3月5日、中国では一年で最も重要な会議、「全国人民代表大会」が開幕した。この注目すべき大会の直前、習近平総書記は党中央政治局会議を始め、さまざまな動きを通じ、思想の統一を図ったと、現代ビジネス。
まずは2月27日。全国人民代表大会常務委員会が「公告」を出した。しばらく消息が絶えていた前外交部長(外相)の秦剛が、自ら人民代表大会の代表を辞任したと公表。
秦剛は、昨年6月26日以降、公衆の面前から姿を消し、その後、外交部長と国務委員を免じられた。
秦剛は習近平総書記のお気に入りで、異例の昇進を果たしたが突如消息が絶えたことは諸兄がご承知のこと。
秦剛が、いつ党中央委員の資格を剥奪されるのかが注目されていたが、全国人民代表大会の代表の辞任が、ここへ来てようやく公表された。
それにしても、罷免ではなく辞任というのは、何を意味しているだろうと、現代ビジネス。
秦剛には不倫の末、米国で生まれた婚外子がいた。その子の国籍を米国にするかどうかで不倫相手と揉めた後、異例のスピードで外交部長などへ昇任し、不倫関係を断ち切った。そのため不倫相手が、秦剛の存在を匂わすかのようなSNSを発信した。
それによって、中国政府も秦剛を処罰せざる得なくなった。党内では秦剛は「厳重警告」と「行政記大過(行政に大きな過ちを起こしたことを記録に残す)」との処罰を受けたと、省長級幹部までに限って密かに通達されたとも言われたのだそうです。
秦剛の夫人も習近平夫人(彭麗媛)との関係がいい。だから、外交部長と国務委員は罷免したが、人民大会代表は、自ら辞めたような形にした。こうすることで、噂された汚職や国家機密の漏洩などの罪ではなく、秦剛が単なる誤りを犯して更迭されたことにしたかったのだろうと、現代ビジネス。
事前にも動きがあった。衝撃を和らげるため、今年1月末に中国政府は、わざと中国の駐EU大使の傅聪に、秦剛がミスしたと暗に公言させた。
「ミス説」は表向きの理由にすぎず、秦剛がそこまで追い込まれたのは、他に理由があったと、現代ビジネス。
秦剛は外交部内での権力闘争に負けたのだろうと。
秦剛は「親米派」で、外交部長になった後すぐ、米中関係の修復に動いた。「親ロシア派」の「戦狼外交官」(狼のように吠える外交官)の趙立堅を左遷させた。しかし、米中関係が立て直されようとした矢先に、秦剛外相は失踪!
その後、外交部は再び「親ロシア派」に主導権が戻った。英語が堪能でない上司の王毅と仲が悪いだの、三段飛びのスピード昇進を嫉妬されたとも言われたのだそうです。
習近平総書記はプーチン露大統領を尊敬し、毛沢東主席のような偉大な人物になりたがっている。だが、経済発展には米国など先進国の助けが欠かせない。そのため、外交部の人事に悩まされていると、現代ビジネス。
中国の外交路線は常に親米と親ロの間で揺れており、習近平政権はジレンマに陥っているとも。
旧正月あけの仕事始めの初日(2月18日)に、湖南省委員会が大きく動いた。なんと通達を出して、思想解放を呼びかけ、大キャンペーンを展開したのだそうです。
「中国共産党の湖南省委員会の全省の各地域で思想を解放する大きな議論を展開する通達」
湖南省は3月下旬まで、思想解放を議論するキャンペーンを展開すると決め、同時に、「思想を解放する目的は思想をより統一するためである」と強調。
「思想の解放」と「思想の統一」は、矛盾するのではないか?
