ロシアが23日から露南部ソチで初めての「ロシア・アフリカ首脳会議」と関連会合を開催、アフリカ諸国への軍事支援を加速させているのだそうです。
2日間の日程で開催される首脳会議には、アフリカの40か国以上から首脳級を招くのだと。
「最後のフロンティア」として経済発展に期待がかかるアフリカを巡っては、欧米や中国、日本だけでなく、インドやトルコといった新興国も関係強化に乗り出していて、ロシアは軍事やエネルギー分野など、限られた領域で影響力を高めるしかないだろうと南アフリカの政治経済アナリスト、ロナック・ゴパルダス氏。
ロシアのアフリカ諸国との連携強化の動きは、2014年のウクライナ南部クリミア併合が転機になったと、ロシア科学アカデミー・アフリカ研究所のオリガ・クリコワ主任研究員。
クリミア併合で国際的に孤立状態にあるロシアにとって、「急速に発展するアフリカでの市場開拓と、自国への『味方』を作る必要性が高まった」のだと。
進出の足がかりになるのは、旧ソ連時代、武器を供与したり、軍事関係者を訓練したりして築いた人的なパイプ。
他方、アフリカ諸国側は、ロシアとの軍事面での関係強化について、投資の拡大や外交関係の多角化にもつながるとの立場。中国と同様、ロシアが、政治体制の民主化や人権問題の改善などを投資の条件としない点を魅力に感じる国も多いのだそうです。
欧米や中国、日本だけでなく、インドやトルコといった新興国も関係強化に乗り出しているなかでのロシアの進出。
自国経済が停滞し、投資資金も潤沢とは言えないロシアについては、出遅れたこともあり、政情不安を抱える国が多いアフリカで、軍事支援をテコに影響力拡大を狙うことになる様です。
日本は、圧倒的な資金量で席巻しようとしている中国に対し、国際協力機構(JICA)を活用した透明性で対抗しようとしている日本。
「債務の罠」で有名になった中国の「一帯一路」の投資。
投資条件の厳しい日本などの投資を受け入れるのか、厳しくない中国の投資を受け入れるのか。
アフリカ諸国にとっても、難しい決断を迫られているのですね。
# 冒頭の画像は、首脳会談を行ったロシアのプーチン大統領とコンゴ共和国のドニ・サスヌゲソ大統領(左)
キバナコスモスと蝶
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2日間の日程で開催される首脳会議には、アフリカの40か国以上から首脳級を招くのだと。
「最後のフロンティア」として経済発展に期待がかかるアフリカを巡っては、欧米や中国、日本だけでなく、インドやトルコといった新興国も関係強化に乗り出していて、ロシアは軍事やエネルギー分野など、限られた領域で影響力を高めるしかないだろうと南アフリカの政治経済アナリスト、ロナック・ゴパルダス氏。
露、アフリカに接近 40か国首脳級招き会議…軍事支援で影響拡大図る : 国際 : 読売新聞オンライン 2019/10/22
【モスクワ=田村雄】ロシアがアフリカ諸国への軍事支援を加速させている。欧米や中国が貿易や投資でアフリカとの関係を強める中、出遅れたロシアは、政情不安を抱える国が多いアフリカで、軍事支援をテコに影響力拡大を狙う。23日からは露南部ソチで初めての「ロシア・アフリカ首脳会議」と関連会合を開催する。
■20か国と合意
関連会合と合わせ2日間の日程で開催される首脳会議には、アフリカの40か国以上から首脳級を招く。プーチン露大統領とエジプトのシシ大統領が共同議長を務め、テロ対策や安全保障、経済協力について議論する。
ロシアによるアフリカ諸国への軍事支援が目立つようになったのは昨年以降だ。今年5月、アフリカ中部のコンゴ共和国との間で、武器供与に加え、専門家派遣や軍事指導を行うことで合意した。コンゴ共和国は武装勢力の対立が続くなど治安強化が大きな課題になっている。ドニ・サスヌゲソ大統領は5月のプーチン氏との首脳会談で「ロシアがアフリカで平和を構築することを願う」とロシアの関与拡大に期待を示した。
