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『アマデウス』

2006-01-26 13:13:42 | ★MOVIE-REVIEWS
『アマデウス』を見ました。notディレクターズカットはDVD両面再生だというのに後半から見てしまい、ずいぶん進んでから気付きました。うぅ…。

あらすじ。
ある冬の日、ウィーンの街である一人の老人が自殺をはかるが未遂。精神病院に運ばれた彼は自分が音楽家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトを殺したのだと自白し、己の音楽にかけた人生とそこに現れた一人の天才について語り始める…。

---以下ネタバレ含む感想。


やりきれねえ…。
まさしく天才という一握りの人間に軽やかに馬鹿にされ道を踏み外すサリエリ。確かに劇中ではモーツァルトの音は華々しく、サリエリの音はまるで練習曲。だけど見ている側もやっぱりサリエリと同じくどこかしら凡庸な部分が掘り返される気分になってしまい、悪事だとわかっていても口を噤んでしまう後ろめたさに染まってしまう。
サリエリが大衆よりも知識がある分余計にモーツァルトの後光が妬ましく、嫉んでしまうのが悲しい。凡人であることを自覚しているのに、その凡人の中でも神に近づいているポジションだからこそ神の偉大さを切望し絶望する、その空しさ。
最後に精神病院で「私は凡庸の神だ!君達を許そう」と叫んだサリエリは、行き責めの業に絶え切れず狂乱のスパイラルへと遂に陥ってしまったよう。それにもかかわらず、本当はそんなサリエリが一番許して欲しがっているのかもしれない…唯一の神に。
だけど求める神の後ろで、降り注ぐ天上の音楽を紡ぐのは滑稽な高笑いをする下劣漢で……。ああぁ本当orz

謎の多いモーツァルトの死に対しての新しい解釈から、移入してしまうことを避けられないストーリーにまで膨らませた、美しき傑作。

映像が本当に綺麗ね。さすが1984年アカデミー賞。オペラってのは音だけじゃなく、総合芸術だからね、と教養の先生はおっしゃっていたがまさしくその通りだと、同じく総合芸術の映画から味わわせていただきました。

これを期に、教養の授業以上にモーツァルトの生涯についていろいろ調べてみたいデス。


[参考]
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトについてのwiki
アントニオ・サリエリについてのwiki

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