もちろん、政府レベルでは、冷静な情勢分析の中でも「最悪を想定」した準備を怠ってはならないのは言うまでもない。
内閣、NSC(国家安全保障会議)、防衛省は、多くの情報を持っているはずだし、その情報を基に緻密な分析をして、最悪想定の対策を講じているはずだ。
(3)については、全く不同意だ。これはむしろ「禁じ手」と言える。共産主義国家や独裁国家では政権を維持するために、不都合な情報は伝えなかったり、あるいは情報をねつ造し、国民を政府の都合の良い方向に誘導することが多い。
民主主義国家でこれをやると、政府の信頼性がなくなる。「大本営発表」症候群になって民主主義を根底から崩してしまいかねない。
あくまで国民にはいろいろな情報をいろいろな角度から正確に与え、国民自身が判断できるようにしなければいけない。
民主主義というものは国民一人ひとりが「だいたい常識的な」判断ができることで成り立っている。日本の現状は必ずしもそうではない。だが、その方向を常に目指すべきだろう。
(4)についても不同意だ。こんなプリミティブな情報分析はとっくに北朝鮮もやっている。「手の内をさらす」といった類のものではない。これを聞いた金正恩主席が「そうか」といって戦略を変えることもあり得ない。
むしろカール・ビンソンの北上をはじめ、米軍がこの時とばかりに公開した情報、その他、独自入手の秘密情報を分析し、為政者として「最悪を想定」して次の手を打つはずだ。だからこそ、軍事力のデモンストレーションは意味があるのである。
JBpressからの引用記事
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