明日がいよいよ、11月29日。今年の5月に、大統領選挙の実施日と定められ、大統領令によって公示された日付である。それ以来半年間、人々はこの日付を念仏のように唱え続けてきた。さらに11月29日に至る手順は、「工程表」として明らかにされた。それほど皆が目標にしてきた11月29日。でも、準備は「工程表」通りに進まず、だからもちろん、明日に大統領選挙が行われるということはない。
もうしばらく前から、大統領選挙の日付の、さらなる延期が不可避であることは明らかであったのだけれど、結局誰もそれを言いだせない。そのまま、ずるずると今日まで来てしまった。大統領令で定められた選挙実施日なのだから、その延期にも大統領令が必要だと思うのだけれど、結局そうした正式決定は出なかった。
「危機」の発生以来、大統領選挙が延期されるのは、これでもう何度目だろうか。私が着任してからですらも、昨年11月30日が延期されたのに次いで、すでに2回目である。いったい、コートジボワールは危機脱出に至るのか。いつになったら、政治が正常化するのだろうか。こうしてずるずると、難渋から抜け出せないのではないだろうか。まったく暗澹たる気持ちになるようであれば、その人はコートジボワールの専門家ではない。
11月29日の期日到来を前に、24日、「国連コートジボワール活動(UNOCI)」のチョイ代表が、外交団を集めて説明会をした。そこで、開口一番、チョイ代表が言う。
「とても見通しは明るいのです。」
と、こういう分析が出来なければならない。
「暫定選挙人名簿が、22日に公示されました。これで、選挙に向けて動き始めます。1ヵ月かけて異議申立を受け付け、それから1週間で係争案件を処理します。そうすると、ちょうど元旦です。つまり、年明けには、確定版の選挙人名簿が準備できる。」
あの、ただでさえこの時期は年末年始、とりわけ12月後半はクリスマス休暇で、誰も動かなくなるんですけど、と茶々を入れてはいけない。常に前向きに物事を捉えて、未来に希望を持っていなければいけない。
「確定版の選挙人名簿が出来上がれば、それに基づいて、一人一人に選挙人証を作成します。これに2週間かかるとして、1月末までにはおおよその準備が整います。さて、選挙人証と、投票箱などの選挙資機材を、全国に配送します。これにさらに2週間。それが完了すれば、選挙運動に入れます。つまり、2月の半ばには選挙運動に入れて、そして2週間の選挙期間を経て、2月末には投票日を設定できます。」
まとめると、こういう見通しになる。
11月22日 暫定選挙人名簿の公示
12月22日 異議申立て締切り
1月1日 係争案件裁定の終了
1月中旬 確定版選挙人名簿の完成
1月下旬 選挙人証の作成完了、全国各地への配送開始
2月中旬 選挙人証、選挙資機材の配送完了
同時期に、選挙活動の開始
2月下旬 投票日
そもそも、今回の投票日の延期くらいで、がっかりしてはいけないのだ。こちらでは「期日」といっても、「約束」ではなくて「目安」くらいの意味しかない社会文化だ。もし日本だったら、商売で納品が期日に間に合わない、というのは通用しない。その期日を当てにしてきた商売相手が、おおいに迷惑するからだ。でも、大統領選挙は商売ではないし、誰もこの期日を当てにして来てはいないから、迷惑もしない。実際に、およそ全ての政治当事者から、11月29日が守れなかったことで、憤慨しているという声が出てこない。
そして、この誰もが憤慨していない、ということが重要なのだ。チョイ代表も、こう述べる。
「出来上がる確定版選挙人名簿は、すべての政治当事者も納得した上での、つまり皆の合意に基づいた選挙人名簿になる。これが、とても大切なことなのです。大きな前進です。おおいにお祝いをしたい。」
たとえ目的地に早く到着することが重要だとはいえ、コートジボワールの選挙バスは、誰かを積み残したままでの見切り発車はしない。がたがた、よろよろしながらも、それでも全員がバスに乗っていることが最重要だ。たとえ各駅停車でも、少しずつ目的地に近づいているならば、それを何より喜ばなければならない。だからやはり、見通しは明るいのである。
