1999 

~外れた予言~

はじめに

2007-04-24 00:52:04 | Weblog

私が小学生の頃、
日本中でノストラダムスの予言が大流行していた。
「1999年の7月に人類は滅亡する!」
という例のお騒がせ終末予言である。

1999年には自分は30才を越えているな、とか、
その頃の自分は何をしているんだろう、などと、
私はいろいろと想像せずにはいられなかった。

子供ながらに私は、
この予言は全然信じていなかった。
人類は、そう簡単に滅んだりはしないだろうと、
なんとなく漠然と思っていた。

どちらかというと、
ロマンのない子供だったのかもしれない。
占いやおみくじを信じたことはなかったし、
神や仏や悪魔に祈ったこともなかった。

大人になって社会に出て働きだして、
あくせくと忙しく日々を過ごしながら、
1999年は、
ありふれた日常の中であっさりと過ぎていった。

人類は滅ばなかった。


ノストラダムスの、
あの、よくわからない意味不明であいまいな予言詩が、
実際に人類の破局を意味していたかどうかは疑問だ。
彼は直接的な表現としては滅亡とも破滅ともいってない。
そんなことはひとことも書かれてはいない。

要するに、
あとづけで当時の日本人が勝手に解釈して、
それを日本中で老若男女が騒いで楽しんでいただけだ。


私は、心霊現象や超能力は信じていない。
UFOも宇宙人も地底人も海底人もいないと思っている。
ただこれでは、
ずいぶんとロマンのない生き方かな、とも感じる。

これからここで、
1999年に起こるかもしれなかった人類の壊滅的破局を、
誰にも知られずにこっそりと回避させた人たちがいた...
という設定で、
荒唐無稽なストーリーを描いてみたい。

無論、100%完全なフィクションである。