遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

政府は尖閣放置をやめよう

2012-01-23 23:18:30 | 東シナ海尖閣諸島
 ASEANのベトナムの主導と米国の世界戦略転換によるアジア注力による、中国包囲網により中国の戦術転換に注目しています。ASEANの国々への札束攻勢での分断、日米の分断などが正攻法として目に見えてきていますね。
 その一つの現れで、対日姿勢の変化があります。TPP参加の動きに対する、日中韓FTAへの取り組み姿勢の転換もありますが、台湾総統選での馬氏への強力な支援、東シナ海での一時活動自粛などがあります。
 しかしながら、東シナ海への派遣拡大戦略は、じんわりと継続され再会の兆が見えてきています。
 にもかかわらず、民主党政権は尖閣を放置したままです。山田先生が警鐘を鳴らしておられます。
 

【正論】東海大学教授・山田吉彦 尖閣を無人島のまま放置するな (1/23 産経)

 
尖閣諸島を抱える沖縄県石垣市は昨年、その領有が1895年に閣議決定された日である1月14日を「尖閣諸島開拓の日」と条例で定め、この14日、記念式典と「東シナ海と八重山の振興」をテーマにしたシンポジウムを催した。
 ≪「開拓の日」に漁業監視船≫

 当日、まるで日本側の動きを偵察するように、中国の漁業監視船が尖閣諸島海域に姿を現した。だが、昨年8月には領海を侵犯した漁業監視船も、今回は接続水域を通過しただけで退去している。
 昨秋の東アジアサミットで、海洋問題を協議する場の創設が検討され、以来、フィリピン、インドネシア、ベトナムなどのアジア諸国は、米国のアジア回帰の方針にも後押しされて、中国の海洋侵出を警戒する共同歩調を取るようになってきた。これに対して
中国は、「核心的利益」と位置づける南シナ海には侵出してベトナム、フィリピンとの小競り合いを続けているものの、東シナ海での行動は自重している傾向
がみえる。
 昨年12月に野田佳彦首相が訪中した際、海洋にかかわる重層的な危機管理メカニズムの構築が必要であるとして、国境協議も含めた「日中高級事務レベル海洋協議」設置の提案がなされた。中国側は東シナ海ガス田の開発をめぐる条約交渉の再開、日中海上捜査・救助協定の合意など、海洋問題解決に向け融和策も提示してきた。
 中国漁民が韓国の海洋警察官を刺殺した事件でも、韓国側の処置を無条件に受け入れている。背景には、日韓両国に「低姿勢」に転じることでアジアにおける四面楚歌状態を脱し、南シナ海に重点を絞るとの思惑も見え隠れする。
東南アジア諸国連合(ASEAN)と日本の分断
や、東シナ海の海底熱水鉱床や海底油田などに関し日本が持っている海洋情報の入手を目論んでいるとも考えられる。

 ≪自制利かぬ中国漁民の拝金≫

 だが、
そうした中国側の姿勢も一時的なものに過ぎない
だろう。南シナ海での支配を固めたら、東シナ海でも牙を剥いてこよう。海軍力の増強も背景にあるが、何より、警備艇や調査船とは違って漁船には自制など利かない。
 中国では近年、交通インフラが整備され、魚食文化が内陸部まで普及するようになってきた。13億人の胃袋を満たすとなれば、魚はあればあるだけ売れるのである。拝金主義に染まった中国人漁師たちは、他国の領海だろうと、カネになる魚がいる限りは拿捕も覚悟で密漁し、中国政府はこれまで通り黙認することになるだろう。
 ただ、中国が侵出攻勢を緩めたようにみえるこの機を逃す手はない。まず、東シナ海での日本の海洋権益の確保に向け、
領海、排他的経済水域(EEZ)の基点となる離島の管理を進めることだ。
<中略>

