遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

東アジア首脳会議 日本への信頼を取り戻せるか

2010-10-27 21:26:33 | EEZ 全般
 明日(28日)から、ASEANに、日中韓やインド、豪州、さらに今回新規追加を決議する米露も参加した首脳会議が始まります。
 注目されるのは、南シナ海へ覇権を拡大する中国と、それに対抗するASEAN諸国とその応援団の対話。ベトナムが主導してASEAN各国が団結して中国と交渉しようとしていること、東シナ海のガス田や尖閣諸島をめぐり中国の攻勢にさらされている日本も、団結して中国の脅威に対抗すべき絶好の機会であることは、遊爺だけでなく、多くの方々が唱えておられることですね。

 経済と軍事力で、世界No.2にのし上がろうとしている中国は、その両方を陰に陽に使って強引に領海、領土を拡大してきていますが、それを制止するには、国際世論の力が望まれています。ありていに言えば、1国だけではその力をせき止め難いところまで強引になってきています。ベトナムの主導で団結することで、ASEAN各国も発言し始めているようですね。
 
緊張する東南アジア(上) 安全保障 中国に対抗「一枚岩」米露引き込みも狙う (10/27 読売朝刊)

 ハノイで28日から開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)の一連の会議では、海洋覇権を強め、経済的な支配力も増す中国の問題が主要議題の一つとなる。ASEANはいかに、その中国と向き合おうとしているのか。現状を報告する。

 インドネシアの国連代表部は今年夏、中国政府が昨年5月に各国に回覧した南シナ海に関する文書について、「国際法上の根拠はない」とする書簡を潘基文事務総長に提出した。
 本紙が入手した書簡によると、中国政府は文書に付けた海図で無人の岩礁や環礁などの主権を主張。南沙(スプラトリー)、西沙(パラセル)両諸島などを収める南シナ海のほぼ全域を排他的経済水域(EEZ)と線引きしている。インドネシア政府は「(海洋秩序を定めた)国連海洋法条約を無効とするに等しい」として断固反対した。
 同国外務省の当局者は「中国の主張通りになると、我々のEEZはほぼ中国のものになってしまう」と反発するが、意思表示が1年以上も遅れたことについては、南シナ海が国際問題化する前だっただけに「当時の政治状況から困難だった」と述べ、1国で中国を相手にする難しさを認めた。
 インドネシア領ナトゥナ諸島沖合ではすでに、警備の海軍と中国漁船のにらみ合いが繰り返されている。同当局者は「事実上の海軍艦船である『漁業監視船』に保護された中国漁船を拿捕するのは至難。現状では操業を座視するしかない」とこぼす。
 軍事力で中国に劣勢のASEAN各国は今年、南シナ海問題で結束を強め、中国への対抗軸として米露を引き込みながら、安全保障面での中国の脅威を払拭しようとしている。今会議でも「国際ルールに基づいた平和解決」を強く主張する考えだ。フィリピンのアキノ大統領は9月、「中国が南シナ海で威張り散らすようなら、一枚岩で立ち向かう」と強調した。

 政権交代の起きる前、まだ1年前ですが、東シナ海のEEZの境界線でガス田の開発を共同開発するとかしないとかの交渉をしていました。尖閣に対しては中国の一方的な声はありましたが、遠吠えレベルで、外交の課題はEEZの境界でした。それが、一気に尖閣の領有権が侵されかねない事態を迎え、世界の認識も恫喝に屈する日本をイメージづけ、東南アジアの諸国からは信頼を失いました。鳩の日米同盟のひび割れ発生に続く、管政権の大失政が、日本はアジアの一方の雄として頼れないとの評価がひろまりました。
 無策で、場当たり対応の民主党の安全保障政策は、完全に中国ペースでほんろうされ続けていて、とても民主党政府だけでは対抗できそうもなく、アジアの国々との連携と、失地回復が望まれ、横浜のAPECまで続く一連の国際会議での起死回生の外交手腕が問われています。
 しかし、ベトナムをはじめとするASEANでは、米国はもちろん、ロシアまで引き入れて中国をけん制する作戦です。
 
南シナ海領有権で攻防 アジア首脳会議あす開幕 (10/27 読売朝刊)

 【バンコク=深沢淳一】東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓、インドなどを交えた一連の首脳会議が28日、ハノイで開幕する。南シナ海の領有権問題で中国と対立するASEANは、30日の東アジア首脳会議に米露を招待しており、アジア地域の主導権を巡る駆け引きが活発化しそうだ。
 会議は28日のASEAN首脳会議でスタートし、3日間にわたって、ASEANと日本、韓国、中国との各首脳会議、ASEANプラス日中韓、東アジア首脳会議などが行われる。
 このうち、ASEANと日中韓、インド、豪州など計16か国で構成する東アジア首脳会議には、メドベージェフ露大統領、クリントン米国務長官も出席し、来年からの米露の正式参加を決める。アジアで影響力を強める中国に対し、米露も参加を機に安全保障や経済分野の関与を強めたい考えだ。会議参加国を軸に市場統合構想を描く
日本は存在感が低下する恐れもある。
 中・ASEAN首脳会議では、ASEAN側に「中国警戒論」が強まる中、ASEANが主張する南シナ海問題の平和的解決に向けたルール作りに合意できるかがカギだ。期間中、菅首相と温家宝・中国首相の会談も行われる見通しだ。

 当然中国も座してみているだけではなく、領土問題で直接の利害のない、タイに経済&兵器支援を決定し、タイに「南シナ海の領有権問題は2国間での議題。タイ政府はASEAN全体の議題にすべきでないと考える」と言わしめ、中国包囲網の分断への活動を始めています。

 日本が行うべきは、失った信頼回復と、中国包囲網への参画それも、インド、豪州とともに自由主義陣営の大国としてのリーダーシップを発揮しなくてはなりません。また、自らの失政で招いた崖っぷちで踏みとどまり反攻するチャンスとして全力を集中しなくてはなりません。
 外務省をないがしろにし、仙谷氏の私的ルートを使うなど、政治を密室で私化している管・仙谷両氏ですが、我が国の浮沈の岐路に立っている今、官僚の英知、野党が持つ経験と実績の知恵や人脈など総動員をしてこの国難を乗り越えていただかねばなりません。
 国内でもパフォーマンスや掛け声だけのマニフェストの嘘が次々露呈していますが、外交ではそうやすやすとはだませませんし、なによりも実行、実績が求められます。政権のためでもなく、もちろん民主党のためでもなく、国民と国益のためを最優先にした行動が望まれます。




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中国人民解放軍の正体―平和ボケ日本人への警告!!
 
続 中国の海洋戦略


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