ザウルスの法則

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しかし、受け容れられない者には不快である。
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マイクロバイオーム革命(1) 書評 10% Human 「あなたの体は9割が細菌」

2018-11-06 23:25:39 | 書評

マイクロバイオーム革命(1)  書評 「あなたの体は9割が細菌」

 

 「ヒトゲノム計画」 は1990年に始まり、2003年に完了した。コンピュータによる解読作業の過程で、ヒトの遺伝子数がはたしてどのくらいであるかについては、さまざまな予想が立てられた。いくら何でも実験用のマウスの23,000 よりは多いだろう と思われた。さらに、どう考えたって小麦の26,000 よりは多いはずだ とも言われた。

 

当時の科学者たちは、ヒトの遺伝子数を55,000 とも150,000 とも予測していた。ちなみに、ミジンコは31,000 である。

 

 ヒトゲノム計画は、ついに 2003年にその完成版が公開された。そこにはヒトの全遺伝子の99%の配列が99.99%の正確さで含まれるとされている。そして、明らかになったヒトの遺伝子数は、なんと、ミジンコや小麦よりも少なく、21,000 であった。イネの約半分の遺伝子数である。 

結果としては、実験用マウスや、棘皮動物のウニ(23,000 )と大して変わらない遺伝子数であった。この予想をした科学者は皆無であった。

 

 

21世紀におけるこの壮大な “予想の下回り” には、人類の驕(おご)りと人類の底知れぬ無知、つまり、自らの存在と、自らの知性についての “途方もない買い被り” が潜んでいるように思われる。この 肩すかしの “予想外れ” は、ヒトゲノム計画という “偉業の達成” という喧伝にすっかり隠れてしまって、論じるひともあまりいないが、忘れてはならない科学史上の重要な “事件” であろう。

 

さて、このヒトゲノム計画の達成の4年後の 2007年から、“ヒトマイクロバイオームプロジェクト”がスタートした。しかし、ヒトゲノム計画ほどの注目は浴びていない。それもそのはずである。

   なにしろ、主役である人間ではなく、人体に寄生している微生物についての目録作り のようなものである。

しかし、この地味な脇役についての地道な解明によって、人間にとっての驚くべき事実が近年明らかになってきた。人間を理解するうえで、解読されたヒトゲノムよりもはるかにエキサイティングで重要な情報がもたらされてきたのである。

21世紀になって、人類はコンピュータの力を借りて、人跡未踏の生命の不可思議な世界に分け入ることになったのである。

 

微生物が存在することは、17世紀のレーウエンフックによる発見以降はパスツールなどの業績によって主に病原体として知られていた。

 

しかし、21世紀になって、コンピュータによるDNA解析のスピードアップとコスト削減が飛躍的に向上したためにここ数年一気にこの未知の地平が切り拓かれてきたのである。今や目の離せない科学の最前線である。

 

 “10% Human” 邦訳 「あなたの体は9割が細菌」  というこの本は、人体に寄生しているこの膨大な微生物群と人間との信じがたいような相互依存関係を非常に具体的に解説してくれている。

  

 イギリス人女性の著者は、元々生物学系のサイエンスライターであったが、たまたまコウモリの調査でマレーシアに行った時に現地で感染症にかかり、帰国後長い闘病生活を送る羽目になる。いくつもの抗生物質を投与されて当の感染症からは何とか回復する。しかし、多くの抗生物質の投与によって体内のマイクロバイオーム(微生物叢) が崩壊し、それが原因でさまざまな健康障害に苦しむことになる。

 進化論的生物学でPhDを取ってはいたが、マイクロバイオームについてはほとんど何も知らなかった彼女は、自らの闘病のために、生物学のこの未知のジャングルに分け入ることになる。著者のアカデミックなバックグラウンドと、抗生物質による自らの重い後遺症という不運な境遇とがあいまったこのパーソナルな知的冒険は読者を引き込まずにはおかない。

 

そして、彼女の個人的な健康問題は深い思索を経て、健康と病気についての人類史的なパースペクティブと今日的な問題の見取り図とに見事に結実している。彼女がマレーシアで厄介な感染症にかかったのは、まさにこの本を書くためであったかのようだ。

