フクロウは夕暮れに

接触場面研究の個人備忘録です

お詫びとお知らせ

2008-01-06 23:06:19 | Weblog
というわけで、お気づきの方もいらっしゃると思いますが、コメントとトラックバックが少し増えました。

じつはずいぶん前に、コメントにジャンクメールが増えてきたことに気がついて、管理人の私が公開するかどうかを決める設定にしていたのです。そのことをすっかり忘れてしまっていて、昨年中はとんと見ず仕舞いでした。

今後は見るようにしますので、どうぞお許しを。気が向いたらコメントなどして下さい。
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古代アテネ女性はヴェールで顔を隠していた

2008-01-01 22:06:38 | Weblog
元旦に何ですが...

昨年8月のBSで放送した番組の再放送を見ました。昨年は小田実に刺激されてソクラテス関連の本を読み続けたので、じつに興味を持って視聴しました。

<シリーズ 地中海歴史紀行>
民主主義誕生の地 アテネ 前編 丘に集う市民パワー
民主主義誕生の地 アテネ 後編 民主政治の腐敗とソクラテスの死

Bettany Hughesという歴史ジャーナリストの紹介で、アテネの町や古代ギリシャの島をめぐりながら、アテネ誕生からアテネ崩壊の予兆としてのソクラテスまでを扱っていました。私のような素人にはとてもわかりやすい説明が続いて、帝国主義と奴隷制と民主主義の深い関係や、ソクラテスの疑問が民主主義の否定(プラトンのユートピア)へと繋がっていく点までを、ものすごいスピードで紹介していきます。

面白かったのは、当時の女性が現在のアラブ女性のように深ヴェールを頭からかぶって顔を隠していたと言うことかな。アラブ女性がヴェールをかぶるようになったのがいつからなのか(イスラム以前にもあったでしょうね)わかりませんけど、小田実が言うように、やはりギリシャは、地中海の黒いギリシャであったという気がして来ます。

ただ、歴史ジャーナリストがそのヴェールを被って古代アテネの女性と同じ格好をさせてもらったときに、「ああ、息が詰まるみたい、怖いわ」と言ったことからもわかるように、残念ながら番組はイギリス中心の視点から取り上げているので、どこか違和感が残りました。だって、そのショールが現代でも綿々と使われていることに意識があれば、そんな言葉はでないはずでしょう。

古代を扱うのは難しいです。ソクラテスの疑問がプラトンの「ユートピア」へ、さらにはヒトラーやスターリンへと繋がる、なんて言うは易しですが、古代アテネの民主主義がどのようなものだったか、その実際を理解しなければ、言葉に惑わされるばかりでしょう。現代のdemocracyの意味するものによって古代を評価する、それはアナクロニズムと言うんじゃないでしょうか?
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