「最後のブルーオーシャン」と言われるアフリカ。欧州や中国が経済投資を先行するなか、周回遅れ乍ら安倍政権が本腰を入れた起動をしていただいた様ですね。
中国が、政治色で他国が敬遠するケースでも無視して得意の札束外交で深く浸透し、経年でその評価に疑念が生じ始めた今、量より質を前面に挽回しようと言うものですね。
国内の経済成長に陰りが生じ、バブル崩壊のささやきが強まる中、海外の途上国の成長に活路を求める中国。「一帯一路」政策がその象徴であることは衆知の事です。
アフリカで始めた、札束外交の成功を、アジアから中東を経てヨーロッパに繋がる諸国に展開しようと言うものですね。 一方、少子高齢化で、人口減が著しい日本も、縮小する国内市場を抱え、需要先を海外に求めねばならず、その市場開拓は、大きな命題ですね。
「一帯一路」では、中国の札束外交に飛びついた、インドネシアの高速鉄道建設が頓挫している様に、早くも綻びが見え始めていることは、諸兄がご承知の通りです。
中国 鉄道輸出で苦戦 - 遊爺雑記帳
インドネシアの高速鉄道計画 中国の詐欺商法が露呈 - 遊爺雑記帳
記事で指摘されている、中国の投資は、投資の収益を雇用(中国人労働者流入)も含めことごとく中国が吸い上げることは、早くから聞こえていましたが、顕在化してきているのですね。
日本主導のTICADへの中国の反応が、その弱点の深刻さの証明と言えます。
とは言え、事案への決断の速さ、ニーズへの対応で、受注に苦戦しているのも現状です。
東南アジアでも、アフリカでも、中国以外に参入してくる国や企業は、増える程有利な商談が進められるので歓迎されます。当然、受注競争は激化します。自由主義経済での常ですね。
「品質」を打ち出す日本企業が、成熟製品では、実はプロダクトアウトのオーバースペックであり、中韓の製品に凌駕されている様に、海外インフラ受注でも苦戦しているのが現実です。かつての高度経済成長は、欧米に比べ顧客ニーズへの対応が優れる品質で成し遂げられたものです。今、そのお株を中韓に奪われているのですね。
かっこよく聞こえる「品質優先」。ニーズにそぐわない、オーバースペックに陥ることなく、「顧客ニーズ優先」を掲げ、そのニーズに対応する各種品質優先とすべきですね。バブル崩壊から立ち直る過程で、多くの日本企業が目指したスローガンでもあった「ニーズ」「シーズ」への対応と、「品質」とは何かの追及。
後発でのアフリカ市場参入。後発だからこその求められている品質とは何かを自覚し、中国に限らず、欧州も視野に入れて成功させていただきたいものですね。
# 冒頭の画像は、アフリカ開発会議で、各国首脳らと記念撮影する安倍首相
この花の名前は、ウンナンオウバイ
↓よろしかったら、お願いします。
中国が、政治色で他国が敬遠するケースでも無視して得意の札束外交で深く浸透し、経年でその評価に疑念が生じ始めた今、量より質を前面に挽回しようと言うものですね。
TICAD 首相、12カ国とマラソン会談 個別に支援示す (8/29 産経 【水平垂直】)
【ナイロビ=松本学】安倍晋三首相はケニア滞在中、第6回アフリカ開発会議(TICADVI)の関連行事の合間を縫い、12カ国に上るアフリカ諸国首脳と会談をこなした。“マラソン会談”の背景にはアフリカで存在感を強める中国を念頭に巻き返しを図る狙いがある。
「日本企業のウガンダ進出を促進したい。貿易、投資環境の整備をともに進めていきましょう」。28日午前(日本時間同日午後)、ウガンダのムセベニ大統領との首脳会談に臨んだ安倍首相は親しみを込めて呼びかけた。同国には送変電網整備のため136億円を限度額とする円借款の供与方針を伝達。27日午後(日本時間28日午前)のナイジェリアのブハリ大統領との会談ではインフラ整備のほか人道支援などの支援継続を表明した。
首相は会談した多くの首脳に対し、円借款などの具体的支援策を提示した。最後の巨大市場と称されるアフリカへの「未来を信じる投資」(安倍首相)であるだけでなく、国連安全保障理事会常任理事国入りに向け支持をとりつけたいという思惑もにじむ。
