遊爺雑記帳

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やはり「トランプ路線継承」ではなかったバイデン政権の対中政策

2021-05-14 01:33:55 | 米中新冷戦時代
 バイデン政権の大統領副補佐官(国家安全保障担当)、インド太平洋調整官のカート・キャンベル氏は、対中政策はオバマ政権の融和路線とトランプ政権の強硬路線の両方を組み合わせた内容だと発言。
 融和的すぎると批判されたオバマ政権の対中姿勢をバイデン政権が取り入れたことを、公開の場で認め、同時に、トランプ前政権の政策の“一部継承”を認めたことも明らかにしました。
 バイデン政権の対中姿勢が、硬軟の入り混じった“まだら模様”であることを公式に認めたことになり、中国側にとっては、バイデン政権の政策がトランプ前政権よりもソフトであることが確認されたわけで、米国に対してこれまでより積極果敢な攻勢に出ることも予測されると古森氏。
 
やはり「トランプ路線継承」ではなかったバイデン政権の対中政策 オバマ、トランプ両政権の混合で「よりソフトに」 | JBpress (ジェイビープレス) 2021.5.12(水) 古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授

 米国バイデン政権のアジア政策の中枢に立つ高官が、同政権の対中政策はオバマ政権の融和路線とトランプ政権の強硬路線の両方を組み合わせた内容だと発言した。

 
融和的すぎると批判されたオバマ政権の対中姿勢をバイデン政権が取り入れたことを、公開の場で認めるのはきわめて珍しい。同時に、トランプ前政権の政策の“一部継承”を認めたこともバイデン政権としては稀だといえよう。

 この発言は、
バイデン政権の対中姿勢が、硬軟の入り混じった“まだら模様”であることを公式に認めたことにもなる中国側にとっては、バイデン政権の政策がトランプ前政権よりもソフトであることが確認されたわけで、米国に対してこれまでより積極果敢な攻勢に出ることも予測される。

オバマ政権とトランプ政権の両方から「借用」
 
バイデン政権の大統領副補佐官(国家安全保障担当)、インド太平洋調整官のカート・キャンベル氏は5月4日「ウォール・ストリート・ジャーナル」がニューヨークで主催した、大企業代表たちが出席するシンポジウム形式の会議で演説した。

 キャンベル氏は、バイデン政権の対中・対アジア政策立案の中枢にいる人物である。演説の内容は、やはり対中政策が主体となった。

 キャンベル氏は
バイデン政権の中国へのアプローチについて、「オバマ政権の対中協力という努力と、トランプ政権の“中国に対抗”という強硬路線の、両方からの借用だと特徴づけられる」と述べた。バイデン政権の高官が、同政権の対中政策の一部がオバマ政権の政策からの借用であることを認めたのだ。

 キャンベル氏はこの演説で対中政策に関して
以下のような骨子を述べた。

・バイデン政権の対中政策は、オバマ大統領とトランプ大統領のそれぞれの中国に対する政策要素の混合である。
両方の政策の合成だともいえる。

・オバマ、トランプ両政権のそれぞれの中国へのアプロ―チには
英知が含まれているが、同時にそれぞれに矛盾も存在した。私たちバイデン政権としては、中国と共通の懸念を抱く課題について、中国と協力できる領域への関心を高めている。

バイデン政権は、中国に対して「攻勢的」と「防御的」の両方の措置をとっていくだろう。中国との競合では、テクノロジー分野への投資を強め、中国で活動する米国企業への中国側からの侵害を防ぐ手段もとることになるだろう。

オバマ政権の明らかな失策
 
キャンベル氏のこうした発言は、オバマ政権の対中政策が民主党識者たちの間でも不評だっただけに関心を集めた。2009年から2017年冒頭までのオバマ政権では、中国に対して友好的、融和的な関与政策がとられ、協力や協調が重視された。中国政府との間では多数の「戦略対話」が続けられた。

 一方、
中国の軍事膨張や人権弾圧に対して抗議を表明せず、とくに南シナ海スプラトリー諸島(南沙諸島)での軍事基地建設に対して実効力のある防止措置をとらなかった。こうした明らかな失策はトランプ政権から全面的な非難を浴び、米国の過去の対中関与政策の失敗宣言を生むことともなった