「データを弄び、虚偽の実績を作ってはならない。功利主義の傾向を変えねばならない。(中略)ダチョウ(緊急の場合に頭だけを砂の中に入れて自分では安全だと思い込む)のように問題を無視する姿勢を変えよ。問題を避けるために何もしない「寝そべる」思想も変えよ」 ……実に10項目もの「変えるべき点」が通達には示されたのだったそうです。
この10項目の「変えるべき点」こそが、いまの中国の幹部たちの状況を表していると、現代ビジネス。
いったん思想を解放して、「作為」のある幹部になるように、すなわち習近平総書記が求めるような幹部になるよう思想を統一する必要があったのだと。
習近平総書記は、政権こそ完全に把握したが、幹部たちの思想はいまだバラバラで、理想的な形では決してないとも。
2月21日、「中国共産党の巡視条例」の修正案が公表されたのだそうです。
「党組織の主要責任者に対する監督を強め、党に対する忠誠心を重要なポイントとして審査する」と新たに付け加えた。
これまで汚職や紀律に対する重大違反などを主に取り締まってきた党中央の巡視チーム(組)が、党に対する忠誠心をもチェックすることになった。今後は習近平総書記に対する忠誠心が足りないだけで、問責や逮捕されるということだと、現代ビジネス。
2月27日、党中央政治局、党中央書記処、全国人民代表大会常務委員会など主要部門の幹部たちが一人一人、習近平総書記に宛てて書いた「業務報告書」を、習近平総書記が閲読し、重要な指示を与えたと、新華社通信が報じたのだそうです。
習近平総書記は幹部たちに、さらに一層の自分に対する忠誠心を求めている。すなわち、習近平総書記が変えたかったのは、政策ではなく、いかに幹部たちが自分を「核心」として尊ぶかということだったと、現代ビジネス。
逆に言えば、習近平総書記は、幹部たちの心まで完全に支配したいが、できない。何とも哀れな最高権力者であるとも。
独裁者の政権はいつかは倒れる。コロナ開けでも不動産バブルがはじけ、国内経済は不調。
中国経済を、米国に次ぐ世界第 2位にまで導いた、鄧小平の流れを継ぐ共青団派は、その集団指導体制や定年制を習近平の独裁化と共に葬り去られた今日、海外からの投資も中国から逃げ出す現状!
# 日本の経済界首脳は、未だ中国詣でをしていますが。。
経団連・日中経協・日商による合同訪中代表団 (2024年2月15日 No.3625) | 週刊 経団連タイムス
経団連などの訪中団、李強首相と会談 「中日関係は重要な時期」 | ロイター
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【全人代開幕】「哀れな独裁者」と化した習近平 現代ビジネス 3月 5日
■全人代代表がついに辞任を発表
3月5日、中国では一年で最も重要な会議、「全国人民代表大会」が開幕した。この注目すべき大会の直前、習近平総書記は党中央政治局会議を始め、さまざまな動きを通じ、思想の統一を図った。
まずは2月27日。全国人民代表大会常務委員会が「公告」を出した。しばらく消息が絶えていた前外交部長(外相)の秦剛が、自ら人民代表大会の代表を辞任したと公表した。理由の説明はなかった。
秦剛は、昨年6月26日以降、公衆の面前から姿を消し、中国外交部は当初、「病気」と説明した。その後、外交部長と国務委員を免じられた。外国のスパイで、死亡との噂もあったが、中国政府からは何の説明もなかった。
秦剛が、いつ党中央委員の資格を剥奪されるのかが注目されていたが、全国人民代表大会の代表の辞任が、ここへ来てようやく公表された。
それにしても、罷免ではなく辞任というのは、何を意味しているだろう??
