小さい頃から合氣道を続けて来た芥川は入会してもう十年ぐらい経つのだろうか…
当時、チビ助だった芥川も今や私の身長を抜かそうとしている。
(もう、大人になってきているんだな…)
と感じていたのはやはり外見だけで、中身はまだ思春期真っ盛りの15才であったようです。
それが発覚したのは芥川の近親者から…
なんでも盗みで捕まったとか…
それをきっかけに過去の悪事も明るみになってきました、タバコ、学校・稽古のサボり、万引きなど…よりによってこの受験期に…
ある朝、芥川が稽古に遅れて顔を出した瞬間に師が呼び止め問答が始まる。
話を聞けばそうそう単純な話ではなかった。
どうやら一年生の頃からあるグループに目をつけられイジメにあっていたようで、そこで色々とやらされていたようです。中2ではクラスも離れ平穏だったらしいのですが、三年になると同じクラスになり再び以前と同じような関係へと…
しかしその内容は年齢と共にエスカレートしたものへと成長。
最終的には同級生の財布に手をつけさせられて大問題となったそうです。
ひと通り話を聞いたあと、稽古時間が終わるまでもの長いお説教…
かなり声を荒げた厳しいものでした。
皆、稽古しながらも耳はそちらの方が氣になってしまう…
そして最後に師が
『今からお前を殴る!目をつぶって歯を食いしばれ!』
(え?)
皆、ドキッとして振り向いた瞬間
バチーーーン!
つづく