ロイター通信によると、ロシアは近年、アフリカの約20か国と軍事協力の合意を交わした。18年には、内戦状態にあった中央アフリカに無償で銃や銃弾を供与し、将校175人も派遣した。
■不透明な部分も
こうしたロシアの動きについて、ロシア科学アカデミー・アフリカ研究所のオリガ・クリコワ主任研究員は、2014年のウクライナ南部クリミア併合が転機になったとの見方を示す。クリミア併合で国際的に孤立状態にあるロシアにとって、「急速に発展するアフリカでの市場開拓と、自国への『味方』を作る必要性が高まった」という。ロシアは原子力発電所の輸出先としてもアフリカを有望視している。
アフリカ進出の足がかりになるのは、旧ソ連時代、武器を供与したり、軍事関係者を訓練したりして築いた人的なパイプだ。自国兵士がロシアで軍事教育を受けたアンゴラのジョアン・ロウレンソ大統領はソ連への留学時代、軍事関係の教育機関で学んだ経験がある。
ロシアによる支援の実態には不透明な部分も多い。その一つが、プーチン氏に近いとされるロシアの実業家、エフゲニー・プリゴジン氏が関係する民間軍事会社「ワグネル」だ。アフリカ諸国への軍事支援に関与しているとみられているが、昨年7月、中央アフリカで、ワグネルの活動を取材していたロシア人記者ら3人が何者かに殺害される事件が発生した。米アフリカ軍など、アフリカに展開する欧米諸国はロシアの動向を注視している。
■投資 中国などに遅れ
【ヨハネスブルク=木村達矢】アフリカ諸国は、ロシアとの軍事面での関係強化について、投資の拡大や外交関係の多角化にもつながるとの立場だ。中国と同様、ロシアが、政治体制の民主化や人権問題の改善などを投資の条件としない点を魅力に感じる国も多い。
「最後のフロンティア」として経済発展に期待がかかるアフリカを巡っては、欧米や中国、日本だけでなく、インドやトルコといった新興国も関係強化に乗り出している。
このため、「中国などが投資攻勢をかける中、ロシアは軍事やエネルギー分野など、限られた領域で影響力を高めるしかないだろう」(南アフリカの政治経済アナリスト、ロナック・ゴパルダス氏)との見方もある。
自国経済が停滞し、投資資金も潤沢とは言えないロシアについて「パーティーに遅れてきた不器用な参加者」(南アフリカのメール・アンド・ガーディアン紙)といった評価もある。
【モスクワ=田村雄】ロシアがアフリカ諸国への軍事支援を加速させている。欧米や中国が貿易や投資でアフリカとの関係を強める中、出遅れたロシアは、政情不安を抱える国が多いアフリカで、軍事支援をテコに影響力拡大を狙う。23日からは露南部ソチで初めての「ロシア・アフリカ首脳会議」と関連会合を開催する。
■20か国と合意
関連会合と合わせ2日間の日程で開催される首脳会議には、アフリカの40か国以上から首脳級を招く。プーチン露大統領とエジプトのシシ大統領が共同議長を務め、テロ対策や安全保障、経済協力について議論する。
ロシアによるアフリカ諸国への軍事支援が目立つようになったのは昨年以降だ。今年5月、アフリカ中部のコンゴ共和国との間で、武器供与に加え、専門家派遣や軍事指導を行うことで合意した。コンゴ共和国は武装勢力の対立が続くなど治安強化が大きな課題になっている。ドニ・サスヌゲソ大統領は5月のプーチン氏との首脳会談で「ロシアがアフリカで平和を構築することを願う」とロシアの関与拡大に期待を示した。
ロイター通信によると、ロシアは近年、アフリカの約20か国と軍事協力の合意を交わした。18年には、内戦状態にあった中央アフリカに無償で銃や銃弾を供与し、将校175人も派遣した。
■不透明な部分も
