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人権の話

中国人権研究会「中国の人権状況を如何に正確に評価するか」

 12日の人民網にのっておりまして、これがなかなかの難文。
 全訳を載せたところで面白くもないので、抄訳を載せてみると。

 ある国家における人権状況を評価する為には、歴史と発展の観点から総体的に評価しなくてはならない。人権状況の発展は歴史過程の一つであり、歴史、社会、経済、文化などの制約をうける。各国の歴史背景、社会制度、文化的伝統、経済発展状況には大きな差が存在する、人権に対する認識も異なり、実施方式もそれぞれである。
 アヘン戦争以降、中国人民は帝国主義、封建主義、官僚主義によって圧迫され続けた人権を奪取するために闘争してきた。
 中華人民共和国成立後、人民が主役となり、中国の人権状況は根本的に変化した。中国政府は己の歴史と国情を鑑み、常に人民の生存権、発展権問題を緊急課題としてきた。経済発展にともない、人民は憲法と法律に定められた公民の権利、政治上の権利、経済、教育、文化、社会等の権利も広範に整備され、中国の人権状況は史上かつてないほど高くなっている。
 中国は発展途上国で、歴史と経済発展レベルが原因で人権状況はまだ整備されなければならない。
 総括:
・長期に渡る努力の結果、中国の人権改善は大きな歴史的業績を得た。
・歴史と経済発展レベルが原因で、中国の人権状況は不完全な部分があり、引き続き改善しなければならない。
・これまでに存在した問題について、積極的に解決され、中国人権の発展態勢は良好である。
(中国人権研究会)


 抄訳にしてもまだうだうだですが、平たく言えば「人権ったっていろいろじゃないか。努力したんだ、成果も出たし。まだ不充分だと自分で認めてるじゃないか。それでもこれまでにくらべたら大分よくなったんだ」いや、原文はもっとぐだぐだなのですよ、筆者の貧困な中国語力も手伝って。

 ぐだぐだはいいとして。
「各国の歴史背景、社会制度、文化的伝統、経済発展状況には大きな差が存在する、人権に対する認識も異なり、実施方式もそれぞれである」
(原文:"由于各国歴史背景、社会制度、文化伝統、経済発展状况存在着巨大差異,各国対人権的認識往往并不一致,人権的実施方式也各不相同”)
中国人権研究会、言ってはならない事を・・・

 中国も起草委員会に連名し、採択に賛成した世界人権宣言の第一条
「すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない。」
つまり「人権は普遍的概念」であって、その国固有の条件、問題があろうがなかろうが世界中で認識は同一でなければならない筈。この解釈はいささか古臭くなってきたとはいえ、なにも今ここで斬新な解釈を持ち出さなくてもいいのでは。
 ここはですね、
「生まれながらにして?言葉遊びしてんじゃねえ。うちの国民に自由権なぞ百年早いわ。白い猫だろうが黒い猫だろうが鼠を取る猫がいい猫なのだ、ふははははは」
と開き直れればすっきりするのですよ、国際人権B規約(自由権規約)もどうせ批准していない事ですし。
 そこはそれ中国人権研究会ですから、一応グローバルスタンダードを知っていながら、自国政策擁護の文章を書かねばならない。
 仕方がないので、歴史やら社会やらを持ち出して、なんかこう奥歯にモノの挟まったような難文になってしまったと。

 こんなんで18日からの胡錦涛訪米大丈夫かね。

 筆者も人権には思うところがあるのですが、いささか過激なのでここでは書かない。

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