江沢民の引きのおかげで主席の座についた、政権基盤が弱い習近平は、基盤強化のために腐敗撲滅の旗を掲げ、政敵の排除を進めていることは、諸兄がご承知の通りです。
ライバルだった薄煕来を捉え、江沢民・上海閥の周永康氏を追い詰め、今度は胡錦濤・共青団派の令計画氏です。
この恐怖政治は危険な賭けですが、基盤の弱い習近平が政権を安定させるには、江沢民流の反日で国民の批判を逸らす方法に併せて、反腐敗政治に名を借りた政敵撲滅の、この道しかないとも言えます。
胡錦濤氏は、政権の座を習近平に渡すに際しては、党常務委員の座の椅子取り争いで優位に立ち、院政を続ける目論見でしたが、土壇場で習近平と江沢民等長老に、逆転を許し、中央軍事委の席も辞し、江沢民を道連れに表舞台から降りました。
そして、記事に書かれている様に、定年で交代が見えていた常務委員の後釜に、自陣の共青団のメンバーが座れる様準備を進めていました。
習近平 中央軍事委主席も兼任 その先は - 遊爺雑記帳
勿論、それは習近平にも判っていることですから、習近平は、腐敗政治撲滅の旗を掲げ、政敵排除に走り、トラ退治に成功しつつあるのですね。
しかしこれは、敵を作ることにもなり、今では、江沢民派も共青団も敵に回してしまいました。
“政敵”を次々と失脚させながらも身内に手を付けない習近平指導部の「選別的」な反腐敗キャンペーンに対し、党内の不満は高まりつつある。「パンドラの箱を一旦開けたら閉められない。党内の抗争はますます激化する」と、政局の泥沼化を危惧する声がある様です。
【胡錦濤氏側近失脚】反腐敗、選別的な摘発 習指導部身内に甘く、党内に高まる不満(1/2ページ) - 産経ニュース
習近平政権と、江沢民・上海閥、胡錦濤・共青団の政局争いには、ますます目が離せなくなってきたようですね。
冒頭の画像は、令計画・共産党中央統一戦線工作部長
九条ネギ
↓よろしかったら、お願いします。
ライバルだった薄煕来を捉え、江沢民・上海閥の周永康氏を追い詰め、今度は胡錦濤・共青団派の令計画氏です。
この恐怖政治は危険な賭けですが、基盤の弱い習近平が政権を安定させるには、江沢民流の反日で国民の批判を逸らす方法に併せて、反腐敗政治に名を借りた政敵撲滅の、この道しかないとも言えます。
令計画氏調査 習政権 次期人事へ布石 腐敗摘発 江氏・胡氏派閥けん制 (12/24 読売)
【北京=竹腰雅彦】中国の習近平政権は、胡錦濤前国家主席の側近だった令計画・共産党中央統一戦線工作部長(人民政治協商会議副主席)(58)に対して調査を始めた。令氏の摘発は、政権2期目となる第19回党大会(2017年)の最高指導部人事に向けた布石と言える。習国家主席(党総書記)(61)は腐敗摘発を続けることで、江沢民元国家主席の派閥だけでなく、胡氏の権力基盤である「共産主義青年団」(共青団)派も分断、けん制し、人事を有利に運ぶ構えだ。
「誰が昇格するのか、わからなくなった」。党関係者は23日、本紙に、党最高指導部である政治局常務委員の次期人事について、こう語った。
「68歳定年」という党の慣例に従えば、現常務委員7人のうち、習氏と李克強リークォーチャン首相(59)を除く5人は、第19回党大会で引退する見通しだ。政治局員からの昇格が慣例の新常務委員には、これまでは、17年に「定年」に達しない李源潮リーユエンチャオ国家副主席(64)、汪洋ワンヤン副首相(59)、胡春華フーチュンフア広東省党委員会書記(51)ら、習氏にとって最大の対抗勢力、共青団派が主に有力視されてきた。
だが今回、元側近が摘発された胡錦濤氏の影響力低下は避けられず、共青団派の昇格に影響するとの見方が強い。習氏は、最大の政治基盤である高級幹部の子女グループ「太子党」に幅広いネットワークを持つ。ただ、太子党は現在の党指導部では少数派だ。共青団の事情に通じた令氏の摘発により、「共青団の常務委員候補者」をけん制することが可能になる。習氏は「忠誠」を試して自身になびかせ、「有用な人材」を選別した上で、19回党大会人事に臨める。
党関係者は「反腐敗(腐敗摘発)の方向次第では誰に問題が起きるかわからない」と述べた。習氏が「反腐敗」カードをちらつかせることで、「常務委員候補者」らが今後3年間、習氏の顔色をうかがわざるをえない状況になったという。
党機関紙・人民日報系の「環球時報」は23日の社説で、令氏の調査発表を受けて「インターネット上に見渡す限りの歓呼の声が上がった」と「成果」を自賛。「反腐敗には停止も小休止もない。どれだけ地位が高く、強い権力の大トラであっても、汚職をすれば絶対に逃れられない」と摘発継続の必要性を強調している。
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共青団出身の主な有力指導者
政治局常務委員 最高指導部 李克強 首相 (59)
政治局員 李源潮 国家副主席(64)*
汪洋 副首相(59)*
