医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

マギの美箱21

2007年12月31日 08時45分12秒 | Weblog
 僕なりに年末を飾るにふさわしい、プチ豪華でちょっぴり神聖なブログで締めくくることができました。

 昨日まで620本、健闘中と言えます。





 本書には、これら高エネルギー金属に磁場やマイスナー効果といった最新の科学知識に、

アークや賢者の石

エジプト~中世の錬金術師や秘密結社

カタリ派

ヴァチカンをはじめとするヨーロッパの教会

一時的にローマ法王庁が置かれた(アヴィニョン捕囚)南仏のアヴィニョン(Avignon)

フリーメイソン

テンプル騎士団

ハプスブルグ家

アレクサンダー大王の墓

そして世界の七不思議まで登場し・・・



 面白くないわけがない!(僕には) 



 ちなみに、ローマ法王がフランスで過ごした「アヴィニョン宮殿」、本書での最終決戦舞台はこんな感じです。



 ただし、不死身の英雄たちには取ってつけたように、それぞれ人間的な弱点を織り交ぜておりますが、それがかえってわざとらしく感じられたリして・・・

 僕のようなヒネクレ者の読者は興ざめされるかもしれません・・・。

-このテーマの終わり-



 ではみなさまよいお年をお迎えください。

 来年もできる限り頑張るつもりではあります・・・

 2008年、一発目の話題は、う~ん、今のところエジプトの美人と、今回の話題のマルゲリータに着想を得て暖めているところですので、少しの間お正月は休みます。

 乞うご期待!!

(その間は、どの教会がお好みか、お悩みになっていてください。

マギの美箱20

2007年12月30日 05時43分27秒 | Weblog
 さて、カトリックの国、ゴシック建築の発達したフランス一美しい教会は、シャルトルか、ランスか、アミアンか、サント・シャペルか、はたまたブールジュのサン・テティエンヌか?

 みなさまのご意見はいかに??

 パリ

 ランス

 ラン


 シャルトル

 サンドニ

 サント・シャペル

 サン・テティエンヌ

 アミアン

 アミアン(王者)とパリ、ランとランス(女王)のものは似てますよね。

 やっぱ「凍れる音楽」、シャルトルかな・・・。

 美しくも、妖しい、豪勢にして脆い・・・ゴシック教会

 それにしても、クリスチャンではありませんが、巡礼の旅、行ってみたい・・・。

マギの美箱19

2007年12月29日 17時30分06秒 | Weblog
 そして謎ときのひとつには、フランスのシャルトル大聖堂の床に描かれる「ダイダロスの迷宮」も。

 ダイダロスとは、ギリシャ語で「さまざまに技を凝らした者」の意味で、ギリシャ神話の登場人物のひとりでもあり、伝説的な大工、工匠、職人、発明家です。

 ギリシャ神話でのミノタウロスを封じた迷宮も、ミノス王の命によってダイダロスの造ったものであり、ダイダロスの迷宮(ラビュリントス)と呼ばれる、と。

http://www.bldt.net/Go/Horizons/Symbolisme/Labyrinthe/labyrinthe.html

 本書によると、ゴシック建築教会は、テンプル騎士団とシトー修道会の修道士から成る<ソロモンの息子たち>と名乗る石工たちがそのほとんどを引き受け、数学的な【秘儀】を様式の中に取り入れた、と。

 シャルトル大聖堂{写真}は、またの名をシャルトルのノートルダム大聖堂、フランス国内において最も美しいゴシック建築のひとつとされており、以前にもお書きしました。

 左右非対称・・・大聖堂は、伝承では聖母マリアのものとされる「サンクタ・カミシア(Sancta Camisia、聖衣)」というチュニックを所蔵しております。

 大聖堂にあるステンドグラス作品群は、世界の中世ステンドグラスの完全なコレクションの一部を占めるとも言われるのです。

 その美しい青が、いわゆる「シャルトルブルー」です。

 これらステンドグラス窓は、特にその鮮やかな「青い色」が有名であり、とりわけ聖母マリアとその子を描写したものが名高い、とされます。

http://www.jpforms.net/gallery/photos/france/Chartres/Chartres%20Cathedral%20Stained%20Glass.htm

