
* 今月のシンビジューム
まだ開花を続けている株もありますが、新しい芽や新根が発生して伸び始まりのものもあるなど、株を複数所有していると成長差が感じられる時期です。
成長の始まった株については、生育期の栽培を始めるようにし、早く育て上げるように努力をしないと、来年の花は期待できなくなってしまいます。
終わった花は、花がらをつみ、株分けや、植え替えなどをまだすませていない株は、大至急これを行うようにします。
* 置き場所
早いものは先月の下旬ころから鉢を戸外へ出しますが、一般的には今月から10月いっぱいまでが戸外栽培に適しているときですから、庭やかベランダのようなところに鉢を出してやるようにします。
戸外の培養場所は、日光がよく当たることと風通しがよいことが条件で、この2つが満たされていないと満足には成長しません。
熱帯、亜熱帯圏が生まれ故郷のシンビジュームは半着生といって樹上に生えていたり、地生していたりしていますが、いずれも日光と通風にめぐまれ、その上に、夜間の温度が下がるところにあります。
シンビジュームは夏の夜をいかに涼しくさせるかが大切なポイントで、翌年の花つきを左右します。
5月から10月までの日本の天気や温度は、気候的に野生していたところと、大差がないので戸外栽培したほうが株のためによく、あまり手をかけなくても株は育ちます。
また、シンビジュームの戸外栽培は、他の洋ランの場合に比べて、基本的には遮光はしませんが、夏の酷暑の間は株の衰弱が激しいのでこの間だけ50%の遮光を行います。
鉢の置き方は、地面やコンクリートには直接置かず、板などを置き、その上にのせて日光の照り返しを防ぎます。
ブロックとすのこ状の板や金網で台を作り、その上に鉢を置くと、雨のはね上がりを防ぐと同時に通風が良くなりよく育ちます。
* 潅水
生育期のシンビジュームは、たいへん水をほしがりますので水やりの回数は多くなります。
今月は生育初期のものが多く、水をたくさん与えなければ生育も悪く花数も少なくなります。
植え込み材料が水ゴケなのか、軽石なのかによって乾き具合もちがってきますし、鉢に入っている株の大きさや、葉数のちがいによっても乾き具合はちがってきます。
このため均一の潅水は避け、たとえ1鉢か2鉢であってもよく見て与えるようにします。
与え方の原則は春と同じで、植え込み材料の表面が乾いてきたときにはすぐに始めますが、気温も上がってきていますから、午前中だけでなく、夕方からの潅水もかまいません。
また鉢内だけでなく、葉水や霧水も行ったほうが育ちがよくなります。
* 肥料
5月は肥料やりの絶好機です。
低温越冬させてきた株も、今ごろになると新根や新芽もすくすくと伸び、多くの肥料をほしがります。
油かすと骨粉を半々に混ぜたものや、市販の油かすの固形のもの、緩効性化成肥料のボール状の肥料を置き肥として与えます。
置き肥と併用して市販の液体肥料を1000倍に薄め、週に1回与えます。
肥料は、効果のある期間や用量がさまざまですので、いずれの肥料も説明書をよく読んでら使用するようにします。
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