 

 人体という乗り物に乗っている細菌などの単細胞微生物の数は人体の細胞の数の9倍である。腸内だけで100兆個の細菌が生息していて、そこにはおよそ4000種類のグループがひしめきあっている。

 

 

 

つまり、あなたの90%は細菌などの微生物であり、それらは体内や皮膚や粘膜に生息しており、人体そのものを形作っている細胞はあなたのわずか 10% なのである。

 つまり、細菌叢:人体 の細胞数比は、90 : 10  である。

 

遺伝子数ではどうであろうか?人間の遺伝子数は、21,000 であった。いっぽう人間に乗っている細菌の遺伝子数は、4,400,000 であることがヒトマイクロバイオームプロジェクトによって明らかになっている。となると、あなたに乗っている細菌たちの遺伝子数とあなたの人体という乗り物じたいの 遺伝子数の比率としては、1000 : 5 である。

 

  では、重量的にはどうか?腸内のマイクロバイオームを作っている 腸内細菌の総重量は約1.5kg とされている。1.5リットル入りの大型ペットボトルとほとんど変らない。ズッシリくる目方である。これだけのものを抱えて生活していたとは!

 

ちなみに、大便は消化しきれなかった食べ物のカスと思われているが、大便の75%は、実は細菌とその死骸である。植物性繊維は17%ほどである。ということは、大便はバクテリアの塊のようなものであると言える。

 

 最初の抗生物質、ペニシリンが発見されたのは1942年だが、その数年後にはニワトリに抗生物質を与えると体重が50%増加することがアメリカで発見された。なんと、家畜に抗生物質を与える当初の目的は、 体重増加 であって、家畜の感染症の予防はあとからついてきた2次的な目的だったのだ。

ニワトリからブタ、ウシ、ヒツジ、七面鳥にまで抗生物質の投与は広がり、当時アメリカの畜産業は空前の活況を呈したそうだ。それ以来、家畜への抗生物質の投与は飼育業者の常識となり、今日に至るまで続いている。

 

アメリカで生産される抗生物質の70%は家畜に投与されていると推定されている。抗生物質のお陰で、狭いスペースに家畜を詰め込んでも感染症が起きにくいので、肉の生産高を上げるのに一石二鳥なのだ。ニワトリ、ブタ、ウシといった家畜の肉の組織には当然、抗生物質が含まれている。家畜が太るのならば人間も太るのだ。特にブタと人間はどちらも雑食性で消化器官もよく似ている。

 

 

 

 

 

 

 

 

抗生物質の旅には、もう一つ別のルートがある。家畜に投与された抗生物質の75%は吸収されることなくそのまま糞や尿といっしょに排泄される。そして、家畜の糞尿は多くの場合、化学肥料ではない“オーガニック” な “天然肥料” として利用されるべく流通経路が確立している。

野菜畑や小麦畑などに散布されても、“天然肥料”中の抗生物質は効力を失うことはない。それどころか、散布されるたびに畑で少しずつ “濃縮” されていく可能性すらある。そうすると、そこで育った “オーガニック” な野菜や穀物には、思いもよらぬ抗生物質が高濃度で吸収されていることもありうる。 

1950年頃からアメリカ人の肥満傾向が始まっており、ずっと右肩上がりである。

 

 

 

家畜の肉を経由するのと平行して、人々は “医学の進歩の恩恵” として誰でも抗生物質を直接投与されるようになった。アメリカは国策として抗生物質の大量生産を推進した。1950年代には抗生物質の価格はさらに下がり、病院や医師によって “魔法の薬” としてふんだんに処方され始めた。実際、致死性のある感染症から多くの人々が抗生物質のお陰で命を救われたことも忘れてはならない事実である

 

さて、体重も増えるし、感染症も治す抗生物質のいったいどこがいけないのか?