 きれいですね~

マギの美箱18

2007年12月28日 08時16分24秒 | Weblog
 実際にシスプラチンとカルボプラチンは、前立腺がんと卵巣がん治療などの抗がん剤として使われております。

 単原子状態のルテニウムを用いてがん細胞の修復に成功し、ルテニウムにはDNAの自然矯正能力があるとされ、ジャンクDNA再生する、と本書には書いてありました。

 またロジウムは、体内から発する光によりウィルスを殺すそうです。

 これら白金族元素(Platinum Group Metals)は略称PGMと呼ばれ、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金のことです。

 元素のうち周期表において第5~6周期、第8~10族に位置する元素(、物理的性質や化学的性質が互いによく似ているため、同じ族として扱われるのです。

 シスプラチン(cisplatin : CDDP)は白金錯体のことで、白金製剤としては、ほかにカルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチンがあり、そのうち 薬理作用を発現するのはシス型だけでトランス型は抗がん作用を示さない、そうです。

 以前どこかこの拙ブログ内で、人間の情報伝達や情報処理の長さが短すぎることが疑問だ、と書き、さらに細胞間の交信がDNA以外の手段で行われているのではないか、と書いたと思います。

 本書ではそれら脳神経の伝達にもこれら金属の超伝導が一役を担っているのでは、みたいな記載もありまして、びっくりするとともに共感いたしました。

 で、それらの特殊金属が、磁場の影響を受けると、とてつもないエネルギーを生むと。

 ですから、その「m状態」の金属とその原理が、悪の手に落ちたら大変だってわけです。




 磁場で思い出したのですが、どうして地球に磁場(地磁気)ってあるんですかね?

 疑問に思った事ありませんか?

 やっぱ地球の「ダイナモ」(発電機)作用なの?

 長野県は分杭峠のゼロ磁場ってのが、以前話題になりましたが、マイナスイオンがもたらす人類への効果はFDAでは否定されました。

 「気」だの、マイナスイオンだの、霊感だの、電磁波の影響だの・・・やっぱりいかがわしいのか、そうでないのか・・・

 人類には分かっていないことがまだまだ・・・

マギの美箱17

2007年12月27日 22時16分48秒 | Weblog
 そして本書に登場するのが、古代エジプトで発見され、マギが開発し、アレキサンダー大王までが手にし・・・

 そして現代、悪の組織と正義の味方で奪い合いになる恐ろしい科学兵器なんですが、その鍵を握るのが「金」。

 お金じゃないですよ、ゴールド、金属の金です。

 しかもガラス状の、あるいは白色粉末の金・・・。

 その金属は超伝導の性質を持つ高スピン状態の金や白金なのですが、本書によればつまりその状態を「m状態」と呼ぶそうです。

 一応本書では、真偽のほどはともかく「m状態」の超エネルギー金属は、エジプトが始まりとされ、またの名を「白い粉末」、「白きパン」、「白き食物」、「ムフクジット」ともされ、ヘブライ語では「それは何か」=マナとも言われると。

 そして高熱の燃える石はシェマナと称された・・・と。

 え?マナ?

 本書では、な、なんと拙ブログ 2007年10月24日に書いた、モーゼの「マナ」についても出てきましたので、驚きです。

http://blog.goo.ne.jp/ag-clinic/e/77a17310a3452644fe1e7e7a333a6c52

 まあ、マナ自体は確かにモーゼの時代からあったのでしょうけれど、それと高エネルギー状態の金属、それに異端派トマス派とマギ、秘密結社とを結びつけたところにこの話のキモがあるわけです。

 そのm状態の金属の持つ高エネルギー性を、錬金術師で化学者の元祖、マギの流れを汲む秘密結社がエジプト文明から発展させ、それをアレキサンダー大王が知り、さらにはその秘密と隠し場所を現代の秘密結社が追う、さらに謎ときをしながらシグマが妨害する・・・

 本書によれば、錬金術師たちは対立法王が起こって、キリスト教全体が脅威にさらされたときに、知識の要を隠していったと記され、謎が深まりそこに謎解きも生まれるわけです。

マギの美箱16

2007年12月26日 08時53分04秒 | Weblog
 まあ、でも本書によれば、その聖トマスが3人のマギに対して、インドで洗礼した、とも言われているそうです。

 そこで本書は、トマス→マギ→ドラゴンコートVSシグマフォースという図式が出来上がり、そこにギルドというテロ組織が絡むという構図です。

 またトマス派がヴァチカン内にも異端として残っている、というのがもう一つの秘密の歴史でした。

 ちなみにヴァチカンというのも、Vates =「未来を見るもの」、つまりかつてこのあたりに集まった占い師たちが由来だ、と本書に出てきました。

 つまり、本家本元、ヴァチカンそのものすら、占いが出発だからいかがわしい、逆に言うと異端や錬金術だって、権威と差がないってことを作者は暗に言いたかったのでしょうか・・・?

