「クボタン」とは護身具の一つであり、ペン状の形をしている「直径1.5センチ、全長約14センチ」の主に金属性で出来た棒の事である。この護身具の創始者は、映画 「キラーエリート」で武術指導もしていた「窪田孝行」という人物である。1964年に彼は渡米してLAPD(ロサンゼルス市警)やFBIの警察学校で逮捕術や警棒術を教えるようになった時、女性警官に男性と同じ逮捕術を教える事への難しさに遭遇した。関節などを取って、容疑者を制圧するには体力差がありすぎたためである。
そこで考え出されたのが、彼がいつも持ち歩いていた「ヤワラ」という突き専用の武器「直径2センチ、長さ14センチ程度の木製の棒」。
「これを改良すれば女性警官にも楽に扱えるはず」。「そして警察官である以上、相手を致死に至らしめてはならない。」
彼はこれらの事を踏まえ、人が簡単に鍛えることが出来ない関節やツボを攻め、僅かな力で相手を制圧する、「クボタン逮捕術」を誕生させたのである。渡米して4年後の事であった。
「クボタン」の基本的な使用法は「突く、打つ、関節を取る、肋骨を擦る」などがあるが、「クボタン」についているキーチェーンに取り付けた鍵束を、ヌンチャクの様に相手の顔面に叩きつける等、その使い方は多彩である。沢山の鍵束を持ち歩く警官にはまさに最適な道具といえるだろう。
「クボタン」は最初「ヤワラスティック」、「ペンスティック」などと呼ばれていたが。「窪田氏」の友人でもあるロス警察官が、開発者である彼の名にちなんで後に「クボタ」と「バトン(警棒)」を組み合わせた、「クボタン」という名前がつけられた。
http://en.wikipedia.org/wiki/Kubotan
この護身具の利点は「スタンガン」や「催涙スプレー」などでは警察官の職務質問や検問の際、正当な理由なく持ち歩いていると判断されれば没収されてしまうが、「クボタン」ではそれは起こりにくい事である。
ちなみに「クボタン」や「ヤワラ」は「手の内」という武器の流れを組む。