遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

露・メドベージェフ首相 今度は択捉訪問計画

2012-06-25 23:48:22 | ロシア全般
 2010年11月 菅政権と在露日本大使館との歴史的大失政で、メドベージェフ大統領(当時)の国後島訪問を実現されてしまい、それまでの日露の交渉の積み重ねの歴史をご破算にされてしまいました。
 そのメドベージェフ首相が、ロシア極東ユジノサハリンスクの通信社「Sakh.com」の報道によれば、極東視察の一環として7月2日にウラジオストクに入りし、その後択捉島等を訪問する計画とのことです。
 最近のプーチン大統領の言動からは逆行しているようなメドベージェフ首相の動きを、逆行と感じるのは我々日本側の甘いロシア認識によるものなのでしょうか。
 

時事ドットコム:領土交渉「再活性化」に冷や水=ロシア首相の択捉島訪問計画

 政府は25日、ロシアのメドベージェフ首相が北方領土の択捉島を来月にも訪問するとの一部報道を受け、外交ルートを通じて事実関係の確認作業に入った。事実とすれば、日ロ関係が再び冷却化するのは避けられない。両国首脳が「再活性化」で一致したばかりの領土交渉も冷や水を浴びせられるのは間違いなく、日本側はロシア政府の真意を測りかねている。
 藤村修官房長官は25日の記者会見で「ロシア政府要人による北方四島訪問は、領土問題に関するわが国の立場と相いれない」と不快感を示した。
 メドベージェフ首相は大統領在任中の2010年11月、日本政府の制止を無視して北方四島の一つ、国後島を訪問。
菅直人首相(当時)は「許し難い暴挙」と厳しく非難
し、両国関係は険悪化した。野田佳彦首相がプーチン大統領との今月18日の首脳会談で、「静かな環境」での交渉を確認したのは、領土をめぐる対立で両国関係を損ねてはならないとの立場は共通しているためだ。
 とはいえ、
ロシア首相が再び北方領土に入れば日本側は厳重に抗議せざるを得ず、外務省は「どうして今こんな報道が出るのか」(幹部)と当惑を隠せない。先の首脳会談では早ければ7月中も念頭に玄葉光一郎外相をモスクワに派遣することで合意したが、その前に関係がこじれる「最悪の事態」(同)にもなりかねない

 日本政府は2年前の国後島訪問の際、直前まで正確な状況を把握できなかった苦い経験もあり、山根隆治外務副大臣は25日の記者会見で「いろいろなルートで情報収集をしている」と、確認作業に全力を挙げる考えを示した。政府内では、プーチン大統領が日本との関係を重視する立場から「メドベージェフ首相を制止するのではないか」と期待する声も漏れている。

 メドベージェフ氏の国後島訪問は、大統領選挙でプーチン氏と争う中での露国内問題などと在露日本大使館は甘く見当はずれな見方を報告し、ただでさえ能力不足のカンカラ菅や仙谷の歴史的失政を促進しました。
 実際には、プーチン氏と連携した動きでした。
 では、今回はどうなのでしょう。
 遊爺の素人推測ですが、新大統領・首相コンビがスタートして間もない今回も、連携した動きと考えるのが自然です。
 プーチン大統領の基盤が弱い今日、プーチン大統領は、以前の帝国シンドロームを産んだ時ほどの果敢な政策実行力はなく、国内世論への配慮が欠かせません。メキシコでの日露首脳会議の内容が、弱腰に国内で受け止められることは避けねばなりません。そこで、メドべーシェフ氏の択捉訪問計画を極東で情報を流すことで、強行路線をPRしたと考えられます。
 甘い見方をしても、二島返還論を唱えるプーチン大統領ですから、国後・択捉は変換対象ではなく首相が訪問することで、二島は変換の意思がないことを広くPRしているとも考えられます。

 いずれにしても、平和条約をドサクサで破り攻め込んで領土を不法占拠したり、ガス田開発の契約を、収穫が確実視されると破棄・変更して成果を横取りするお国柄なのですから、野田氏との口約束などは何の呪縛も感じているはずがありません。ロシアとはそうゆうお国柄なのだということです。

 お人よしというか、何度もの苦渋の学習能力が無いノーテンキな日本は、ロシアへ貢ぐことになる支援はどんどん進めています。
 

日露 LNG協力で合意 ウラジオストク プラントの建設促進 (6/25 読売朝刊)

 
【サンクトペテルブルク(ロシア)=滝沢康弘】日露両政府は24日、ロシア極東ウラジオストクの液化天然ガス(LNG)プラント建設計画について、両政府が促進のために協力することで合意した。
 
原子力発電所の停止で、火力発電の燃料となる天然ガスの安定的な調達先の開拓を目指す日本政府
と、供給先を確保したいロシア側の思惑が一致した。両政府は早ければ2018年頃の稼働を目指し、支援態勢を強化する。
 25日に開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)エネルギー担当相会合への出席のため、訪露中の枝野経済産業相と、ノワク・エネルギー相が覚書に署名した。
 プラント計画は、東シベリアなどの大型ガス田からパイプラインで運んだ天然ガスを、ウラジオストクのLNGプラントで液化して船で日本へ運搬する内容だ。石油資源開発や、伊藤忠商事など日本のエネルギー関連企業と、ロシア国営ガス会社のガスプロムが行った共同調査で採算が取れることなどが確認され、事業化のめどが立った。
 プラントは、日本のLNG総輸入量の約7分の1の年産1000万トン規模で、日本の安定的なエネルギー調達先を確保する意味で、早期の稼働が期待されている。事業費は1兆円規模と見込まれている。

 記事に書かれていて、遊爺もいつも唱えていますように、ロシアの方が極東で開発している天然ガスは、販売先に苦慮しているのです。主力ガス田の枯渇が迫り、高度な技術開発と投資を外国から呼び込んで極東や北極圏のガス田の開発に迫れているのです。
 販売先にしても、新規開発の技術や投資を期待できるのは日中ですが、強かな中国とは現状の販売価格交渉で折り合っていません。経済発展で世界が注目する東南アジアへの販路を構築しようとしていますが、日本への依存度は高いのです。

 メドベージェフ氏の国後訪問が暴挙であったことが認識され、ウラジオストクでの海軍軍事力増強を控え、北方四島の返還交渉を再開し平和条約を結びたいと言って来るまで、目先の利益を追って動かず待つべきなのです。
 民主党の余命がどのくらいあるのかはわかりませんが、長くても来年8月で終わりです。
 そのくらいは待っていれば、欧州の経済停滞の影響は大きく、資源輸出で成り立っている露は焦ってくるでしょう。
 伊藤忠ともあろう商社が、これらの情勢が読めないはずがないのですが、最近は目先の小さな利益に飛びつく様に変わった(それだけ不況)のでしょうか。





  この花の名前は、毛洲浜草  撮影場所;六甲高山植物園

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Fotolia


ソ連が満洲に侵攻した夏 (文春文庫)
誰がメドベージェフを不法入国させたのか-国賊たちの北方領土外交




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