 それにしても、キリスト教でのイエス・キリストのお姿も、どう見てもコーカソイドっぽいのですが、本当はもっとアメリカ人が敵視するアラブ人、もしくはエジプト人っぽいはずですよね?

 つまり、僕たちがサッカーでよく目にする、イラクやクウェート、UAEなどの、現代ではイスラム系の人々に近いお顔立ちやお姿のはずです。

 ん~、日本人の場合神話がありますが、そんな古い話は嘘や誇張が入っているのがむしろ当然で、それはそれとしてこの教えはどうだ、グレーはグレーでありだよな、と判断するものです。

 しかし西洋人は、信じる以上は盲目的に信じるが、理論武装して真実に仕立て上げ、また信じる側も真実以外は許さないぞ、というやはり絶対神的な黒か白か、という考えが感じられます。

 そこに面白みがあり、その姿勢が科学や産業、技術を発展させてきたわけですけれど・・・。




 ちなみに現代キリスト教の主流派ってどの派なんでしょうかね?

 ヨハネ派やトマス派でないことは確かでしょうけれど、パウロやペテロを崇拝する方たちはマルコ、マタイ、ルカのどの派なのでしょうか?

 4つの正典が等しく重要視され、別にどの派ってこともないのかな?

 ひとつの福音書に固執する福音書派のほうが、むしろマイノリティなのかな?

マギの美箱15

2007年12月25日 08時41分29秒 | Weblog
 え?でも、ヨハネとトマス、どちらが異端かというと・・・

 福音書の正典は「ママルヨ」だから、マルコ、マタイ、ルカ、ヨハネであって、トマス書は外典のはずだし、ヨハネの書だけは他の3典とかなり趣が異なる、ってことは以前にクムランで確か書いたはずだし・・・

 ヨハネ派だって決して、本書の言う主流ではないはずですし、どちらかというとグノーシス的なはずじゃ・・・?

 例のダヴィンチの最後の晩餐{写真}でも、イエスの隣の女性っぽい人が一般にはヨハネ(ダヴィンチ・コードではマグダラのマリア)、裏切り者は一人ですか?と一本指を立てているのが、トマス。

 ヨハネ派は、イエスよりも洗礼者ヨハネを「真の預言者」と崇める一派であって、確かフリーメーソンもトマスよりも「ヨハネ」寄りなんじゃなかったっけ??

 ダ・ヴィンチコードでも、確か「ヨハネを忘れるな」、ってことだったんじゃ・・・?

 調べてみましたらやはり、初代テンプル騎士団グランドマスターであるユーグ・ド・パイヤンは、洗礼者ヨハネを預言者とする分派ヨハネ派の会員であったと言われる、そうです。

 さらに、「秘密文書」によると、シオン修道会のグランドマスターには代々ジャン←ヨハネ(おそらく教皇ヨハネス23世の名に影響したであろう)という名前が引き継がれた、とも。

 グランドマスターの名簿中、レオナルド・ダ・ヴィンチは洗礼者ヨハネに強い興味をもっていたし、もう一人、アイザック・ニュートン卿は、当時、福音書著者ヨハネが作者とされていた黙示録に熱中していた、ということです。

 つまり、聖書の世界では「ヨハネ」は特別な存在である、と。

 ちなみにイエスに洗礼を施した「洗礼者のヨハネ」、イエスの弟子とされる「ヨハネ」、グノーシス的な色合いの濃い「ヨハネの福音書」、ルサンチマンに満ち溢れた「ヨハネの黙示録」・・・

 この4人の「ヨハネ」はすべて別人である、という説もあります。

 洗礼者と弟子のヨハネは当然別人ですが・・・

 外典トマスのほかに、最近では、ユダの福音書ってのも話題になりましたよね。

マギの美箱14

2007年12月24日 08時47分46秒 | Weblog
 実在するというドラゴンコート、でも実際には本書のような暴力や非合法行動にはなんの関係もなく、本書での役回りは作者の想像だそうです。

 にしましても、実在する組織を悪役に仕立て、それを許しちゃうその組織の懐の深さってのもすごいですね・・・やばくないの?