 尖閣諸島沖で中国漁船が海上保安庁巡視船に体当たりした2010年の事件を機に、石垣市民は迫り来る中国の脅威を感じて、諸島の管理の見直しを求めている。周辺海域は豊かな漁場であり、海底資源が埋蔵されている可能性も高い。にもかかわらず、政府は尖閣を無人島のまま放置している


 ≪島や岩の活用と管理を進めよ≫

 政府は尖閣諸島の現状を把握する調査を実施し、諸島を有効活用して、実効支配を強めなければならない。魚釣島、久場島、南小島、北小島で政府が借り上げている民有地と、国有地である大正島の利用を進めるとともに、「岩」と呼ばれている飛瀬、沖の南岩、沖の北岩を、「島」としての名称に変えて管理する必要がある。
 土地の登記も重要である。国連海洋法条約によると、岩ではEEZ設定の主張が認められないので、人が居住し、あるいは経済活動を行う島にする必要がある。
管理が行き届いていない岩を「中国漁民」が占拠
すれば、フィリピンが領有権を唱えるスプラトリー(南沙)諸島のミスチーフ岩礁のように中国に奪われかねない。
 先のシンポジウムでは、東シナ海の海洋開発、海洋環境保全、水産振興などの議論に200人もの市民が真剣に耳を傾けていた。
海洋国家、日本の国境は、石垣島のような国境地域の島で暮らす人々に支えられている。島の人々が安心に、そして豊かに暮らせる現地社会を作ることこそ、日本の海洋権益確保につながるのである。(やまだ よしひこ)


 中国漁船による巡視船「よなくに」「みずき」への衝突事件が起きたのは2010年 9月でした。近海の漁期ということもあり、2011年も大挙して中国漁船の来襲が予測されましたが、11月のハワイでのAPEC、インドネシアでのASEAN & EASでの中国包囲網構築が予測されたせいか、来襲はありませんでした。
 日本への観光客も、復活させています。(春節の来日観光客は過去最多だとか。海外旅行の行先では日本が約50%でトップなのだとか。)
 お正月早々の、「世界華人保釣連盟」の尖閣を目指した二度の出港がいずれも香港当局によって制止されました。
 
対日抗議活動、華人団体、尖閣へ出航後に中止 2012/01/03(火) 21:56:59 [サーチナ]
 華人団体、尖閣上陸試みるも香港当局が阻止 ネット上に声明―中国 (サーチナ) - Yahoo!ニュース

 しかしそれは、山田先生が指摘されておられる通りで、一時的なものに過ぎません。領海、領空への接近は実績を着実に積み重ね、ニュースにならなくされるほどになり、新手も登場させていますね。
 
中国の尖閣への進出 じわりと新手 - 遊爺雑記帳

 領海侵犯に対する法整備が叫ばれていますが、一向に進展する気配がありません。与野党ともに怠慢と言わざるを得ません。
 山田先生のご指摘のEEZに関連する島の管理も、去年の6月に枝野氏が「最大限のスピードで行うよう指示したい」と国会答弁していましたが、最近でも着手するとかしないとかのニューに接するレベルです。

 鳩、菅の民主党政権の、口先だけで行動が無い実態は既に衆知となりました。野田政権では、防衛大臣は党内事情の派閥均衡のためのポストに充てられる始末で、国防への取り組み姿勢は期待できません。
 国防のポストの力を削いで、どんな国を創ろうとしているのか、中国、韓国、ロシアに日本の国土を盗り放題に提供しようとしているのでしょうか。

 尖閣が狙われているのは、素人の遊爺でも解るのですから、政府が知らない訳はないでしょうに、尖閣への対策は遅々として進みません。と言うより、放置されています。
 せめて、お金のいらない法整備や管理の強化だけでも迅速に進めていただかねば、日本の領土(島嶼=広大なEEZ海域)は本当に近隣国にとられ放題になります。





# 冒頭の画像は、魚釣島に上陸し映像を撮影する仲間石垣市議



  この花の名前は、松虫草  撮影場所=六甲高山植物園

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日本は国境を守れるか (プレイブックス・インテリジェンス)
続 中国の海洋戦略






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