 

まず、目に見えて分かるのは肥満であるが、そのほか、糖尿病、喘息、アレルギー、自閉症といった“現代病” が、戦後の1950年頃から、ほぼ足並みをそろえて増加し始めている。

 

 抗生物質はマイクロバイオーム(腸内細菌叢)を崩壊させ、再生しても、元の細菌叢の多様性は失われてしまう。この腸内細菌の多様性の喪失にこそ、さまざまな “現代病”(そのほとんどは自己免疫疾患) の原因があるのではないか という疑いがマイクロバイオームの研究者の中から出てきている。

 

寄生虫やバクテリアや菌類が宿主の行動を操作することがあるのはすでに広く知られている。たとえば、冬虫夏草 と呼ばれるキノコがある。

 キノコということは菌類であるが、こいつは昆虫などに寄生する。アリの場合は、寄生されるとそのアリはゾンビ化し、地表の仲間たちから離脱して別行動を取る。独りで木に昇り、枝のある高さまで昇ると木の葉の裏側の葉脈にがっぷりと噛みつき、そのまま動かずに絶命し、菌糸に覆われたミイラと化す。

  

 数日すると、アリの体液を養分にして冬虫夏草の菌糸が伸びる。そして、次にアリの首根っこからキノコのカサが伸びる。そして、キノコのカサから無数の胞子が高みから地上に広範囲に降り注がれる。そして、その一部は新しいアリに付着して新たに寄生のサイクルが繰り返される。

 

こうしたアリの、ゾンビからミイラまでの変容は、すべてキノコの菌がアリの脳に作用して引き起こされるものである。長い進化の過程を経て完成され、結果的には冬虫夏草というキノコの種の拡散と繁栄のために大きく貢献していると言える。

 

さて、マイクロバイオームと呼ばれる腸内細菌の中にも同じように宿主である人間を操作しているものがあるようだ。人間の食行動の多くは腸内の細菌グループが自分たちの必要とする栄養素を供給するように人間に指令している可能性がある。

   

 

 

 

 

 

 

 

 

腸内細菌に駆り立てられている可能性?

 

 

 

 

 

自閉症児は一般にパン類が大好きだそうだ。 ある研究者は パン類に含まれる保存料の プロピオン酸 を、自閉症児の腸内細菌叢のあるグループが要求しているのではないか と考えた。実際、自閉症児の腸内細菌叢ではプロピオン酸が過剰の傾向がある。

 そこで彼は、微量のプロピオン酸をラットの脳の近くに注射する実験をしてみた。すると、注射されたラットは、一か所でクルクル回ったり(反復動作)、一つの対象にずっととらわれたり(固着)、かと思うと、いきなり走り回ったりする(多動性)ようになった。2匹に注射すると、普通であればラットはお互いに匂いを嗅ぎ合ったりするはずが、その2匹は終始お互いを無視して(非社会性)ケージ内を走り回った。つまり、自閉症児と同様の行動パターンを示したのである。 参考動画  

 

 自閉症児のの腸内細菌叢は多様性が失われていることが多いと言われている。疫学的調査によれば、自閉症児は3回以上抗生物質を投与されている傾向がある。生後18カ月までに投与されている場合は自閉症のリスクは最大である。自閉症児の腸内細菌叢の構成異常には抗生物質が深く関わっていると考えられる。また、自閉症児の93%は2歳までに中耳炎などの耳感染症になっているのに対し、健常児では57%にとどまる。

 

耳感染症にかぎらず、風邪などのウィルス性の感染症にも抗生物質を処方する医者は少なくない。抗生物質は細菌には効くが、ウィルス性の病原体にはまったく効かない。しかし、抗生物質を処方してもらうと多くの患者は安心するために、白衣の権威もそうした期待に応える傾向がある。こうして、西洋医学では第二次大戦後、一貫して抗生物質を乱発してきた。

 

 

 自閉症にかぎらず、糖尿病、食物アレルギー、アトピー、ぜんそく、肥満といった “現代病” の患者の腸内細菌叢を調べると、同様に 抗生物質によって腸内細菌叢の多様性が失われ、有害な細菌グループがのさばっている傾向がある。

原書中の microbiome マイクロバイーム, microbiota マイクロバイオータ は、一般に 「細菌叢」、「微生物叢」 と訳されることが多いようだが、邦訳ではどう訳されているか知らない。特に最大規模のものが大腸の細菌叢で、gut microbiome 「腸内細菌叢」 と呼ばれる。

