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最近は子育てを中心に時々建築話、旅行記や映画の事を綴っています。

■養老天命反転地~荒川修作&マドリン・ギンズの仕業

2006-12-15 23:13:32 | ■建築見学・展覧会
ちょっと前に紹介した荒川修作&マドリン・ギンズの代表作ともいわれる養老天命反転地。
1995年にオープンしたこの施設は、「極限で似るものの家」とすり鉢状の「楕円形のフィールド」で構成され、二人の芸術の結晶である。



「極限で似るものの家」はなぜか岐阜県の形をした屋根をもつ建物で、



迷路状になった壁の中に変な格好の扉や、キッチン・ソファー・冷蔵庫などが埋まっている不思議な建物。



壁によって分断されたキッチンは一体どうやって使うの?
とかなり疑問。
しかし、これはあくまで芸術作品。
ここに人が住むわけでないから、まあいいのか?

しかし、少しお粗末だなぁと思ったのは、何処もかしこも汚れだらけ。
雨ざらしのキッチンもそうだけど、排水のことが全く考えられておらず、ゴミダマリが多数あって塗装も剥げたり、破損していたり。
私が訪れたのは完成してそんなに経っていない頃だったから、今はもっとひどいんでしょうかね?

面白いのが、コレラの施設内に点在しているキッチンはどれも”トーヨーキッチン”のもの。
あの、国産キッチンメーカーで一番華やかなイメージのあるブランドだけに意外。
ちょうど、一緒に訪れた友人がそこで働いていたので発覚したのですが・・・
やはりデザイナーの力って凄い。

海外のデザイナーを起用するようになってからトーヨーキッチンのブランド力が大きく変わったのですから。

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「楕円形のフィールド」は、子供の遊戯場。
平坦な所がまるでない斜面で平衡感覚を養うのが狙い?

ともかく、迷路のようで歩いていると何かと発見がある。
そんな冒険心を掻き立てるシーンが多く私は好きだ。



意味不明なオブジェが突然目の前に現れ困惑する。
ここは、現実世界から浮遊した詩的世界なのだ。

このフィールド内には、例えば
●「切り閉じの間」を通る時は、夢遊病者のように両腕を前へ突き出し、ゆっくりと歩くこと。
●しばしば振り向いて後ろを見ること。
●「白昼の混乱地帯」の中では常に、ひとであるより肉体であるよう努めること。

など指示が与えられる場所がある。
こちらの精神世界が二人の芸術家になかなかついていけないのですが、単純に楽しい。



子供たちがおおはしゃぎだったのが、この滑り台?
日本地図の描かれた銀色の斜路ではこのように・・・



ずるると・・・
子供たちは子供たちなりの遊び方を開拓しているようだった。

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芸術は難しい。
先に書いた、
「こんなキッチンは使いづらい。」
「何これありえない!」
と、現実世界と照らし合わせてしまうのが大人の悪い所。

もっと子供たちのように自然体でこの大地と向き合わなければこの芸術の良さはわからないでしょうね。

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しかし、先日紹介した三鷹天命反転住宅は、ついにHO(ホームオフィス)として生まれ変わったようです。
彼らの芸術作品に住みこなせる人間はなかなかいなかってことでしょうか?
芸術って難しい・・・

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■養老天命反転地のHPはこちらから

■荒川修作&マドリン・ギンズの三鷹天命反転住宅はこちらから



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