフライパン(SUSや鉄)で、調理を行えばもっと良い結果が出ると思います。
ちょっとガス有利の条件で調理している事は否めません・・・

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同時平行で、グリルで鶏肉を焼く。
どちらも、両面焼きで同じ10分間ローストする。
ガスのほうは、火力が強いとの事で、途中で弱火に調整。

お味はというと、やはりガスに軍配。
IHは一部まだ火が通ってない箇所があったりとそんな感じ。
ただ、それほどの差は感じない。

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揚げ物勝負では、海老の天婦羅で対決。

ガスもIHも温度設定、安全制御が効いていて油の自然発火温度の370℃まで上らないようにコントロールされている。
ただし、ここにも問題があって、IHの温度センサーはガラスプレートの下にある為、温度センサーが直に鍋底に当るガスに比べて感度が悪い。

その為、最低限必要な油の量に制約があって500~800ccはないと、センサーがうまく働かないのです。
これでは、一人、二人暮しの家庭ではもったいなすぎる。
という最大の欠点が。
※最近ではセンサーがいっぱい配置されていて、その弱点を克服したものもあるらしい。

「そんなにいっぱいの油では揚げ物をしない」
と母。
これでは、火の元の安全のためにIHヒーターを導入する意味が薄れてしまう。
(やはり、一番の心配は天婦羅火災。
自分ひとりのために天婦羅は揚げない→そこまで安全機能はいらない?)

で、料理の話ですが・・・
同時に油を加熱し始めるも、やはりIHはなかなか温度が上らない。
ガスはいい音立てて海老が揚っていくのに対し、IHヒーターの前の母は待ちぼうけ。
・・・数分おくれてIHの方も料理完了。

出来上がりはというと、これもまたガス!
プリッと美味しく揚がったガスに対しIHはちょっとべちょ。

コレも理由があって、油に食材を入れた時に油の温度が急激に下がるのですが、火力の強いガスはすぐ180度にもちなおします。
それに対し、IHは復旧に時間が掛かるので、その分味に違いが出るみたい。



※コレは(何度もいいますが)東京ガス主催の為、ガス有利な結果となりましたが、実際自分で体験してみるのがいいと思います。
私の感想としては、味で比較するのならやはり、ガスで調理した方が美味しいのだと思います。

ただし、IHなりの調理の仕方があるのだとおもうので、新しい調理法でIHでも美味しく頂く方法があるかと思います。
(後日、IHクッキング教室の記事をアップします)

しかし、味以外にも母のような高齢者にとっては、ランニングコストも重要となってきます。
生活時間帯が電気料金の高い時間に集中する為、オール電化な暮らしは最もマッチングが悪い条件になるかと思います。
上記の表は、厨房平均エネルギー負荷2.22GJ/年(4人)
を基準にスマイルクッキング割引適用後の電気料金とガス代とを比較したグラフ。
コレは4人あたりの年間ランニングコストの為、一人あたりで比較すると対した額ではないですけど、気分のいいものではありませんよね。

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IHヒーターの利点は、特に安全性・清潔性が挙げられると思います。
しかしながら、今のガスコンロも立ち消え安全機能、鍋を放すと弱火になってしばらくすると消える鍋無し検知機能など、だいぶ安全性が増している事も事実。

そのガスコンロの機能向上を知らずにIHに飛びつくのは、ナンセンスだと思うのです。

このように比較体験すると、それぞれの特性が見えてきます。
IHヒーターで決定する前に今一度、ガスの性能もチェックしてみてください。
きっと、思っているほど危険ではありませんよ。
むしろ、IHの方が見えない危険をはらんでいます・・・

※ただし、東京電力ではガスを引いていないので、この比較料理体験は東京ガスでしか行う事が出来ません。
その為、ガスよりのプレゼンになってしまう事も事実です。
正しい判断する為には、東京電力の主催するIHクッキング教室もあわせて体験する事をお勧めします。



その料理体験教室に行くほど時間がないという方は、是非東京ガスの”三年A組らっきょう先生”のコーナーを見てみてください。
ムービーと漫画で面白おかしく性能を比較する事が出来ます。

■東京ガスのコンロ対決のコーナーはこちらから

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IHヒーターってなんかクリーンなイメージありますよね。
確かに、キッチンでは火もでないし、発生するCO2も少なそう。

しかし、実際は、電気を発電する時に大量のCO2を発生しています。

しかも、各家庭に届くまでの送電ロスが63%もあります!

一見クリーンなエネルギーの様に見えるIHですが、CO2発生量は都市ガスの2.7倍にもなります。

IHを非難するわけではないのですが、特性を理解したうえでキチンと機器を皆さんに選んでもらいたいと思うわけです。
”オール電化=かっこいい”では地球が悲鳴をあげてしまいます・・・

■以前体験したIHの危険をチェックする催し

この時は、電磁波の危険性を直に感じる事が出来ました。
エンドユーザーはあまりこのこと知らずにコンロを選択してしまっていると思うので、このような事は我々がキチンと説明していく必要があると思います。

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と、さんざんIHを非難するような記事でまとまってしまったのですが・・・
実は、母のコンロはIHヒーターにしたいと思っている私。
やはり火の元のない安全性は、一緒に住む私たちにとっても安心・安全な材料の一つとなります。
今は元気な母ですが、いづれ家事にも難が出てくるのは確か。
そんな時の不審火が一番怖いからです。

しかも、IHを導入するなら今が一番なのです。
やはり、今までと違う機能を使いこなす為には、イロイロ覚える事が多く、いよいよの時には、全く操作を覚えられなくなってしまうからです。

今回の体験教室ですっかりガス派になってしまった母親ですが、次回東京電力側の体験教室に行く事で巻き返しを図っています。
その模様は、次回公開します!

→IHとガスコンロを比較したページをHPにてまとめなおしました。

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4 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
IHよりガス派!? (hana)
2007-06-11 00:32:35
私もIHよりガス派です。
昨年まで関連メーカー社員でしたので、
IHとガスの事について色々と聞かされ、電気の方がCO2をこんなに発生するのかぁ!?なんて驚いた記憶があります。
でも電磁波は心配です。
以前、建築ジャーナル発行の電磁波対策の特集を読んで、怖くなりました・・・。
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電磁波 (akatuki)
2007-06-12 22:08:21
>hanaさん

やはりこれから子供が産まれる若世帯には勧められないですよね。
どうにもIHメーカーは説明責任を果たしていないと思う。
タバコのパッケージばりに、危険の可能性をうたって販売すべきだと思うのですよね・・・

返信する
電化側から‥ (saruru)
2007-06-19 11:31:10
自邸建設のお話し、楽しく拝見しています。
池袋にある松下と東電が運営しているショウルーム「switch labo」へは行かれましたか?
IHとガスの比較が(電化側から)見られます。東ガスの見解とは全く違っていて面白いです。ココを見た後は、本気でIHにしたくなりました。
但し、専門家向けのショウルームなので、一般ユーザーは入れないと思います。
返信する
電気 (akatuki)
2007-06-19 23:21:57
>saruruさん

はじめまして。
switch laboですか。
池袋のは行ったことがないですね~~
中野のショウルームで調理体験&説明は受けた事があるのですが、大分前なので状況も変わっているかなぁと。

IHクッキング教室には来月行く予定しているので、個別にレクチャーを頼む予定です。
東京ガスさんではこのように言っていますが・・・
と、反例を聞き出そうと思っています。

やはり、一方的なコメントでは公正にかけますからね。
記事アップまでお待ちください・・・
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