 日本じゃ絶対にそーゆーわけにはいかんでしょうね。




 またキリスト教自身、色々な宗教がミックスされておりますし、同じカトリックでもそもそも教義的にトマスとヨハネの対立もある、と本書に書いてありました。

 トマスとヨハネの大きな違いは、

トマス:光は世界を誕生させただけではなく、「万物」の中にもある。

ヨハネ:唯一「キリスト」だけが光を持つ。

と、本書には記載されておりました。

 トマスといえば疑い深きトマス、アラム語の原義は「双子」のトマスですが、インドでは今なおトマス派も残り、ドラゴンコートはトマス派の流れを汲む、言ってみれば異端だと。

 トマスの「双子」の名がなぜ付いたか、誰と双子なのかは不明なのだそうです。

 「ヨハネによる福音書」ではトマスのことを、情熱はあるが、イエスの真意を理解せず、少しずれている人物として描かれているそうです。

 トマスは、イエスが復活したという他の弟子たちの言葉を信じなかったわけですが、実際にイエスを見て感激し、「私の主、私の神」と言ったために、疑い深きトマスと呼ばれます。

 またイエスのわき腹の傷に、自分の手を差し込んでその身体を確かめたとも。

 でも普通それくらいするような気も・・・

 「ヨハネによる福音書」における上記トマスの批判的な記述は、「トマスによる福音書」による教えに反論するために書かれたものであるという説があるそうです。

 現在ではトマス派は、インド南部に存在するキリスト教の一派で、東方諸教会のひとつと言われております。

 伝説によれば、東方に宣教してその地で殉教されたとされる十二使徒のひとりトマスが、インドに渡って布教したことに始まるとされる、と。

 ただし、実際にはトマスが直接インドに渡ったのではなく、イランから渡ってきたネストリウス派に起源を持つと推定されているそうです。

マギの美箱13

2007年12月23日 09時30分00秒 | Weblog
 ナポリはイタリアの長靴のスネのところ、「ナポリを見てから死ね」と言われるほど風光明媚{写真}で、特に「世界三大夜景」が有名です。

 え?三大の他はって?香港と函館です。

 ヴェスヴィオ山やポンペイ遺跡、ピザではイタリア国旗の3色、 トマト(赤)バジリコ(緑)モッツァレッラチーズ(白)のマルゲリータは発祥ですが、スパゲティナポリタンは日本製、ナポリはまったく無関係です。

 ナポリ大聖堂はナポリの守護聖人、聖ヤヌアリウス(聖ジェンナーロ)に捧げて建てられたものです。

 年2回の祝祭日には、乾ききっているはずのヤヌアリウスの血液が、瓶の中で「液状化」するのを祝うのです。

 伝承によればこの血液が祝祭日に液体化しなかった場合、ナポリに何か悪いことが起きると考えられているそうです。

 NHKの番組では、老いも若きもその固形物が「液状化」するのをワクワクしながら眺め、見事「液状化」したときの笑顔、笑顔・・・

 カモッラやコーサ・ノストラ(ナポリとシチリアで有名なイタリアマフィア)、そのときばかりは鬼も笑うのでしょう。

 その光景はかなり「微妙」ですが、宗教とは神や奇跡が、真実かどうか、ではなくて、信じるか信じないかですから。

 聖遺物です。





 さてさて本書で、シグマフォースと戦うのが、14世紀に設立されたとされる秘密結社の「ドラゴンコート」。

 ドラゴンコートは中世の錬金術に関係したカルト集団、とされております。

 ドラゴンコートの場合、貴族を起源とするカルト集団なので、純血を保っている自分たちこそが支配者だという優越人種思想に基づく秘密結社だそうです。

 秘密結社といえばフリーメイソンもそうですが、アメリカの「スカル・アンド・ボーンズ」(頭骸骨と骨、髑髏と骨)が有名で、その「S&B」はアメリカのイェール大学に実際にある秘密結社のことです。

