C'est la vie.

人生ままならぬもの。成り行き任せか、C’est la vieか。電子のカオスの中で思いが遂げられたらと思う今日この頃。

今年のベストワンの声もうなずけます 映画「この世界の片隅に」 (記事を書いたのは昨年12月でしたのであしからず)

2017-04-05 00:00:05 | 映画
 映画「この世界の片隅に」を見てきました。かつての映画ファン仲間でいまや高齢者に近い数人から相次いで絶賛のメールが届いたのがきっかけです。最近、評判になる日本映画ってアニメばかりだな、と思いつつも、クリスマスシーズンに入り、きらびやかにライトアップされた二子玉川の109シネマへと出かけました。映画の内容から見て、見終わった後、こんなしゃれた街の雰囲気は合わないなと感じましたが、時間的に合うのは、この映画館だけ。とまあ、そんな枝葉末節はともかく、確かに「今年のベストワン」の声もうなずける良い作品だなあと思いました。

とても優しい作品

 昭和の初めに広島市の郊外で生まれ育った少女が、戦時中、呉市に嫁に行き、成長していく物語。海軍の鎮守府があるなど軍都だった呉市や「ヒロシマ」を舞台にしているので、悲しい出来事は多く起きます。でも、映画の全編を通してとっても優しい作品と思いました。心温まるという意味ではないのだけど。少し古くなるけど1997年公開のイタリア映画「ライフ・イズ・ビューティフル」のことを思い出しました。ドラマチックなシーンでもないのに泣いちゃったあの映画。何だかなあ。これぐらいなら、ネタバレも大丈夫でしょ。あとはみなさん映画館で見て感じてください。
 現在の原爆ドームである当時の産業奨励館や原爆投下後も生き残った福屋百貨店などの建物も登場します。

大ヒット中のようです

 ところで、この作品、なかなかのヒットぶりだそうです。たまたま調べていると、11月30日付けの東洋経済オンラインが「製作プロセスの秘密」という記事を配信していました。それによると、11月12日の公開スタート以来、成績は良好で2週目に入っても勢いを伸ばしており、「都内の1~2スクリーン規模の上映館では、立ち見を入れても観客がさばききれない事態が続いている」とか。NHKニュースによると、上映される映画館が60館ほどから180館に増えました。私が見たときは、客の入りは5分の1ぐらいだったけど。

おだやかな毎日こそ本当のぜいたく

 今年のヒット映画といえば「君の名は」に「シンゴジラ」。どちらも人の力ではどうにもならないこと、つまりは東日本大震災のことがバックグラウンドに感じられました。これに対し、「この世界の片隅に」はいうまでもなく「ヒロシマ」と「先の大戦」です。
 竹内まりやの「すてきなホリディ」という曲にこんな一説があります。

 大切なものが みんなそばにある 穏やかな毎日が 続くぜいたく

 毎日のように状況が変わる戦時中。まるで歌詞と真逆のように大切なものが次々と取り上げられていきます。ぜいたくで豊かな生活とは、穏やかな毎日。戦争が終わった後、ヒロインのすずさんが過ごした戦後は穏やかな日々であったらいいなと切に願いました。そういえば、あの世代の人たち、身近にもたくさんいたなあ。もし見たら、どんな風に感じるんだろう。

















コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 時間かかったけど楽しませて... | トップ | 国内線LCCに初めて乗って... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画」カテゴリの最新記事