慌ただしく出掛ける通勤の朝、
畑が続く田舎道の
民家の玄関先を
ちょっと腰をかがめて
丁寧にほうきで掃く
お年寄りを見かける
気にも留まらない何気ない風景だ
しかし、
朝 まず玄関前を
丁寧に掃き清める日課には
きっと一日を
折り目正しく送るスタートとして
大事な意味があるに違いないと気付いた
自分には そんな一日の
スタート儀式があるだろうか?
そう思ったら やたらバタバタと
何かすごく勿体ない朝を
やり過ごしていると感じた
休日の朝、ふとベランダに目をやると
植物たちの枯れ葉が結構落ちている
ほうきを取り出して掃いてみた
すると、なんて気持ちがいいのだろう
やはりそうだった
朝、玄関前を掃き清める行為は
気持ちの曇りを払い
新しい一日を
清らかに過ごせるようにという
祈りだったのだ
何気ない風景の中に
素敵な意味を見つけた
嬉しい朝であった