 2004年秋のアメリカ大統領選挙の2人の候補者である、ジョン・ケリー民主党候補ととジョージ・ブッシュ現大統領が、2人とも「S&B」出身だったのは有名な話です、ハイ。

 案外、ただのお友達同盟なのかも知れませんけれど。

 ヨーロッパではビルダーバーグ・シンクタンク。

http://homepage.mac.com/ehara_gen/jealous_gay/bilderberg.html



 で、本書のその「ドラゴンコート」って、これまた実在するんですって。

 許可得てるの?ヤバ過ぎでしょ???

マギの美箱12

2007年12月22日 22時41分21秒 | Weblog
 3人のマギ・・・その名はいわゆる「CMB」


カスパール(Casper, 没薬(将来の受難である死の象徴)、老人の姿の賢者)

メルキオール(Melchior, 黄金(王権の象徴)、青年の姿の賢者)

バルタザール(Balthasar, 乳香(神性の象徴)、壮年の姿の賢者)

の3人とされております。


 さあ、マギとは魔術師なのか、占星術師なのか、はたまた錬金術師かそれとも聖職家なのか?

 マギは新王の出現を恐れたユダヤのヘロデ王が、スパイとして送り込んだ、ともされております。

 『ルカによる福音書』に描かれたイエスの誕生場面ではこの三博士は登場せず、代わりに飼い葉桶に寝ていた幼子イエスに羊飼い達が訪れる、とあるようです。




 まあ、まあ・・それにしましてもキリスト教は「遺物」好きといいますか、先に論じたようにオリジンの宿命的に仕方がないのでしょうが、本書でも語られますように、やれ・・・

・ マグダラのマリアの足

・ 聖アントニウスの声帯

・ 聖ヤン・ネポムツキーの舌

・ 聖クララの胆石

・ サンピエトロ大聖堂:法王聖ピウス10世の全身が聖堂に包まれて安置

・ カルカテの寺院:な、なんとイエス・キリストの陰茎の包皮  

・ ラテラノの丘にあるサンタ・クローチェ・イン・ジェルサレンメ教会:コンスタンティヌス帝の母である聖ヘレナがに聖十字架、釘、いばらの冠の棘2本

・・・・と、まあ。




 その他、NHKではナポリ大聖堂での、ヤヌアリウスの血液が入った小瓶も放送しておりました。

マギの美箱11

2007年12月21日 05時43分26秒 | Weblog
 ヘロドトスの『歴史』には、「マギには、死体を鳥や犬に食いちぎらせたり、 アリや蛇をはじめその他の爬虫類などを無差別に殺す特異な習慣があった」と記されているそうです。

 ところがキリスト教世界でのマギは、新約聖書、福音書の『マタイによる福音書』にあらわれる、東方の三博士(三人の王)を指して言う場合が多いことになるわけです。

 東方ですが、当時東方といっても、ペルシャのみならずエジプト北部なども含まれその範囲は広いそうです。

 キリスト教的なマギは、キリストが生まれたことをベツレヘムの星で予測して、生直後に祝福した3人です。

 マギとは、直訳すれば星見すなわち占星術師ですが、マタイ福音書の文脈では、天文学者とも推測されるそうな。

 「占星術の学者たちが東の方から来た」ということです。

 やがて、マギという言葉は 人知を超える知恵や力を持つ存在を指す言葉となり、英語のmagus、magicなどの語源となったそうです。

 そうか・・・マジックはマギの操る呪術みたいなものから来てるのですね。

 『マタイによる福音書』(2:1-12)によれば、イエスが生まれた時、東方にてマギ(博士たち)が大きな星を見、その星に導かれてエルサレムまで赴き、新しい王が誕生したのはどこかとヘロデ大王に尋ねます。

 ヘロデは動揺しながらも側近に尋ね、側近は聖書の記述からそれはベツレヘムであると博士たちに教えました。

 博士たちはさっそくその場を発つと、星にしたがってイエスのいる場所につくことができました。

 幼子の前にたどり着くと、彼らはひれ伏し、黄金、乳香、没薬を贈り物として捧げたそうです。

 ヘロデは新しい王など生まれては困るので、博士たちに場所を教えるよう命じていましたが、博士たちは夢のお告げでヘロデに会わないよう命じられたため、ヘロデを避けて別の道から故郷に戻ったそうです。

