Into The Light   

人生ではなく、人間を考える。
光の指す方へ。

香港旅行記マカオ編~vol.1~

2007年02月05日 | 香港旅行記マカオ編
その瞬間を人生に見立てる。
勝ちか、負けか。
いや、それよりも、今この瞬間に俺が賭けたほうに「光」が点くかどうか。

ディーラーが三つのサイコロが入ったドーム型になっている黒いケースを開き、結果を表示するために手元のボタンを押す。
「小」
やられた。
「大」に賭けていた様々な金額のチップが俺の100香港ドルのチップ(詳しく言うとここはマカオだから100パタカだけど)と一緒にディーラーに回収されていった。100香港ドル=1500円。1香港ドル=15円。
香港からフェリーでマカオまで来て、お馴染みの飲食店で安いけれどとびきり美味しい中華料理を食べ、そのまま飛び込んだマカオで古くから続くギャンブル場、「リスボアホテル」で、中華料理に舌鼓をうって物足りなさから思わず飲んだチンタオビールの酔いが冷め切らず、なんとなく賭けてしまった結果だった。
今回、香港に来るのが三度目となるのと同時に、マカオに来るのも三度目。そしてここ「リスボアホテル」にくるのも三度目だ。初めてマカオに来たときになんとなく入った先ほどの飲食店にも来るたびに寄っていて、それはそのときに勢いよくギャンブルに勝った験かつぎ。

初めてマカオに来た、二日間ギャンブル三昧だった、ひたすら「大小」というギャンブルに魅せられたあの時。
あのときは二日間、飯を食う以外はずっとギャンブル漬けで、それもずっとこのマカオ特有のギャンブル、「大小」をしていた。
それは2003年、3月に遡る―。

初めて入った、妙に古臭くて、だけど豪奢でなんとか建築みたいなギャンブル場の雰囲気、ギャンブル台に向かう人々の、内に秘めた決意めいたものと、同時にギャンブル場の室内の雰囲気が醸し出す厳かさのようなものに、なんなんだ、という感嘆と不思議な感情が入り混じって、異国からさらに異国に連れて来られてしまったような複雑な気分だった。
というのが当時の正直な感想でもあるけど、実際いつ行ってもそれは変わらないと思う。
ルールは知っていた。
それとなんのギャンブルをやろうかも決めていた。
俺が目的としていた一番面白いだろうギャンブル。
「大小」だ。
サイコロを三つ振り、出た目の合計が3~10なら「小」、11~18なら「大」で、どちらの目が出るかを賭けあうという日本の丁半博打と同じ要領の簡単なギャンブル。
ただ、日本の丁半博打よりは少し複雑で、こちらの「大小」には賭け方もいろいろあり、3~18までそれぞれ賭けるものとか、ぞろ目だとか、出る目がいくつだとか。それによって倍率も変わってきて、間違いなくのめりこむ。
もちろん初心者だった俺は大か小か、そればかりを考えて、知らぬ間にそのゲームに「乗る」ことになる。
単純だ。大か小か。

続く…





写真は
上:ホテルリスボア
下:マカオ中心街




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