本連載でも書いたことがあるように、秦剛には不倫の末、米国で生まれた婚外子がいた。その子の国籍を米国にするかどうかで不倫相手と揉めた後、異例のスピードで外交部長などへ昇任し、不倫関係を断ち切った。そのため不倫相手が、秦剛の存在を匂わすかのようなSNSを発信した。
■「親米派」だったことが辞任の原因か
それによって、中国政府も秦剛を処罰せざる得なくなった。党内では秦剛は「厳重警告」と「行政記大過(行政に大きな過ちを起こしたことを記録に残す)」との処罰を受けたと、省長級幹部までに限って密かに通達されたとも言われた。
秦剛は習近平総書記のお気に入りで、異例の昇進を果たしたが、夫人も習近平夫人(彭麗媛)との関係がいい。だから、外交部長と国務委員は罷免したが、人民大会代表は、自ら辞めたような形にした。こうすることで、噂された汚職や国家機密の漏洩などの罪ではなく、秦剛が単なる誤りを犯して更迭されたことにしたかったのだろう。
実際、事前にも動きがあった。衝撃を和らげるため、今年1月末に中国政府は、わざと中国の駐EU大使の傅聪に、秦剛がミスしたと暗に公言させた。
「ミス説」は表向きの理由にすぎず、秦剛がそこまで追い込まれたのは、他に理由があったと筆者は見ている。婚外子のプライベートな問題というより、秦剛は外交部内での権力闘争に負けたのだろう。
秦剛は「親米派」で、外交部長になった後すぐ、米中関係の修復に動いた。「親ロシア派」の「戦狼外交官」(狼のように吠える外交官)の趙立堅を左遷させた。しかし、米中関係が立て直されようとした矢先に、秦剛外相は失踪した。
その後、外交部は再び「親ロシア派」に主導権が戻った。英語が堪能でない上司の王毅と仲が悪いだの、三段飛びのスピード昇進を嫉妬されたとも言われた。
■「思想の解放」と「思想の統一」
習近平総書記はプーチン露大統領を尊敬し、毛沢東主席のような偉大な人物になりたがっている。だが、経済発展には米国など先進国の助けが欠かせない。そのため、外交部の人事に悩まされている。それが外交路線にも及んだ。中国の外交路線は常に親米と親ロの間で揺れており、習近平政権はジレンマに陥っている。
中国の旧正月の大型連休(2月10日~17日)が過ぎ、仕事始めの初日(2月18日)に、湖南省委員会が大きく動いた。なんと通達を出して、思想解放を呼びかけ、大キャンペーンを展開した。
それは、「中国共産党の湖南省委員会の全省の各地域で思想を解放する大きな議論を展開する通達」(以下「通達」)である。
湖南省は3月下旬まで、思想解放を議論するキャンペーンを展開すると決めたのだ。同時に、「思想を解放する目的は思想をより統一するためである」と「通達」は強調した。そして、「習近平同志を核心とする党中央の決定に思想を統一させて、良質の発展を進めよう」と求めた。
「思想の解放」と「思想の統一」は、矛盾するのではないか?
「通達」に、下記のように書かれたことに注目したい。
「データを弄び、虚偽の実績を作ってはならない。功利主義の傾向を変えねばならない。(中略)ダチョウ(緊急の場合に頭だけを砂の中に入れて自分では安全だと思い込む)のように問題を無視する姿勢を変えよ。問題を避けるために何もしない「寝そべる」思想も変えよ」 ……実に10項目もの「変えるべき点」が示されたのだった。
■忠誠心がなければ追放される
この10項目の「変えるべき点」こそが、いまの中国の幹部たちの状況を表していると筆者は思う。いったん思想を解放して、「作為」のある幹部になるように、すなわち習近平総書記が求めるような幹部になるよう思想を統一する必要があったのだ。
習近平総書記は、政権こそ完全に把握したが、幹部たちの思想はいまだバラバラで、理想的な形では決してない。
2月21日、「中国共産党の巡視条例」の修正案が公表された。「党組織の主要責任者に対する監督を強め、党に対する忠誠心を重要なポイントとして審査する」と新たに付け加えた。
これまで汚職や紀律に対する重大違反などを主に取り締まってきた党中央の巡視チーム(組)が、党に対する忠誠心をもチェックすることになった。今後は習近平総書記に対する忠誠心が足りないだけで、問責や逮捕されるということだ。
2月27日、党中央政治局、党中央書記処、全国人民代表大会常務委員会など主要部門の幹部たちが一人一人、習近平総書記に宛てて書いた「業務報告書」を、習近平総書記が閲読し、重要な指示を与えたと、新華社通信が報じた。習近平総書記は幹部たちに、さらに一層の自分に対する忠誠心を求めているのだ。すなわち、習近平総書記が変えたかったのは、政策ではなく、いかに幹部たちが自分を「核心」として尊ぶかということだったというわけだ。
逆に言えば、習近平総書記は、幹部たちの心まで完全に支配したいが、できない。何とも哀れな最高権力者である。
■全人代代表がついに辞任を発表
3月5日、中国では一年で最も重要な会議、「全国人民代表大会」が開幕した。この注目すべき大会の直前、習近平総書記は党中央政治局会議を始め、さまざまな動きを通じ、思想の統一を図った。
まずは2月27日。全国人民代表大会常務委員会が「公告」を出した。しばらく消息が絶えていた前外交部長(外相)の秦剛が、自ら人民代表大会の代表を辞任したと公表した。理由の説明はなかった。
秦剛は、昨年6月26日以降、公衆の面前から姿を消し、中国外交部は当初、「病気」と説明した。その後、外交部長と国務委員を免じられた。外国のスパイで、死亡との噂もあったが、中国政府からは何の説明もなかった。
秦剛が、いつ党中央委員の資格を剥奪されるのかが注目されていたが、全国人民代表大会の代表の辞任が、ここへ来てようやく公表された。
それにしても、罷免ではなく辞任というのは、何を意味しているだろう??