 それで例の、ヘロデの赤子狩り、そして聖家族のエジプト脱出につながるわけですな。

マギの美箱10

2007年12月20日 07時30分09秒 | Weblog
 つまり、ニーベルング伝説とは英雄が冥界に潜って財宝又は花嫁を得て、愛(死)して神に転生する話と、その冥界の財宝を巡って人々が殺しあうドイツ神話。

 ニーベルング伝説は本来 『エッダ』の中に書かれているような北欧に伝わる断片的な伝承で、それをまとめてひとつながりの物語にしたのが13世紀頃の『ヴォルスンガ・サガ』。

 そして同じ頃に成立した、キリスト教化したドイツの抒情詩が『ニーベルングの歌』。

 さらにその北欧神話の英雄であるシグルズの物語をモチーフとした『ジークフリートの死』として着想して作られたのが、19世紀のワーグナーの歌劇『ニーベルングの指輪』です。

 ヒトラーもワーグナーを愛し、このニーベルンゲン神話を信じ、大戦時のドイツの国威発揚、純血主義、民族主義に使われましたので、ニーベルングはいやはやなんとも微妙です・・・。




 さてストラスブールはドイツ語でシュトラウスブルク、つまり「街道の街」。

 近代ドイツの混乱に乗じてフランスが再びぶんどりました。

 文化や言語はドイツ、なのに政治的にはフランス。

 現在は欧州評議会や欧州人権裁判所、またEUの欧州議会を擁し、ベルギーのブリュッセルと共にヨーロッパの象徴的な都市の一つとなっている、と。

 ストラスブールの左右非対称のノートルダム教会{写真}、左右非対称だからこそ、ゴシック的に美しいということは以前書きましたね。

 行ってみたいものですね。




 さあ、だいぶ横道にそれましたが、それにしても、マギ・・・。

 いったいマギはどういう役割を果たしたのか、掘り下げてみましょう。

 マギ(ギリシア語形: 単 Μάγος、 ラテン語形: 単 magus, 複 magi)とは、本来、メディア王国で宗教儀礼をつかさどっていたペルシア系祭司階級の呼称、だそうです。

 つまり本来はイラン系なのか・・・。

 アヴェスター語形マグ(magu, maγu)に由来する、と。

マギの美箱9

2007年12月19日 08時48分26秒 | Weblog
 ちと古いですがハイネの、「なじかは知らねど 心わびて」

http://jp.youtube.com/watch?v=x1LyRL3MFnc&feature=related

 読んではおりませんが福井晴敏氏の小説『終戦のローレライ』、続く映画のローレライってのもあったみたいですがね。

 ウィキによれば、ローレライ(Loreley)は、ライン川流域の町ザンクト・ゴアルスハウゼン近くにある、水面から130mほど突き出た岩山のことであり、スイスと北海をつなぐこの河川でも一番狭いところにある。

 流れが速く、水面下に多くの岩が潜んでいるため、かつては航行中の多くの舟が事故を起こした場所である。

 ローレライ伝説は、上述のようにローレライ付近が航行の難所であったことが、ローレライにたたずむ金色の櫛を持った美しい少女に船頭が魅せられると船が川の渦の中に飲み込まれてしまう、という魔女伝説に変化したものである。

 多くの話に共通するモチーフとしては、ローレライとは不実な恋人に絶望してライン川に身を投げた乙女であり、水の精となった彼女の声は漁師を誘惑し、破滅へと導くというものである。



 とのことですが・・日本でこのテーマだと、かなりおどろおどろしくなりますが、なんとなくローレライ伝説と聞くと、ちょっぴりファンタジーに聞こえてしまうのはなぜ?