もうしばらく前から、大統領選挙の日付の、さらなる延期が不可避であることは明らかであったのだけれど、結局誰もそれを言いだせない。そのまま、ずるずると今日まで来てしまった。大統領令で定められた選挙実施日なのだから、その延期にも大統領令が必要だと思うのだけれど、結局そうした正式決定は出なかった。
「危機」の発生以来、大統領選挙が延期されるのは、これでもう何度目だろうか。私が着任してからですらも、昨年11月30日が延期されたのに次いで、すでに2回目である。いったい、コートジボワールは危機脱出に至るのか。いつになったら、政治が正常化するのだろうか。こうしてずるずると、難渋から抜け出せないのではないだろうか。まったく暗澹たる気持ちになるようであれば、その人はコートジボワールの専門家ではない。
11月29日の期日到来を前に、24日、「国連コートジボワール活動(UNOCI)」のチョイ代表が、外交団を集めて説明会をした。そこで、開口一番、チョイ代表が言う。
「とても見通しは明るいのです。」
と、こういう分析が出来なければならない。
「暫定選挙人名簿が、22日に公示されました。これで、選挙に向けて動き始めます。1ヵ月かけて異議申立を受け付け、それから1週間で係争案件を処理します。そうすると、ちょうど元旦です。つまり、年明けには、確定版の選挙人名簿が準備できる。」
あの、ただでさえこの時期は年末年始、とりわけ12月後半はクリスマス休暇で、誰も動かなくなるんですけど、と茶々を入れてはいけない。常に前向きに物事を捉えて、未来に希望を持っていなければいけない。
「確定版の選挙人名簿が出来上がれば、それに基づいて、一人一人に選挙人証を作成します。これに2週間かかるとして、1月末までにはおおよその準備が整います。さて、選挙人証と、投票箱などの選挙資機材を、全国に配送します。これにさらに2週間。それが完了すれば、選挙運動に入れます。つまり、2月の半ばには選挙運動に入れて、そして2週間の選挙期間を経て、2月末には投票日を設定できます。」
まとめると、こういう見通しになる。
11月22日 暫定選挙人名簿の公示
12月22日 異議申立て締切り
1月1日 係争案件裁定の終了
1月中旬 確定版選挙人名簿の完成
1月下旬 選挙人証の作成完了、全国各地への配送開始
2月中旬 選挙人証、選挙資機材の配送完了
同時期に、選挙活動の開始
2月下旬 投票日
そもそも、今回の投票日の延期くらいで、がっかりしてはいけないのだ。こちらでは「期日」といっても、「約束」ではなくて「目安」くらいの意味しかない社会文化だ。もし日本だったら、商売で納品が期日に間に合わない、というのは通用しない。その期日を当てにしてきた商売相手が、おおいに迷惑するからだ。でも、大統領選挙は商売ではないし、誰もこの期日を当てにして来てはいないから、迷惑もしない。実際に、およそ全ての政治当事者から、11月29日が守れなかったことで、憤慨しているという声が出てこない。
そして、この誰もが憤慨していない、ということが重要なのだ。チョイ代表も、こう述べる。
「出来上がる確定版選挙人名簿は、すべての政治当事者も納得した上での、つまり皆の合意に基づいた選挙人名簿になる。これが、とても大切なことなのです。大きな前進です。おおいにお祝いをしたい。」
たとえ目的地に早く到着することが重要だとはいえ、コートジボワールの選挙バスは、誰かを積み残したままでの見切り発車はしない。がたがた、よろよろしながらも、それでも全員がバスに乗っていることが最重要だ。たとえ各駅停車でも、少しずつ目的地に近づいているならば、それを何より喜ばなければならない。だからやはり、見通しは明るいのである。
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