本連載でも書いたことがあるように、秦剛には不倫の末、米国で生まれた婚外子がいた。その子の国籍を米国にするかどうかで不倫相手と揉めた後、異例のスピードで外交部長などへ昇任し、不倫関係を断ち切った。そのため不倫相手が、秦剛の存在を匂わすかのようなSNSを発信した。
■「親米派」だったことが辞任の原因か
それによって、中国政府も秦剛を処罰せざる得なくなった。党内では秦剛は「厳重警告」と「行政記大過(行政に大きな過ちを起こしたことを記録に残す)」との処罰を受けたと、省長級幹部までに限って密かに通達されたとも言われた。
秦剛は習近平総書記のお気に入りで、異例の昇進を果たしたが、夫人も習近平夫人(彭麗媛)との関係がいい。だから、外交部長と国務委員は罷免したが、人民大会代表は、自ら辞めたような形にした。こうすることで、噂された汚職や国家機密の漏洩などの罪ではなく、秦剛が単なる誤りを犯して更迭されたことにしたかったのだろう。
実際、事前にも動きがあった。衝撃を和らげるため、今年1月末に中国政府は、わざと中国の駐EU大使の傅聪に、秦剛がミスしたと暗に公言させた。
「ミス説」は表向きの理由にすぎず、秦剛がそこまで追い込まれたのは、他に理由があったと筆者は見ている。婚外子のプライベートな問題というより、秦剛は外交部内での権力闘争に負けたのだろう。
秦剛は「親米派」で、外交部長になった後すぐ、米中関係の修復に動いた。「親ロシア派」の「戦狼外交官」(狼のように吠える外交官)の趙立堅を左遷させた。しかし、米中関係が立て直されようとした矢先に、秦剛外相は失踪した。
その後、外交部は再び「親ロシア派」に主導権が戻った。英語が堪能でない上司の王毅と仲が悪いだの、三段飛びのスピード昇進を嫉妬されたとも言われた。
■「思想の解放」と「思想の統一」
習近平総書記はプーチン露大統領を尊敬し、毛沢東主席のような偉大な人物になりたがっている。だが、経済発展には米国など先進国の助けが欠かせない。そのため、外交部の人事に悩まされている。それが外交路線にも及んだ。中国の外交路線は常に親米と親ロの間で揺れており、習近平政権はジレンマに陥っている。
中国の旧正月の大型連休(2月10日~17日)が過ぎ、仕事始めの初日(2月18日)に、湖南省委員会が大きく動いた。なんと通達を出して、思想解放を呼びかけ、大キャンペーンを展開した。
それは、「中国共産党の湖南省委員会の全省の各地域で思想を解放する大きな議論を展開する通達」(以下「通達」)である。
湖南省は3月下旬まで、思想解放を議論するキャンペーンを展開すると決めたのだ。同時に、「思想を解放する目的は思想をより統一するためである」と「通達」は強調した。そして、「習近平同志を核心とする党中央の決定に思想を統一させて、良質の発展を進めよう」と求めた。
「思想の解放」と「思想の統一」は、矛盾するのではないか?