同時に、日本とインフラ整備を競い合う中国に対抗する狙いもある。TICADでとりまとめられた「ナイロビ宣言」に「質の高いインフラ投資」が据えられたのは、日本の技術力のアピールといえる。政府関係者は「中国による安価なインフラ整備に対抗するには日本の『質』を理解してもらうしかない。一連の個別首脳会談はその契機となったはずだ」と話した。
中国警戒あらわ アフリカ戦略つまずき焦り
【北京=西見由章】アフリカに強い影響力を持つ中国は、日本主導のTICADへの警戒感をあらわにしている。国営新華社通信は28日、「日本は経済や政治の“雑念”と海外への軍事拡張の野心を隠せない」などと批判的な論評を配信。背景には中国のアフリカ戦略が多くの試練に直面する現実がありそうだ。
新華社は、日本がアフリカ諸国の支持を得て「政治大国」のイメージをつくりだし、「(国連安全保障理事会)常任理事国入りのために人心を籠絡しようとしている」との専門家の見方を伝えた。リスク回避のための原油輸入ルートの多様化や、自衛隊が海外進出するためにアフリカを利用する可能性まで指摘した。
中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報も専門家の寄稿で、TICADは中国が3年おきに実施している中国アフリカ協力フォーラムを“学習”していると主張し、「中国への対抗と発言権の掌握が目的ならば不愉快だ」と牽制(けんせい)した。
中国とアフリカの貿易総額は2000年の100億ドルから14年は2220億ドルに増加。中国はアフリカの最大の貿易国だ。
中国の習近平国家主席は昨年12月、南アフリカで開かれた同フォーラムで、今後3年間にインフラ整備などに600億ドル(約6兆円)を拠出すると発表。中国企業はケニアの首都ナイロビと南東部を結ぶ鉄道の建設を受注し、総工費の9割は中国輸出入銀行が特別融資する。
ただ中国のアフリカ戦略は曲がり角を迎えている。巨額の支援と引き換えに資源確保を図っていた段階から、インフラや工業製品の輸出先へとシフトする中、中国経済の減速で資源価格が下落しアフリカ諸国の景気は低迷。中国企業の低賃金や中国人労働者の流入への不満も高まっている。
【ナイロビ=松本学】安倍晋三首相はケニア滞在中、第6回アフリカ開発会議(TICADVI)の関連行事の合間を縫い、12カ国に上るアフリカ諸国首脳と会談をこなした。“マラソン会談”の背景にはアフリカで存在感を強める中国を念頭に巻き返しを図る狙いがある。
「日本企業のウガンダ進出を促進したい。貿易、投資環境の整備をともに進めていきましょう」。28日午前(日本時間同日午後)、ウガンダのムセベニ大統領との首脳会談に臨んだ安倍首相は親しみを込めて呼びかけた。同国には送変電網整備のため136億円を限度額とする円借款の供与方針を伝達。27日午後(日本時間28日午前)のナイジェリアのブハリ大統領との会談ではインフラ整備のほか人道支援などの支援継続を表明した。
首相は会談した多くの首脳に対し、円借款などの具体的支援策を提示した。最後の巨大市場と称されるアフリカへの「未来を信じる投資」(安倍首相)であるだけでなく、国連安全保障理事会常任理事国入りに向け支持をとりつけたいという思惑もにじむ。
同時に、日本とインフラ整備を競い合う中国に対抗する狙いもある。TICADでとりまとめられた「ナイロビ宣言」に「質の高いインフラ投資」が据えられたのは、日本の技術力のアピールといえる。政府関係者は「中国による安価なインフラ整備に対抗するには日本の『質』を理解してもらうしかない。一連の個別首脳会談はその契機となったはずだ」と話した。
中国警戒あらわ アフリカ戦略つまずき焦り
【北京=西見由章】アフリカに強い影響力を持つ中国は、日本主導のTICADへの警戒感をあらわにしている。国営新華社通信は28日、「日本は経済や政治の“雑念”と海外への軍事拡張の野心を隠せない」などと批判的な論評を配信。背景には中国のアフリカ戦略が多くの試練に直面する現実がありそうだ。
