遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

インドと大国との外交

2006-03-05 12:23:46 | my notice
 ブッシュ大統領が、インド、アフガニスタン、パキスタンと南アジアを歴訪しています。このうち、インドについては、インド自体が世界から注目を浴びていることから、反響を呼んでいます。(私の気のせいで報道が目立っている訳ではないはず...。)
 インドを軸とした、各国の綱引きや、インドのしたたかな全方位外交という視点での日経(3/3 朝刊)の記事には共鳴するところがあります。

 米国IT産業が、技術者のとりこみやオフショアなどで、インドのIT業界の発展を起動し、世界の目を向けさせたと思っていますが、CIAでは、インドと中国が「19世紀のドイツ、20世紀前半の米国に匹敵する急速な台頭を示す」と予測、中印両国が世界の力の均衡を根本から変えると結論づけているのだそうです。
 また、米国高官は「インドはあと20年で世界の五大国(米ロ英仏中)の仲間入りをする。協力強化は自然な流れだ」と述べているそうです。

□各国の関連
 ・インドは、冷戦期の非同盟諸国の雄としてイランや途上国と歴史的な関係を持つ。
 ・東南アジアや湾岸アラブ諸国などとFTA交渉を進めている。
 ・インドと中国は、国境紛争解決にメドをつけ、軍事・エネルギーで伝統的な友好国ロシアとの関係を再構築。
 ・印中両国は、東南アジア市場への進出や中東エネルギー資源を巡りライバル関係にある。
 ・ロシアと米国は中央アジアを舞台に激しい主導権争いを展開中。
 ・ロシアは対印協力で軍事技術交流やエネルギー協力を柱としている。
 ・ブッシュ大統領は今回の訪問で軍事・経済で台頭する中国への「抑え」としてインドに肩入れする意向を鮮明にしたが、「中国は競争相手ではなくパートナー」(シン首相)として貿易・投資を通じた対中外交も推進するなど「全方位外交」の姿勢は、思惑の違いがある。
 ・今回の米印首脳会議で、民生用核施設の国際査察を受入(核拡散防止条約(NPT)には未加盟)、原子力協力を引き出したインドは、急成長する経済へのインフラ整備に原発の米国からの輸入などによる電力供給拡大に道筋をつけた。
 ・事前協議されていたとされる武器取引に言及はなかったが、ロシアとの武器、原子力市場を巡る競争が激化する。

 ブッシュ大統領は、多民族、多宗教が共存する法治主義国家のインドを強調し「価値観を共有できる友好国」と称賛したそうです。
 イスラム教徒の反米デモや、テロ事件は、インド、パキスタンの両国で激しいものがあるようですが、賛否両論はどこでもあることで済まされれば良いのですが...?
 
 ブッシュ大統領の、政治とセールス外交では、核のNPT未加盟国のパキスタン、イスラエル、加盟国で違反しているイラン、北朝鮮への対応との格差については、特別扱い振りが、今後の紛糾の種にもなりそうです。


  


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