「通達」に、下記のように書かれたことに注目したい。
「データを弄び、虚偽の実績を作ってはならない。功利主義の傾向を変えねばならない。(中略)ダチョウ(緊急の場合に頭だけを砂の中に入れて自分では安全だと思い込む)のように問題を無視する姿勢を変えよ。問題を避けるために何もしない「寝そべる」思想も変えよ」 ……実に10項目もの「変えるべき点」が示されたのだった。
■忠誠心がなければ追放される
この10項目の「変えるべき点」こそが、いまの中国の幹部たちの状況を表していると筆者は思う。いったん思想を解放して、「作為」のある幹部になるように、すなわち習近平総書記が求めるような幹部になるよう思想を統一する必要があったのだ。
習近平総書記は、政権こそ完全に把握したが、幹部たちの思想はいまだバラバラで、理想的な形では決してない。
2月21日、「中国共産党の巡視条例」の修正案が公表された。「党組織の主要責任者に対する監督を強め、党に対する忠誠心を重要なポイントとして審査する」と新たに付け加えた。
これまで汚職や紀律に対する重大違反などを主に取り締まってきた党中央の巡視チーム(組)が、党に対する忠誠心をもチェックすることになった。今後は習近平総書記に対する忠誠心が足りないだけで、問責や逮捕されるということだ。
2月27日、党中央政治局、党中央書記処、全国人民代表大会常務委員会など主要部門の幹部たちが一人一人、習近平総書記に宛てて書いた「業務報告書」を、習近平総書記が閲読し、重要な指示を与えたと、新華社通信が報じた。習近平総書記は幹部たちに、さらに一層の自分に対する忠誠心を求めているのだ。すなわち、習近平総書記が変えたかったのは、政策ではなく、いかに幹部たちが自分を「核心」として尊ぶかということだったというわけだ。
逆に言えば、習近平総書記は、幹部たちの心まで完全に支配したいが、できない。何とも哀れな最高権力者である。
まずは2月27日。全国人民代表大会常務委員会が「公告」を出した。しばらく消息が絶えていた前外交部長(外相)の秦剛が、自ら人民代表大会の代表を辞任したと公表。
秦剛は、昨年6月26日以降、公衆の面前から姿を消し、その後、外交部長と国務委員を免じられた。
秦剛は習近平総書記のお気に入りで、異例の昇進を果たしたが突如消息が絶えたことは諸兄がご承知のこと。
秦剛が、いつ党中央委員の資格を剥奪されるのかが注目されていたが、全国人民代表大会の代表の辞任が、ここへ来てようやく公表された。
それにしても、罷免ではなく辞任というのは、何を意味しているだろうと、現代ビジネス。
秦剛には不倫の末、米国で生まれた婚外子がいた。その子の国籍を米国にするかどうかで不倫相手と揉めた後、異例のスピードで外交部長などへ昇任し、不倫関係を断ち切った。そのため不倫相手が、秦剛の存在を匂わすかのようなSNSを発信した。
それによって、中国政府も秦剛を処罰せざる得なくなった。党内では秦剛は「厳重警告」と「行政記大過(行政に大きな過ちを起こしたことを記録に残す)」との処罰を受けたと、省長級幹部までに限って密かに通達されたとも言われたのだそうです。
秦剛の夫人も習近平夫人(彭麗媛)との関係がいい。だから、外交部長と国務委員は罷免したが、人民大会代表は、自ら辞めたような形にした。こうすることで、噂された汚職や国家機密の漏洩などの罪ではなく、秦剛が単なる誤りを犯して更迭されたことにしたかったのだろうと、現代ビジネス。
事前にも動きがあった。衝撃を和らげるため、今年1月末に中国政府は、わざと中国の駐EU大使の傅聪に、秦剛がミスしたと暗に公言させた。
「ミス説」は表向きの理由にすぎず、秦剛がそこまで追い込まれたのは、他に理由があったと、現代ビジネス。
秦剛は外交部内での権力闘争に負けたのだろうと。
秦剛は「親米派」で、外交部長になった後すぐ、米中関係の修復に動いた。「親ロシア派」の「戦狼外交官」(狼のように吠える外交官)の趙立堅を左遷させた。しかし、米中関係が立て直されようとした矢先に、秦剛外相は失踪!