新華社は、日本がアフリカ諸国の支持を得て「政治大国」のイメージをつくりだし、「(国連安全保障理事会)常任理事国入りのために人心を籠絡しようとしている」との専門家の見方を伝えた。リスク回避のための原油輸入ルートの多様化や、自衛隊が海外進出するためにアフリカを利用する可能性まで指摘した。
中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報も専門家の寄稿で、TICADは中国が3年おきに実施している中国アフリカ協力フォーラムを“学習”していると主張し、「中国への対抗と発言権の掌握が目的ならば不愉快だ」と牽制(けんせい)した。
中国とアフリカの貿易総額は2000年の100億ドルから14年は2220億ドルに増加。中国はアフリカの最大の貿易国だ。
中国の習近平国家主席は昨年12月、南アフリカで開かれた同フォーラムで、今後3年間にインフラ整備などに600億ドル(約6兆円)を拠出すると発表。中国企業はケニアの首都ナイロビと南東部を結ぶ鉄道の建設を受注し、総工費の9割は中国輸出入銀行が特別融資する。
ただ中国のアフリカ戦略は曲がり角を迎えている。巨額の支援と引き換えに資源確保を図っていた段階から、インフラや工業製品の輸出先へとシフトする中、中国経済の減速で資源価格が下落しアフリカ諸国の景気は低迷。中国企業の低賃金や中国人労働者の流入への不満も高まっている。
国内の経済成長に陰りが生じ、バブル崩壊のささやきが強まる中、海外の途上国の成長に活路を求める中国。「一帯一路」政策がその象徴であることは衆知の事です。
アフリカで始めた、札束外交の成功を、アジアから中東を経てヨーロッパに繋がる諸国に展開しようと言うものですね。 一方、少子高齢化で、人口減が著しい日本も、縮小する国内市場を抱え、需要先を海外に求めねばならず、その市場開拓は、大きな命題ですね。
「一帯一路」では、中国の札束外交に飛びついた、インドネシアの高速鉄道建設が頓挫している様に、早くも綻びが見え始めていることは、諸兄がご承知の通りです。
中国 鉄道輸出で苦戦 - 遊爺雑記帳
インドネシアの高速鉄道計画 中国の詐欺商法が露呈 - 遊爺雑記帳
記事で指摘されている、中国の投資は、投資の収益を雇用(中国人労働者流入)も含めことごとく中国が吸い上げることは、早くから聞こえていましたが、顕在化してきているのですね。
日本主導のTICADへの中国の反応が、その弱点の深刻さの証明と言えます。
とは言え、事案への決断の速さ、ニーズへの対応で、受注に苦戦しているのも現状です。
東南アジアでも、アフリカでも、中国以外に参入してくる国や企業は、増える程有利な商談が進められるので歓迎されます。当然、受注競争は激化します。自由主義経済での常ですね。
「品質」を打ち出す日本企業が、成熟製品では、実はプロダクトアウトのオーバースペックであり、中韓の製品に凌駕されている様に、海外インフラ受注でも苦戦しているのが現実です。かつての高度経済成長は、欧米に比べ顧客ニーズへの対応が優れる品質で成し遂げられたものです。今、そのお株を中韓に奪われているのですね。
かっこよく聞こえる「品質優先」。ニーズにそぐわない、オーバースペックに陥ることなく、「顧客ニーズ優先」を掲げ、そのニーズに対応する各種品質優先とすべきですね。バブル崩壊から立ち直る過程で、多くの日本企業が目指したスローガンでもあった「ニーズ」「シーズ」への対応と、「品質」とは何かの追及。
後発でのアフリカ市場参入。後発だからこその求められている品質とは何かを自覚し、中国に限らず、欧州も視野に入れて成功させていただきたいものですね。
# 冒頭の画像は、アフリカ開発会議で、各国首脳らと記念撮影する安倍首相
この花の名前は、ウンナンオウバイ
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