遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

宮本駐中国大使

2006-03-25 23:56:45 | EEZ 全般
 在中国日本大使館(ホームページの表現)の大使は、阿南惟茂大使から、宮本雄二大使(沖縄担当大使)に変わっています。(3/3付)
 Doblog - 山村明義の国際政治事件簿 - チャイナ・スクール宮本雄二氏が中国大使に就任
Sankei Web 産経朝刊 大使に宮本氏、後方は非チャイナスクール組 対中外交に総力体制(02/25 05:00)

 チャイナスクール(中国語研修組)組が続く事になったのだそうですが、中国の政治・軍事的な台頭に伴って、「中国が国際社会で巻き起こす問題は、日中二国間関係や東アジア地域情勢という限定的な形で把握しようというのはもはや不可能になっている」(外務省幹部)とのことで、外務省のアジア大洋州局中国課は、チャイナスクール組ではない人事を予定していて、対中外交に総力体制を敷くのだそうです。

 宮本大使は、3/1に沖縄大使の離任記者会見をし、米軍普天間飛行場のキャンプ・シュワブ沿岸部への移設案について、「関係者が必死に話し合いを続けている段階だ。そう簡単に(政府と沖縄側の)溝が埋まらないように見えるが、対話の努力を続けることで、溝が遠くない将来に埋まると強く期待している」と述べ、話し合いによる事態打開への期待感を示し、また、「政府は中国を脅威と認識していない。能力と意思が重なって初めて脅威になるが、(中国は)顕在化した脅威ではない」と述べ、脅威との見方を否定したのだそうです。
 対話努力の継続を 宮本大使離任会見 琉球新報~沖縄の最新ローカルニュース

 3/24の産経朝刊に単独インタビュー記事が載っていました。
 
●首脳会談、外相会談が開催できない日中関係について
  厳しい現状だが、経済関係、人の交流が増大しており、言われているより厳しくない認識。ただ、双方の悪化した国民感情の修復には相当の時間とエネルギーが必用。

●まず何をされるか
  たくさんの中国人と会い、出来るだけ中国をまわる。そんなにゆっくりしていられない。

●靖国参拝批判について
  国民から選ばれた小泉首相が決めた参拝の方針なのでそのなかで中国との関係をさらに発展強化させる。次の首相についても、民主的プロセスを経て首相になった方が決めることで、大使としては、その中で一番良い結果をもたらすよう尽力する。

●円借款見合わせ
  いろいろな受け取り方を中国側がする可能性はあるが、実務的に淡々とやっていく

●東シナ海の石油ガス田共同開発
  『平和の海』ということでわれわれは交渉している。その可能性が尽きる最後まで努力をするのが当事者だ。

●軍事力の不透明さ
  私が担当(軍備管理・科学審議官)のころから比べれば、少しは開示するようになったが、不十分だ。国際社会の中で中国にとって好ましくないイメージの多くは、軍事力の不透明さからきている。透明さの増大をおおいにやってほしい

●対中外交の最前線に立ち、日本国内に期待することは
  等身大の中国をみながら仕事をする必用がある。同時に中国も等身大の日本をみてほしい。相互理解は不十分だ。そこを埋めていく努力が必用だ。ぜひ『オール日本』で努力したい


 チャイナスクール組が日本にあるように、中国にはジャパンスクール組があるのです。日中間で摩擦がおきると、彼らが意思疎通させ問題解決にあたってきていました。ジャパンスクールは外務省のトップになれないという大方の見方を裏切って、1998年 3月に唐家璇が外務大臣に就任しました。しかし、江沢民の98年11月の訪日での共同宣言作成やその後の外務省内の会議で日本を批判するなど、最高指導者の方針には従うのでした。
 チャイナスクールにたいしても、「中国べったりだ」と省内で徒党を組んだ「マフィア」などの批判が国内であるのだそうです。実際には、いろいろな見解をもった人が多く、中国に対し厳しい意見を持っているひとも少なくないそうですが。(中国はなぜ反日になったか)
 互いに脆弱な立場のチャイナスクールと、ジャパンスクールですが、人の繋がりが重視される日中外交では、是非その力を発揮して頂きたいし、そういう方々がしかるべき立場に就任されることは、望ましい事と考えます。
 バックにチャイナスクール以外を配置し総力を結集する。『オール日本』で努力する。とは、どういった意味なのか、短い記事からは、素人の私には理解できないのですが、安部官房長官が評価する、宮本新大使の知見と胆力に期待し、注目していきたいとおもいます。

 対中円借款は年度内の供与決定を見送りしましたが、北京五輪前の新規供与打ち切り合意をさらに前倒しまたは即時打ち切りの声も高まっています。
公明党・神崎代表は「あらゆる手段を尽くして日中関係改善の努力をしなければならない。先送りをして何の意味があるのか」と批判しています。(3/24産経朝刊)
 公明党は、防衛省昇格を逆転拒否するなど、小泉退陣にむけ、昔の野党時代に戻ってきつつある様に感じるのはわたしだけでしょうか?社民党に似てきた?
 円借款の決定見送り 『ガス田』などに対抗
 日本と中国の関係/日本の対中国円借款が3月に署名の可能性

 中国の金人慶財務相は、遺憾の意を表明しています。
 初の「日中財務対話」…人民元や円借款など議論 : 経済ニュース : 経済・マネー : YOMIURI ONLINE(読売新聞)/初の「日中財務対話」…人民元や円借款など議論
 
 世界の兵器輸入額の国別ランキングが載っていました。(3/24産経朝刊)
 1.中国       133.43億ドル
 2.インド       93.55
3.ギリシャ      61.05
4.アラブ首長国連邦  48.67
 5.英国        29.27
 6.エジプト      29.01
7.イスラエル     28.73
8.トルコ       28.00
9.韓国        25.61
10.オーストラリア   23.43

17.日本        15.39

中国は、ロシアを主要輸入先としていて、早期警戒機や対空ミサイルの購入決定などで空軍戦力を拡充すると共に、陸軍、海軍も兵器輸入に強い関心を抱いています。
 中国の国防費の実態は不透明で、その増大が東アジアの平和に大きな脅威となっています。(宮本新大使はそう認識していないのだそうですが)>
2位のインドも3位以下とは抜き出た輸入額ですが、中国の額はさらにかけ離れた巨額です。
 ロシアの輸出額と併せて、中ロの動きは警戒が必要と考えます。

 # 冒頭の写真は、二井 山口県知事と麻生麻生外務大臣の見交換(平成18年1月16日)の外務省ホームページの写真です。
  外務省: 麻生外務大臣の山口県及び広島県訪問(概要)

  
  

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中国はなぜ「反日」になったか
中国はなぜ「反日」になったか  胡錦涛の反日行動計画

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1 コメント

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新任の大使 (quator2005)
2006-03-26 00:46:07
 次の駐中国大使は政府、官邸の言うことを聞きそうですね。  もう自殺問題や亡命問題を起こさないようにお願いしたい。

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