このマイクロバイオームの科学はまだ始まって十数年であるが、15世紀における新大陸発見に匹敵するくらいのインパクトがあると言える。今までの科学、生物学、医学のパラダイムを根底から変えてしまうことになろう。

 1つの家族がある家に引っ越してくると、数日のうちに彼らのマイクロバイオームによって室内のさまざまな表面が覆われてきて、元いた別の家族の痕跡は覆い隠されてしまう。ドアノブから始まって、電気のスイッチ、窓のさん、階段の手すり、イス、テーブル、洗面所、タオル、衣服、トイレ、寝室、ベッド、枕、等々は目には見えなくても新しい家族の生き生きとしたマイクロバイオームの生態系ができてしまう。しかし、彼らが旅行でほんの2日でも家を空けると、室内のマイクロバイオームは日一日とさびれていく。厳密なサンプル採取とコンピュータ解析によって、留守の日数も割り出せる。留守中の侵入者のプロファイリングもできる。

DNAによる法医学的捜査は犯罪捜査において画期的なものと思われてきたが、マイクロバイオーム解析による犯罪捜査の威力は、いずれは従来のDNAの方法をはるかにしのぐものになろう。殺人犯の遺留品がなくても、DNAが得られなくても、殺人犯が何かに触れていればマイクロバイオーム解析によってDNA以上のプロファイリングが可能になるかもしれない。

人間は微生物をすでに知っているつもりだったのだが、その微生物の世界は、 21世紀のコンピュータの処理能力の爆発的向上のおかげで、今ようやくその全貌をあらわしてきたのである。

科学の分野にとどまらず、今後一般の人々の価値観や哲学も含めたパラダイムシフトをもたらすことは間違いない。

この本はマイクロバイオームの入門書として非常に優れているが、この分野では他にも新しい本がいろいろ出てきている。わたしは昨年原書で読み、今回読み直して、書評を書こうと思い立ったが、邦訳は読んでいない。

マイクロバイオーム革命(2) 書評  Plant Paradox 「食のパラドックス」 

 

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10 コメント

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Unknown (智)
2018-11-07 07:29:51
私も同種の記述を以前に見ていましたが、その後90%という数字は少し多すぎるという記述を見ました。
どこで見たのか、思い出せませんが、ちょっと誇張があるとの説もあります。
智 さま (ザウルス)
2018-11-07 13:54:56
計算方法にもよるようです。
90%の根拠は以下の1970年の論文と思われます。
The origin of the 10:1 ratio has been traced to a paper published in 1970 by American microbiologist Thomas D. Luckey.
https://www.sciencealert.com/how-many-bacteria-cells-outnumber-human-cells-microbiome-science

