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存在は怖いのだ

2013-10-14 14:53:28 | 日記
lする事になった水上機母艦二隻、駆逐艦六隻の輸送部隊の護衛を行い、その後飛行場への砲撃が予定されていた。
 そして、第一次挺身部隊は途中輸送部隊と分かれてもう一つの任務である飛行場攻撃の為に順調にヘンダーソン基地に迫っていた。

 無事に護衛任務を終えた第一次挺身部隊はヘンダーソン基地に向かって闇夜の中を進み続けた。
 艦隊中央に位置する第一次挺身部隊旗艦――青葉(あおば)型重巡洋艦一番艦?重巡洋艦『青葉』の第二主砲の上に一人の少女が静かにたたずんでいた。
 長い髪を先端の方で紐で纏めた独特の髪型をした少女はじっと明るい月を見上げる。
 彼女の名は青葉。この重巡洋艦『青葉』の艦魂だ。
 見上げる月は今日は満月。艦隊はその柔らかい月明かりにそっと照らされている。
「きれいな月夜ね」
 そっとつぶやいた青葉は、ふとまわりを走る艦隊を見詰める。
 今回参加している重巡洋艦は『青葉』とその妹艦『衣笠(きぬがさ)』、そして現役重巡洋艦最古参の古鷹(ふるたか)型重巡洋艦一番艦の『古鷹』である。三隻とも重巡洋艦の中では古参に入る艦ばかりだった。
 青葉はそんな旧友達と共に作戦に参加できる事がとても嬉しく、そっと微笑んだ。その笑顔はとても優しく、彼女が軍人とはとても思えない。
 青葉はそっとガダルカナル島のある方向を見詰める。
「輸送部隊は無事に行けたかしら」
 先程まで守っていた輸送部隊の安否が気になるが、現在の作戦は敵飛行場を砲撃する事だ。今はそれに集中しようと首を振って邪念を忘れる。
「今の任務は敵飛行場を砲撃し、金剛さん達の負担を軽くする事。がんばらないと」
 そう言って青葉は気合を入れ直した。
 艦隊は進み続け、そろそろガダルカナル島も近くなって来た頃、艦隊は暗闇の向こうに友軍艦隊を見つけた。 
「もしかして、金剛さん達かな?」http://www.t4wy.com
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 青葉はそれを見てあわあわと焦る。なぜなら自分達の任務は第二次挺身部隊の先遣隊として先に攻撃しなければならないからだ。
 青葉はその場にがっくりと崩れた。
「???あぁ、金剛さんに怒られるぅ???」
 青葉は目に涙を溜めて悲しむ。それほど金剛という存在は怖いのだ。
 その時、照射灯が照射され、点滅した。発光信号である。
 ――ワレアオバ、ワレアオバ――
 同士討ちを避ける為に『青葉』は発光信号を続ける。だが、向こうの艦隊からは何の返答も返って来ない。
「金剛さん????」
 青葉が疑問を持ち始めた刹那、
 友軍艦隊が一斉に発光した。直後、すさまじい砲撃音が響いた。
「???え?」
 次の瞬間、青葉が見たのは真っ白な光だった。

 第一次挺身隊は友軍の同士討ち――ではなく、それは敵艦隊の砲撃であった。
 日本軍の出撃を知った米軍は迎撃の為に重巡二、軽巡二、駆逐艦五隻の巡洋艦部隊を派遣した。この艦隊には夜戦最強の日本艦隊に対抗する為にレーダーを搭載していた。
 米艦隊はレーダーで日本艦隊こと第一次挺身部隊を捕捉。無知な日本艦隊からの発光信号に対して発光信号ではなく砲弾を送った。
 この攻撃により旗艦『青葉』が被弾し、司令官の五藤(ごとう)存知(ありとも)少将戦死。指揮系統は壊滅した。
 ここに来て艦隊はようやく友軍艦隊と思い込んでいた艦隊が敵艦隊だと気づき、慌てて応戦するが、すでに奇襲によって混乱が起き、さらに司令官の戦死によりさらに混乱。まとも反撃ができなくなっていた。
 そんな中、殿を担当していた『衣笠』は駆逐艦『吹雪(ふぶき)』(吹雪型駆逐艦一番艦)を率いて敵艦隊に突入。敵艦隊に大打撃を与えた。
 共に行動した『吹雪』も奮戦するが、敵艦隊との近接戦闘で撃沈された。
 『衣笠』の奮闘によって、残存艦艇は逃げる事

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