その後、外交部は再び「親ロシア派」に主導権が戻った。英語が堪能でない上司の王毅と仲が悪いだの、三段飛びのスピード昇進を嫉妬されたとも言われたのだそうです。
習近平総書記はプーチン露大統領を尊敬し、毛沢東主席のような偉大な人物になりたがっている。だが、経済発展には米国など先進国の助けが欠かせない。そのため、外交部の人事に悩まされていると、現代ビジネス。
中国の外交路線は常に親米と親ロの間で揺れており、習近平政権はジレンマに陥っているとも。
旧正月あけの仕事始めの初日(2月18日)に、湖南省委員会が大きく動いた。なんと通達を出して、思想解放を呼びかけ、大キャンペーンを展開したのだそうです。
「中国共産党の湖南省委員会の全省の各地域で思想を解放する大きな議論を展開する通達」
湖南省は3月下旬まで、思想解放を議論するキャンペーンを展開すると決め、同時に、「思想を解放する目的は思想をより統一するためである」と強調。
「思想の解放」と「思想の統一」は、矛盾するのではないか?
「データを弄び、虚偽の実績を作ってはならない。功利主義の傾向を変えねばならない。(中略)ダチョウ(緊急の場合に頭だけを砂の中に入れて自分では安全だと思い込む)のように問題を無視する姿勢を変えよ。問題を避けるために何もしない「寝そべる」思想も変えよ」 ……実に10項目もの「変えるべき点」が通達には示されたのだったそうです。
この10項目の「変えるべき点」こそが、いまの中国の幹部たちの状況を表していると、現代ビジネス。
いったん思想を解放して、「作為」のある幹部になるように、すなわち習近平総書記が求めるような幹部になるよう思想を統一する必要があったのだと。
習近平総書記は、政権こそ完全に把握したが、幹部たちの思想はいまだバラバラで、理想的な形では決してないとも。
2月21日、「中国共産党の巡視条例」の修正案が公表されたのだそうです。
「党組織の主要責任者に対する監督を強め、党に対する忠誠心を重要なポイントとして審査する」と新たに付け加えた。
これまで汚職や紀律に対する重大違反などを主に取り締まってきた党中央の巡視チーム(組)が、党に対する忠誠心をもチェックすることになった。今後は習近平総書記に対する忠誠心が足りないだけで、問責や逮捕されるということだと、現代ビジネス。
2月27日、党中央政治局、党中央書記処、全国人民代表大会常務委員会など主要部門の幹部たちが一人一人、習近平総書記に宛てて書いた「業務報告書」を、習近平総書記が閲読し、重要な指示を与えたと、新華社通信が報じたのだそうです。
習近平総書記は幹部たちに、さらに一層の自分に対する忠誠心を求めている。すなわち、習近平総書記が変えたかったのは、政策ではなく、いかに幹部たちが自分を「核心」として尊ぶかということだったと、現代ビジネス。
逆に言えば、習近平総書記は、幹部たちの心まで完全に支配したいが、できない。何とも哀れな最高権力者であるとも。
独裁者の政権はいつかは倒れる。コロナ開けでも不動産バブルがはじけ、国内経済は不調。
中国経済を、米国に次ぐ世界第 2位にまで導いた、鄧小平の流れを継ぐ共青団派は、その集団指導体制や定年制を習近平の独裁化と共に葬り去られた今日、海外からの投資も中国から逃げ出す現状!
# 日本の経済界首脳は、未だ中国詣でをしていますが。。
経団連・日中経協・日商による合同訪中代表団 (2024年2月15日 No.3625) | 週刊 経団連タイムス
経団連などの訪中団、李強首相と会談 「中日関係は重要な時期」 | ロイター
# 冒頭の画像は、李総理と会談した、十倉会長、進藤日中経協会長
この花の名前は、アネモネ
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