著者:海堂 尊
版元:幻冬舎
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読みながら心臓がばくばくした。
ここから本当に海堂氏の書きたいことが始まるのだと。
これまではタダの序章にしかすぎなかったんじゃあないだろうか。
今まではタダの理想屋でひねくれ屋で、でも秀才の
白鳥君だったのだけれども、ここにきて、ついに白鳥君が
本当に望んでいることのカケラが見え始めた。
それはきっと、現場にいる海堂氏の心のカケラなのだろう。
『チーム・バチスタの栄光』がこの世に出てから数年。
もしも海堂氏が小説を書かなかったら。
われわれはAI(オートプシー・イメージング=直訳すると解剖画像)という
言葉すら知らないままいたのではないのでしょうか。
今現在。
すべての死亡に対する解剖率が2%を切るという現実。
本当の死因がきちんとわかることって、医学の発展に
つながるはずじゃないのかな?と私立文系の頭では
思うわけです。
そして、いつも思うことですけれども、
不老不死とか、毛はえ薬とか、臓器移植とか、
そゆことのまえに、今ある病を治すための研究に
たくさんのお金と人手を使ってほしいと
心から願うばかりです。