福島県いわき市三和町永井地区に
伝えられている昔話を紹介します。
今回は「オイナホッケ」という話です。
オイナホッケ
上永井大平田地内に、オイナホッケという、
上永井で一ばん高く美しい山があります。
そしてこの山は県道側からは
どの地点からでも見る事が出来ると言われています。
上永井の人達が、誇りに思っているだけのことはあって、
その形も美しく、四季のうつり変わりと一緒に山の色も変化して、
春先の雨あがりの若緑と、
秋の松の中に見える紅葉の紅(くれない)の色は、
それはそれは見事なのです。
しかしその見かけの美しさとは裏腹に、
自然界から受ける厳しさを一人じめにしたように、
冬の間は、雪も永い間とけたことがないといわれるほど寒く、
木々の枝先を吹きちぎるほどの北風が吹きすさぶのです。
そして夏は反対に強い陽ざしが一日中ジリジリ照りつけ、
風はそよとも吹かないのです。
昔、この地の一番環境の厳しいこの山に自ら身を投じ、
厳しく辛い修業をつんで居られた「オイナ」という名の修業僧がありました。
人もめったに訪ねることもない山の中で、
一人ぽっちで経を読む毎日だったといわれています。
里の人達と顔を合わせることなどはなかったのですが、
偉い法華さまだといわれ、里の人達に尊敬されていました。
しかし修業を終えた法華さまは、山を下りて帰っていかれました。
里の人達は、いつまでもオイナさまの名を残しておきたいと
この山に「オイナホッケ」という名前をつかたそうです。
今でもこの山に登ってみると、
頂上付近に整備されたような平地があり、
そこがオイナさまの住居跡だといわれています。
又、下永井に舘のあった時代、やはりこの山の頂上にも
舘があったと伝えられています。
■いわき市三和町永井の昔話を収録した『永井の昔ばなし』という本が
発行されました。
新書判で、1冊840円(税込み)です。
ご購入を希望される方は
次まで、はがきで、お申し込みください。
平電子印刷所
〒970-8024
福島県いわき市平北白土字西ノ内13
注文をされる方のお名前、ご住所、電話番号と、
本の名前(『永井の昔ばなし』)と
購入冊数を
ご記入の上、
はがきでお申し込みください。
なお、本の代金のほかに
送料160円がかかりますので
よろしくお願いいたします。