 そして個人的には、ローレライ→ニーベルングの黄金→ニーベルングの指輪と連想が続くのです。

http://jp.youtube.com/watch?v=GSKL5E3zSjs

 

 13世紀の伝説では、ローレライの岩の下にはニーベルングの黄金が眠っていると伝えられているのですよ。

 ニーベルングとは「霧の国の人」を意味し、霧の国とは北欧神話で言うところのニブルヘイム、冥界を意味するのだそう。

 黄泉の国伝説というと、日本人にはなんとなく馴染み易い・・・。

マギの美箱8

2007年12月18日 08時14分31秒 | Weblog
 偶然にもそのNHKの番組では、聖ペテロが牢獄でつながれていたという「鎖」も見せてくれました。

 でも、ちょっと・・・まぁ、本物かどうかの証拠は置いておいて・・・

 「クオ・ヴァディス」・・・岩のペテロの「主よ、何処に行き給ふか」という有名な台詞、もうみなさま、聞き覚えがありますね?

 そして番組では、第二次世界大戦での都市ケルンの破壊と、残った大聖堂にそれ以外の瓦礫の山・・・

 そして教会を中心に市民が街を復興した話と続いていったのでした。

 また、ケルン大聖堂では最近、近代美術を取り入れて、「モザイク模様」のステンドグラスを新調したそうなのですが、それについても放映されました。

 市民の意見は賛否両論。

 僕的にはNGでしたな・・・。

 やはり教会には神々しさや、敬虔さ、そういった人智を超えた何かが必要。



 さらにさらに最近、やはりテレビで、なんとかという女優さんがスイスからドイツ、フランスへ自転車で旅する、みたいな企画をたまたま同じこの時期に放映しており・・・

 何で、何で?この偶然・・・

 フランスではドイツとの国境、ケルンに程近いアルザス地域が放映され、この地域は「ブルボンに仕えるドイツ人」と呼ばれ、ドイツ・フランスで分捕りあいをしてきた微妙な地域。

 これについても去年の12月のゴシックのときに、その首都、ストラスブールの教会でお話しましたね。

 女優さんは先ほどのライン川を越えて、ドイツからフランス、コルマール{写真}に入国しておりました。

 そのライン川と言えば、やっぱローレライでしょ。

マギの美箱7

2007年12月17日 08時45分04秒 | Weblog
 この遺物、マギたちの遺骨はイタリアのミラノから、戦利品として奪ったと紹介されてました。

 本書ではマギの聖骨は、バルバロッサ帝(神聖ローマ皇帝、フリードリヒ1世の呼び名=赤髭王)のミラノ略奪の後、聖なる遺物はケルンのライナルド・フォン・ダッセル大司教の手に渡ったが、それを良しとしない勢力があった、と。

 つまり、イタリアからドイツに渡ったわけです。

 言ってみれば、ネスタやマルディーニ、トッティ、インザーギ、ピルロ、ブッフォン、カンナバーロ、ザンブロッタ、デル・ピエーロ、バッジョらの手から、オリバー・カーン、ベッケンバウワー、ルンメニゲ、マテウス、バラック、ブッフバルト、リティ、シュナイダー、クリンスマン、クローゼらの手に渡ったのか・・・

 目もくらむほどそうそうたるすごい名前だけど、チト違うか??

 本書「マギの聖骨」では、その聖骨の移動から物語が始まっていきます。

 その昔は遺骨はイスタンブールにあったそうです。

 ということは、元来は東ローマ帝国、正教側だったのかな・・・?

 時代的に見ると、赤髭公が奪ったその頃はまだミラノのドゥオーモ、大聖堂は着工されてもいませんので、同じくミラノはサンテウストルジョ教会から奪ったのでしょうか?

 サンテウストルジョ教会、仮名だと覚えにくいのですが、santeustorgioと書くみたいです。

 この教会は解説によりますと、

 「キリストの誕生を祝って東方からやってきた三博士の遺骨を祀り、11世紀頃に完成された教会。

 ポルティナーリ礼拝堂が見どころ。

 建築家ミケロッツォがルネッサンス様式により建てたもので、そのデザインが、内部を飾るフォッパ作のフレスコ画『サン・ピエトロ・マルティーレの生涯』やバルドゥッチョが彫刻を施した大理石の墓と見事に調和している。」

 とありました。

http://www.santeustorgio.it/


 中世では聖遺物を見世物として巡礼者を集めたため、ケルン大聖堂では12世紀後半にこの「東方三博士の聖遺物」がおかれたことで、ケルンの発展に大いに貢献したそうです。

 他にもケルン大聖堂には聖ペテロ{写真}の杖と鎖、キリストが磔にされた十字架の破片という聖遺物があると本書に出てきましたが・・・。