1.3 : 1 という比率もあるようですが、それでも細胞の数では、細菌の方が人間を上回っていることには変わりはないようです。
ちなみに、細胞の数ではなくて、遺伝子の数での比率としては、1000 : 5 です。こちらについての反論や批判が見つかれば、ぜひ URLをお願いします。
大便の75%は細菌とその死骸、ナットク! (コメット)
2018-11-07 13:57:41
5年前から豆乳ヨーグルト(自家製)を食べているが、食べ始めた数日後から大便の色も形もハッキリと変わった。色が薄くなり、量が増えた。市販の、砂糖ゼロの豆乳に「お茶の葉ひとかけら」を加え、フタのある容器に入れて寝かすと、乳酸発酵して1〜3日で出来上がる。100%植物性なので、おそらく腸内細菌の種類も数も変わったのだろう。人間は、かなりの部分が細菌にコントロールされている、との説も納得。ただ何を食べるか、は自分で決めることができるので、私は「ま・ご・わ・や・さ・し・い」を食べています。(まめ、ゴマ、わかめ、やさい、さかな、しいたけ、いも)。細菌が気に入ってくれているようで、すこぶる快調です。
実に興味深く拝見しました。 (mobile)
2018-11-07 14:53:47
動植物の細胞は、もともと別の生物だったものが細胞質内に入り込んで共生するようになった、と言われる組織が存在します。小説『ミトコンドリア・イブ』で有名になったミトコンドリアはその典型的な例です。
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ミトコンドリアは動物細胞にエネルギーを供給する組織ですが、母方からのみ遺伝します。このため人類最初の女性「イブ」の原初のミトコンドリアがそのままの形で伝えられているこの事実が小説の着想のもとになっているワケですが、これ「もともと別の微生物だったものが細胞質に入り込んで共生するようになったものだ」という説があり、今はこれがほぼ定説になっています。
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そのため、染色体の遺伝情報としては伝わらず、原形質に伴って伝わるため母方(卵)からしか遺伝しないワケです。
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また、最近は免疫機能を管理しているのは小腸、特に腸内フローラで、腸内環境を正常(善玉菌の勢力がやや強になる程度)に保つことが健康管理のキメテだと言われています。
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人間の躯は、(小さいうちから)ある程度の雑菌に晒されないと、正しい免疫機能が働かないようで、仔馬と暮らすことがアトピー等の症状改善に効果があるという報告もあります。
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余談ですが、出産はイエス・キリストや聖徳太子のように厩(うまや)でするべきだ、と主張する人さえいます。
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そういう点から『細菌との共生』は今後見直されるテーマだと思います。実に興味深く拝見しました。
コメット さま (ザウルス)
2018-11-07 15:03:20
人間は自分のDNAは変えられませんが、自分のマイクロバイオームはその気になればかなりコントロールできます。
逆に言うと、肥満、糖尿病、食物アレルギー、アトピー、ぜんそく、うつ病、自閉症などは、細菌のほうにコントロールされっぱなしになっている結果なのかもしれません。

また、マイクロバイオームと電磁波の関係を調べると、やはり、電磁波はマイクロバイオームに悪影響を与えます。そもそも微生物が電磁波の影響を受けないわけがないのですが、腸内細菌叢も電磁波のダメージを受けます。
mobile さま (ザウルス)
2018-11-07 15:22:10
「出産はイエス・キリストや聖徳太子のように厩(うまや)でするべきだ」   とのことですが、今回の記事で紙面の都合で触れられなかった話に “お産” があります。

帝王切開で生まれた子供には、統計的に肥満、アレルギー、糖尿病、ぜんそく、自閉症などが多いそうです。その理由は、通常の自然分娩では新生児は産道、膣を通り、そのトンネルの内側のマイクロバイオームにまみれて生まれてきます。しかし、帝王切開ではサンルーフがパカッと開いて、胎児を取り出してしまいます。自然分娩によるこのマイクロバイオームの “洗礼” を受けることができないと、新生児はさまざまな健康問題を一生背負っていくことになります。
衝撃的でした (ji)
2018-11-07 19:12:51
あまりにも衝撃的でした。
腸は第二の脳とも言われる所以が、少しわかった気がします。
紹介されていた書籍、早速取り寄せようと思います!
ji さま (ザウルス)
2018-11-07 20:54:21
地球は “細菌の惑星” なのかもしれません。さまざまな動物や植物も “細菌の乗り物” であり、“細菌の家” なのかもしれません。

われわれ人間は、ふだん自分が地球上のどこの国に暮らしているかなどということはあまり意識しません。ひょっとしたら、われわれの体内にいる細菌たちも同じなのでしょう。
平成が終わって次の元号に変わるという変化も、われわれの体内の細菌たちからすると自分たちの宿主が結婚して姓が変わる程度のことなのかもしれません。
スケールの話ですね! (ji)
2018-11-08 17:40:17
もしかしたら、私たちもスケールを変えてみれば細菌と同じなのかもしれませんね。

海底考古学にも繋がる話に感じました。
ji さま (ザウルス)
2018-11-08 21:02:31
コンピュータの処理能力の飛躍的向上と、コストの大幅な下落のおかげで、微生物の世界が数値とグラフで徐々に姿を現してきたのです。
人間が気づこうと気づくまいと微生物はずっとこの地球を覆い尽くしていました。恐竜も人間も微生物の “乗り物” だったのかもしれません。

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