野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

高麗川巾着田

2010-03-19 | ハイキング
 名栗湖の帰り、野鳥を見たくて彼岸花で知られる巾着田に寄った。




 春の柔らかな日差しを浴び、川面は煌めいている。以前はこの川にヤマベやウグイを釣りによく来たものだ。


 チュウダイサギが餌の小魚を探している。




 藪の木の上で囀っているのはイカルのようだ。






 カワセミがカメラを向けた途端逃げ去って行った。






 ポニー牧場




 ホトケノザの大群落









 秋のヒガンバナの時期は殺人的な混みようだが、この時期観光客は全く見ない。のびやかな瀬音と時折の野鳥の囀りだけの世界。気持ちのいいのどかな風景の中で遅めの弁当を広げた。自然を前にして食べる弁当は何時だってうまいのだが、川の流れを前にして食べると更に美味しく感じるのはどういうわけだろう。

 未だ自然が残されている巾着田だが、それでも観光公園として整備された結果、本来の豊かな自然は失われてしまったように思える。以前見られたレンゲの大群落はもう見られず、かっては川の上を飛び回っていたヤマセミの番も消えて久しい。





 大発生したナズナの群落にたたずむカワラヒワ、一羽きりでいるのは珍しい。



 これはカシラダカのようだ。



 細い用水の中ではカルガモが番いで寄り添っている。



 これは随分色白の顔をしたツグミ



 民家の庭に植えられたシュンランも咲きだしたようだ。



 ウグイスカグラ




 暫く散策しているうちに春の陽がゆっくりと傾き出したようだ。闇は川岸に宿り、次第に流れを暗色に染めていく。黄昏の風が吹きだし川面に細波を作っていく。薄闇の訪れとともに幼かった日々の川遊びの記憶が甦ってくる。



 河原の枯れ草の中からいち早く咲きだしたハナニラ。これも群生する花なのに一株限で健気に咲いている。






 時はひとつの方向に流れ去り、決して後戻りすることはない。そして人生もまた一度きりで繰り返すことは叶わない。が、思いわただけは楽しかった少年時の世界へと馳せることができる。そしてどんな時でも好きなだけ何度でも訪れ、自分だけのささやかなエルドラドを作り上げる事ができる。

 何のために生きるのかと今まで何度も自問自答してきたが、そしてその答えは年齢とともにその都度変わってきたのだが、現在のところの答えは「自分の回りに美しい豊饒な世界を築き上げるため」というのが私の答えになるようだ。

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