統合失調症ライフ

闘病生活8年目にして寛解を目指すあじーのブログ

椎名林檎「浴室」の一解釈[C]

2011-08-14 | 日記
[C]
洗って 切って 水の中
呼吸器官は冒される
あたしが完全に乾くのいまきちんと見届けて
磨いて 裂いて 水の中
無重力に委される
あたしが完全に溶けたらすぐきちんと召し上がれ


[A]で茶店で落ちあって、
[B]でえろいことが始まると宣言したからには
[C]ですることは実際の描写ではないでしょうか。

「洗う」「切る」「磨く」「裂く」
という動詞について考えた時、

「だれが」
・あたしが
・あんたが
・私たちが

「だれに」
・あんたに
・あたしに
・お互いに

という主語と目的語の候補を得ます。
ここでは、「私たちが」「お互いに」という言葉を採ります。
ただの好みなので異説ある方はどうぞおっしゃってください。

洗う、切る、という言葉から、私は料理を連想しました。
水の中でモノをきれいにし、加工する。
水の中という言葉は浴槽内で行為がなされているということも
示しているでしょう。

呼吸器官は冒される

・行為によって呼吸ができなくなる
・水の中に沈められて呼吸ができなくなる

という二つを考えました。
上ならいいけど、下なら最低だな!
でも、両方の可能性があると思います。
つまり、暴力的な行為をしているということです。

あたしが完全に乾くのいまきちんと見届けて

何に乾くのか?
あたしが、が主語です。
水に乾く。心が乾く。あんたに乾く。
あんたに乾くが一番しっくりきたので、

(仕方ないという心情だった)あたしが
完全に(あんたが欲しくなっていって)
乾くの(気持ちになる様子)いまきちんと見届けて

と解釈してみました。

磨く、裂く、という言葉は、
反対の意味を持っていると思います。
石を磨いて玉にする、の磨く(手入れをする)、
布を裂いてびりびりにする、の裂く(破壊する)、
この両極端な行為をほどこし、ほどこされ、我を忘れてゆく様子を

無重力に委される

と表現したのではないでしょうか。
そして、その結果として、

あたしが完全に溶けたらすぐきちんと召し上がれ

という心情になるわけです。

さて、さらにここで気になるのは、
「洗う」「切る」「磨く」「裂く」
という言葉がモノを扱っているように感じさせられることです。
お互いモノを扱うように愛し合う男女……
ホコホコ純愛ストーリー、では絶対ないことが分かります。
※追記
曲が転調(?あんまり音楽詳しくなくて何て言ったらいいのか)
していることを頭に入れずに上文を書いてしまいました。
ABの暗く攻撃的な曲調から、
いきなりCはおだやかで清らかと言っていいような曲調に変わりますね。
それを加味すると、
生々しくなるのを避けるために
この表現にしたのではと新たに考えました。
※さらに追記
youtubeで「浴室 椎名林檎」で検索すると
トップで出てくる動画がこちら
このコンサートでのパフォーマンス
(というよりもうパフォーマンスアートの域ですけれど)
から勝手に想像して、
あたし=林檎=果物のリンゴ
とすると、
リンゴだからモノを扱うような動詞を当てはめました。
っていう話かもしれないです。
何度もすみません。

ここで一番は終わり。
ABCは序破急になっているのが分かりますでしょうか。
長かった!お疲れ様でした。
読んでくださってありがとうございました。
二番はまた後日。