《乙女》→イン・ザ・ナーサリー maiden in the nursery

『悦楽はあまりに富んでいるが故に苦痛を渇望する。地獄を~不具を、一口にいえば世界を――』
あたし渇望してるの。

To Bob ★ アリスの否定論理積

2008-07-03 05:22:54 | anagram
 
 諸事態の存立という、世界と呼ばれる全ての事実。
 それら事象が真に事実であるかなど証明する術はない。

 届きはしない……
 セカイの厳密解。

     ☆
 
 此処は言語で事足りる事象の領域内。
 有界……
 オーディンの馬。

 近似解の宇宙に霧散する残差。
 誤差であるところの残差の欠片、無数に存在する可能世界の何れかが私の範疇(テリトリー)。

  Je pense, donc je suis.

   cogito, ergo sum !?

 十一歳の春、唐突に体だけが少女から女になった。
 夢から醒めると、冷えた床の上には散り散りの赤。
 痛みも無く、ただスカートに染み出したその色が、私の少女領域を瓦解させた。

 それは、まるで他愛ない出来事……

『事象は皆同義だよ』

 散り散りの薔薇の花弁も。

 分裂も、融合も。

 秩序も、混沌も。

 新生も、腐敗も。


 光……

 黒い光、闇光。

 宇宙の薔薇は暗黒の薔薇で、

 何も彼もは、バラバラの離散世界でのたわいない一事象。

 
 十次元の極微小な弦が、様々な素粒子を生成し、音楽は常時、全音階を放っている。

 十一次元の膜……万有の理(……)。

 私という膜に起こる間歇の流血。

 あらゆる差異。

 カタストロフィー。

 不可逆の時間。

 具現のリゾームに、Webのモグラが模倣を放銃する。

 溢れるステロタイプと自己複製。

 グライダーガン。


 連続的対象が離散的対象の近似である事。

 ――それらは大凡の事実みたい。

    ☆☆

 そして近似解の私は、模倣と快苦の収支算に塗れた此処で、
赤い花を見る度に「我思うと我思う、故に我ありと我思う」とか思うの。

 私の存立を肯定しないの。
 私は肯定しない。





次回へ

[BGM] MIDNIGHT IN A PERFECT WORLD / DJ SHADOW



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