こうしたロシアの動きについて、ロシア科学アカデミー・アフリカ研究所のオリガ・クリコワ主任研究員は、2014年のウクライナ南部クリミア併合が転機になったとの見方を示す。クリミア併合で国際的に孤立状態にあるロシアにとって、「急速に発展するアフリカでの市場開拓と、自国への『味方』を作る必要性が高まった」という。ロシアは原子力発電所の輸出先としてもアフリカを有望視している。
アフリカ進出の足がかりになるのは、旧ソ連時代、武器を供与したり、軍事関係者を訓練したりして築いた人的なパイプだ。自国兵士がロシアで軍事教育を受けたアンゴラのジョアン・ロウレンソ大統領はソ連への留学時代、軍事関係の教育機関で学んだ経験がある。
ロシアによる支援の実態には不透明な部分も多い。その一つが、プーチン氏に近いとされるロシアの実業家、エフゲニー・プリゴジン氏が関係する民間軍事会社「ワグネル」だ。アフリカ諸国への軍事支援に関与しているとみられているが、昨年7月、中央アフリカで、ワグネルの活動を取材していたロシア人記者ら3人が何者かに殺害される事件が発生した。米アフリカ軍など、アフリカに展開する欧米諸国はロシアの動向を注視している。
■投資 中国などに遅れ
【ヨハネスブルク=木村達矢】アフリカ諸国は、ロシアとの軍事面での関係強化について、投資の拡大や外交関係の多角化にもつながるとの立場だ。中国と同様、ロシアが、政治体制の民主化や人権問題の改善などを投資の条件としない点を魅力に感じる国も多い。
「最後のフロンティア」として経済発展に期待がかかるアフリカを巡っては、欧米や中国、日本だけでなく、インドやトルコといった新興国も関係強化に乗り出している。
このため、「中国などが投資攻勢をかける中、ロシアは軍事やエネルギー分野など、限られた領域で影響力を高めるしかないだろう」(南アフリカの政治経済アナリスト、ロナック・ゴパルダス氏)との見方もある。
自国経済が停滞し、投資資金も潤沢とは言えないロシアについて「パーティーに遅れてきた不器用な参加者」(南アフリカのメール・アンド・ガーディアン紙)といった評価もある。
ロシアのアフリカ諸国との連携強化の動きは、2014年のウクライナ南部クリミア併合が転機になったと、ロシア科学アカデミー・アフリカ研究所のオリガ・クリコワ主任研究員。
クリミア併合で国際的に孤立状態にあるロシアにとって、「急速に発展するアフリカでの市場開拓と、自国への『味方』を作る必要性が高まった」のだと。
進出の足がかりになるのは、旧ソ連時代、武器を供与したり、軍事関係者を訓練したりして築いた人的なパイプ。
他方、アフリカ諸国側は、ロシアとの軍事面での関係強化について、投資の拡大や外交関係の多角化にもつながるとの立場。中国と同様、ロシアが、政治体制の民主化や人権問題の改善などを投資の条件としない点を魅力に感じる国も多いのだそうです。
欧米や中国、日本だけでなく、インドやトルコといった新興国も関係強化に乗り出しているなかでのロシアの進出。
自国経済が停滞し、投資資金も潤沢とは言えないロシアについては、出遅れたこともあり、政情不安を抱える国が多いアフリカで、軍事支援をテコに影響力拡大を狙うことになる様です。
日本は、圧倒的な資金量で席巻しようとしている中国に対し、国際協力機構(JICA)を活用した透明性で対抗しようとしている日本。
「債務の罠」で有名になった中国の「一帯一路」の投資。
投資条件の厳しい日本などの投資を受け入れるのか、厳しくない中国の投資を受け入れるのか。
アフリカ諸国にとっても、難しい決断を迫られているのですね。
# 冒頭の画像は、首脳会談を行ったロシアのプーチン大統領とコンゴ共和国のドニ・サスヌゲソ大統領(左)
キバナコスモスと蝶
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