遊爺雑記帳

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中国政府が尖閣諸島を巡って傍若無人の振る舞いに出たのは、島根県議会が「竹島の日」条例を定めた際、日本政府が不作為で臨んだからである

2023-09-12 01:23:56 | 竹島
 8月28日、中国自然資源省が公表した「2023年版標準地図」には、南シナ海のほぼ全域の領有を主張し、従来の九段線を台湾東部にまで拡大して十段線として記されている。
 しかし、竹島問題対策準備チームを改組し、内閣官房に設置された「領土・主権対策企画調整室」ではこれといった動きを見せていないと、下條正男東海大・島根県立大客員教授。
 問題は、十段線に尖閣諸島(沖縄県石垣市)が含まれていたことだと。

 
【竹島を考える】彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず危うし…尖閣にも通じる「孫子の兵法」 - 産経ニュース 2023/9/10 下條 正男:東海大・島根県立大客員教授

 傍若無人とは「傍らに人無きがごとし」ということで、近年の中国がまさにそれである9月2日付本紙は、その実態について「一方的な領有権主張 中国の『新地図』」とした見出しで、「南シナ海周辺『十段線』に拡大」「アジアで一斉反発」と報じた

 
「新地図」は8月28日、中国自然資源省が公表した「2023年版標準地図」で、そこでは南シナ海のほぼ全域の領有を主張し、従来の九段線を台湾東部にまで拡大して十段線として記されている。今のところ、竹島問題対策準備チームを改組し、内閣官房に設置された「領土・主権対策企画調整室」ではこれといった動きを見せていない

 
だが、九段線から十段線への拡大は日本にとっては深刻な事態なのである。九段線は1947年12月、中華民国の国民政府が『南シナ海諸島位置図』を公布して、南シナ海を中華民国の領海とし、南シナ海を11のU字線で取り囲んだのが最初とされる。それを中華人民共和国が53年、9つの破線で結んだのが九段線である。それが今回、十段線とされ、破線の1つが台湾東部に拡大されたのである。

 
問題は、十段線に尖閣諸島(沖縄県石垣市)が含まれていたことだ

■新地図に十段線
 それは
今年2月14日、中国自然資源省「公開地図内容表示規範」(以下、規範)を通達し、「公開する地図または地図図形をともなう製品の表示において、順守すべき規定」を定めたことから始まった

 規範では
「中国全図は大陸、海南島、台湾以外に、南シナ海諸島、釣魚島及(およ)びその付属島嶼(とうしょ)などの重要島嶼も表示すべきだ」としており、「台湾省地図の範囲内に釣魚島と赤尾嶼を描く」としたからだ。そのため十段線が描かれた2023年版標準地図では、釣魚島と赤尾嶼を台湾の一部としたのである。

 だが、
その誤りは奇(く)しくも、公益財団法人「日本国際問題研究所」が主催し、私が講師を務めた8月29日の公開ウェビナー「尖閣諸島領有の歴史的根拠について-中国の主張の誤り-」を通じ明らかにしていた

 今回の公開ウェビナーでは、1971年12月30日以来、
中国政府が尖閣諸島を台湾の付属島嶼とし、尖閣諸島は明代から「中国固有の領土」だったとする主張の誤りを、明・清時代の古地図と文献を用いて反証したからである。

 それも、その論証の端緒は、中国漁船が故意に海上保安庁の巡視船に衝突した事件の2カ月後、2010年11月4日付の本紙で報じられた記事にある。

 
尖閣諸島をめぐる中国側との確執は、10年ほど前に解決のめどがついていたのである。それを日本の立法府は「尖閣諸島は日米安保の対象か否か」とした問題で汲々(きゅうきゅう)とし、憲法改正や防衛費増額の論議を優先させたのである。

■挑発する口実に
 
尖閣諸島を虎視眈々(たんたん)と狙う中国側にとっては、これが日本を挑発する格好の口実となった。このとき、日本がしておくべきことは、尖閣諸島は歴史的に中国領でなかった事実を中国側に伝えることだった。日本が憲法改正に臨む前段階として、中国側の理不尽な侵略行為を明確にしておく必要があった

 
これは竹島(島根県隠岐の島町)と日本海呼称の問題も同じである。一昨年は「竹島問題に関するウェビナー『竹島問題の本質と韓国側の主張の誤り』」、昨年は「日本海ウェビナー『日本海の呼称と韓国側の主張の誤り』」と題して、韓国側の主張の誤りを論証していたからだ。

 それも日本海の呼称問題は、1992年9月30日付の韓国紙『中央日報』に投稿し、韓国側の文献解釈の誤りを指摘したのが最初で、竹島問題に関しては96年2月、韓国政府が竹島に接岸施設を建設すると発表した時点で、韓国の月刊誌『韓国論壇』(5月号)に寄稿した愚考が、今回の「ウェビナー」の原点である。