胡春華 広東省党委員会書記(51)*
栗戦書 党中央弁公庁主任(64)*
(習近平氏にもちかい)
韓正 上海市党委員会書記(60)*
劉奇葆 党中央宣伝部長(61)*
劉延東 副首相(69)
(太子党メンバー)
*印は第19回党大会で最高指導部入りが取り沙汰される指導者
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【北京=竹腰雅彦】中国の習近平政権は、胡錦濤前国家主席の側近だった令計画・共産党中央統一戦線工作部長(人民政治協商会議副主席)(58)に対して調査を始めた。令氏の摘発は、政権2期目となる第19回党大会(2017年)の最高指導部人事に向けた布石と言える。習国家主席(党総書記)(61)は腐敗摘発を続けることで、江沢民元国家主席の派閥だけでなく、胡氏の権力基盤である「共産主義青年団」(共青団)派も分断、けん制し、人事を有利に運ぶ構えだ。
「誰が昇格するのか、わからなくなった」。党関係者は23日、本紙に、党最高指導部である政治局常務委員の次期人事について、こう語った。
「68歳定年」という党の慣例に従えば、現常務委員7人のうち、習氏と李克強リークォーチャン首相(59)を除く5人は、第19回党大会で引退する見通しだ。政治局員からの昇格が慣例の新常務委員には、これまでは、17年に「定年」に達しない李源潮リーユエンチャオ国家副主席(64)、汪洋ワンヤン副首相(59)、胡春華フーチュンフア広東省党委員会書記(51)ら、習氏にとって最大の対抗勢力、共青団派が主に有力視されてきた。
だが今回、元側近が摘発された胡錦濤氏の影響力低下は避けられず、共青団派の昇格に影響するとの見方が強い。習氏は、最大の政治基盤である高級幹部の子女グループ「太子党」に幅広いネットワークを持つ。ただ、太子党は現在の党指導部では少数派だ。共青団の事情に通じた令氏の摘発により、「共青団の常務委員候補者」をけん制することが可能になる。習氏は「忠誠」を試して自身になびかせ、「有用な人材」を選別した上で、19回党大会人事に臨める。
党関係者は「反腐敗(腐敗摘発)の方向次第では誰に問題が起きるかわからない」と述べた。習氏が「反腐敗」カードをちらつかせることで、「常務委員候補者」らが今後3年間、習氏の顔色をうかがわざるをえない状況になったという。
党機関紙・人民日報系の「環球時報」は23日の社説で、令氏の調査発表を受けて「インターネット上に見渡す限りの歓呼の声が上がった」と「成果」を自賛。「反腐敗には停止も小休止もない。どれだけ地位が高く、強い権力の大トラであっても、汚職をすれば絶対に逃れられない」と摘発継続の必要性を強調している。
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共青団出身の主な有力指導者
政治局常務委員 最高指導部 李克強 首相 (59)
政治局員 李源潮 国家副主席(64)*
汪洋 副首相(59)*
胡春華 広東省党委員会書記(51)*
栗戦書 党中央弁公庁主任(64)*
(習近平氏にもちかい)
韓正 上海市党委員会書記(60)*
劉奇葆 党中央宣伝部長(61)*
劉延東 副首相(69)
(太子党メンバー)
*印は第19回党大会で最高指導部入りが取り沙汰される指導者
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胡錦濤氏は、政権の座を習近平に渡すに際しては、党常務委員の座の椅子取り争いで優位に立ち、院政を続ける目論見でしたが、土壇場で習近平と江沢民等長老に、逆転を許し、中央軍事委の席も辞し、江沢民を道連れに表舞台から降りました。
そして、記事に書かれている様に、定年で交代が見えていた常務委員の後釜に、自陣の共青団のメンバーが座れる様準備を進めていました。
習近平 中央軍事委主席も兼任 その先は - 遊爺雑記帳
勿論、それは習近平にも判っていることですから、習近平は、腐敗政治撲滅の旗を掲げ、政敵排除に走り、トラ退治に成功しつつあるのですね。
しかしこれは、敵を作ることにもなり、今では、江沢民派も共青団も敵に回してしまいました。
“政敵”を次々と失脚させながらも身内に手を付けない習近平指導部の「選別的」な反腐敗キャンペーンに対し、党内の不満は高まりつつある。「パンドラの箱を一旦開けたら閉められない。党内の抗争はますます激化する」と、政局の泥沼化を危惧する声がある様です。
【胡錦濤氏側近失脚】反腐敗、選別的な摘発 習指導部身内に甘く、党内に高まる不満(1/2ページ) - 産経ニュース
習近平政権と、江沢民・上海閥、胡錦濤・共青団の政局争いには、ますます目が離せなくなってきたようですね。
冒頭の画像は、令計画・共産党中央統一戦線工作部長
九条ネギ
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