■地方分権の弱点
 一方、
中国政府が尖閣諸島を巡って傍若無人の振る舞いに出たのは2005年3月、島根県議会が竹島の領土権確立を求め、「竹島の日」条例を定めた際、日本政府が不作為で臨んだからである中韓露はそれをみて対日攻勢に転じたのである。

 
この違いは歴史的に中央集権的な体質を持つ中韓露と、地方分権的な日本との違いに由来する。日本では、北方領土問題は北海道根室市の問題とされ、尖閣諸島は石垣市の問題、竹島問題は島根県と隠岐の島町の問題である。そのため問題解決にあたって地方自治体の長が中央政府に陳情をするといった珍事が日本で繰り返されてきた

 だが、中央集権的な体質を持つ中韓露との「歴史戦」では、相手の弱点をつくことが優先される。しかし今回のウェビナーでも指摘したが、地方分権的な日本にはそれを担う「アカデミー」が存在しないのである。領土担当大臣がいて、それを支える行政組織があっても「歴史戦」のための具体的な動きは作れない。
中国を暴走させてしまった責任の一端は敵を知らず、己も知らない日本にもあったということだ。


 問題は、今年 2月14日、中国自然資源省が「公開地図内容表示規範」(以下、規範)を通達し、「公開する地図または地図図形をともなう製品の表示において、順守すべき規定」を定めたことから始まったと、下條教授。
 規範では「中国全図は大陸、海南島、台湾以外に、南シナ海諸島、釣魚島及びその付属島嶼などの重要島嶼も表示すべきだ」としており、「台湾省地図の範囲内に釣魚島と赤尾嶼を描く」とした。
 だが、その誤りは奇しくも、公益財団法人「日本国際問題研究所」が主催し、私が講師を務めた 8月29日の公開ウェビナー「尖閣諸島領有の歴史的根拠について-中国の主張の誤り-」を通じ明らかにしていた。
 中国政府が尖閣諸島を台湾の付属島嶼とし、尖閣諸島は明代から「中国固有の領土」だったとする主張の誤りを、明・清時代の古地図と文献を用いて反証した。

 尖閣諸島をめぐる中国側との確執は、10年ほど前に解決のめどがついていたのである。それを日本の立法府は「尖閣諸島は日米安保の対象か否か」とした問題で汲々(きゅうきゅう)とし、憲法改正や防衛費増額の論議を優先させた。

 尖閣諸島を虎視眈々(たんたん)と狙う中国側にとっては、これが日本を挑発する格好の口実となった。このとき、日本がしておくべきことは、尖閣諸島は歴史的に中国領でなかった事実を中国側に伝えることだった。日本が憲法改正に臨む前段階として、中国側の理不尽な侵略行為を明確にしておく必要があったと、下條教授。
 
 これは竹島(島根県隠岐の島町)と日本海呼称の問題も同じである。
 中国政府が尖閣諸島を巡って傍若無人の振る舞いに出たのは2005年 3月、島根県議会が竹島の領土権確立を求め、「竹島の日」条例を定めた際、日本政府が不作為で臨んだからである。中韓露はそれをみて対日攻勢に転じたと、下條教授。

 この違いは歴史的に中央集権的な体質を持つ中韓露と、地方分権的な日本との違いに由来すると。
 日本では、北方領土問題は北海道根室市の問題とされ、尖閣諸島は石垣市の問題、竹島問題は島根県と隠岐の島町の問題である。そのため問題解決にあたって地方自治体の長が中央政府に陳情をするといった珍事が日本で繰り返されてきた。
 
 だが、中央集権的な体質を持つ中韓露との「歴史戦」では、相手の弱点をつくことが優先される。しかし地方分権的な日本にはそれを担う「アカデミー」が存在しない。
 領土担当大臣がいて、それを支える行政組織があっても「歴史戦」のための具体的な動きは作れない。中国を暴走させてしまった責任の一端は敵を知らず、己も知らない日本にもあったということだと、下條教授。

 それでも「北方領土の日」は、国が主催していますが、「竹島の日」は、安倍政権が復活を遂げた際の選挙では、県の主催を国の主催に格上げするとしていましたが、未だに県の主催のまま。
 尖閣諸島は石垣市の問題とし、県知事は世界一危険な普天間飛行場をキャンプシュアブに統廃合することに、新基地建設反対と裁判沙汰を繰り返すばかり。
 このほど、最高裁で敗訴しましたが。。

 父の河野氏に随行し訪中した、玉城知事。その後はハワイ、ジュネーブの国連を歴訪し、中国が台湾や尖閣諸島への侵攻に障害となる米軍の沖縄からの撤退を要請・使い走りをする始末。

 北方領土、竹島の不法占拠、尖閣への実効支配挑戦といった日本の領土侵略問題。
 主要自由主義国で、こんなに領土問題を抱えている国は稀有。
 
 下條教授がご指摘の通り、日本政府に責任があるのは明かですね。



 # 冒頭の画像は、『十段線』が追加された中国自然資源省が公表した「2023年版標準地図」



 この花の名前は、ムラサキ


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