 バイデン政権では、今回の演説で注目を集めた
キャンベル氏をはじめ、ブリンケン国務長官、サリバン国家安全保障担当大統領補佐官など、外交首脳はみなオバマ政権において重要な地位にあった

 
バイデン政権では、その外交政策チームが中国の拡張主義や不公正な経済慣行、人権弾圧などを批判し、トランプ政権に似た強固な姿勢をみせる一方、気候変動、新型コロナウイルス対策、イランや北朝鮮の核兵器開発などの課題では中国との協力を求めるという姿勢をみせてきた。こうした硬軟織り交ぜたまだら模様の対中政策を、キャンベル氏は「オバマ政権とトランプ政権の政策要素の混合」と描写したわけである。

「軟弱になった」と共和党は批判
 なおキャンベル氏は5月4日のこの演説で、米中両国間の危険な発火点となり得る
台湾の問題について、以下の趣旨を語った。

中国政府は台湾問題に関して現状維持を保つべきだ。台湾が完全な独立を宣言するような方向には動いていないことを中国側は認識するべきだ。

バイデン政権は台湾への直接的な関与を深めることで支援を続けていく。台湾に必要な自衛能力への支援も継続していく。

 こうした
強硬路線と融和路線が混在するバイデン政権の中国への姿勢に対して、トランプ前政権の元高官などからは、「軟弱となったことで中国側を増長させ、米国に対する言動をこれまでよりも攻撃的にした」という批判がぶつけられている。

 キャンベル氏は5月4日、「ウォール・ストリート・ジャーナル」がニューヨークで主催した、大企業代表たちが出席するシンポジウム形式の会議で演説。
 バイデン政権の中国へのアプローチについて、「オバマ政権の対中協力という努力と、トランプ政権の“中国に対抗”という強硬路線の、両方からの借用だと特徴づけられる」と述べたと古森氏。
 以下のような骨子。
 ・オバマ大統領とトランプ大統領のそれぞれの中国に対する政策要素の混合である。両方の政策の合成だ。
 ・オバマ、トランプ両政権のそれぞれの中国へのアプロ―チには英知と矛盾が存在。バイデン政権としては、中国と共通の懸念を抱く課題について、中国と協力できる領域への関心を高めている。
 ・中国に対して「攻勢的」と「防御的」の両方の措置をとっていく。

 キャンベル氏のこうした発言は、オバマ政権の対中政策が民主党識者たちの間でも不評だっただけに関心を集めたのだそうです。
 中国の軍事膨張や人権弾圧に対して抗議を表明せず、とくに南シナ海スプラトリー諸島(南沙諸島)での軍事基地建設に対して実効力のある防止措置をとらなかった。こうした明らかな失策はトランプ政権から全面的な非難を浴び、米国の過去の対中関与政策の失敗宣言を生むことともなったと。

 バイデン政権の外交首脳はみなオバマ政権において重要な地位にあった。その外交政策チームが中国の拡張主義や不公正な経済慣行、人権弾圧などを批判し、トランプ政権に似た強固な姿勢をみせていると古森氏。
 一方では、気候変動、新型コロナウイルス対策、イランや北朝鮮の核兵器開発などの課題では中国との協力を求めるという姿勢も。

 こうした硬軟織り交ぜたまだら模様の対中政策を、キャンベル氏は「オバマ政権とトランプ政権の政策要素の混合」と描写。

 キャンベル氏は5月4日の演説で、米中両国間の危険な発火点となり得る台湾の問題について、以下の様な発言。
 ・中国政府は台湾問題に関して現状維持を保つべき
 ・バイデン政権は台湾への直接的な関与を深めることで支援を続けていく。台湾に必要な自衛能力への支援も継続していく

 強硬路線と融和路線が混在するバイデン政権の中国への姿勢に対して、トランプ前政権の元高官などからは、「軟弱となったことで中国側を増長させ、米国に対する言動をこれまでよりも攻撃的にした」という批判がぶつけられていると古森氏。

 オバマ政権時より強行路線に転じたトランプ政権の対中政策に、オバマ政権時の融和路線を混合させたのですから、トランプ時代より軟弱になるとは当然の話。
 そこに喜ぶのは中共の習近平。

 毎度とりあげている話ですが、中国が南シナ海で人口島建設を始めた時、太平洋軍司令官だったハリス氏が、対抗措置を提言しましたが、話し合いで解決するとしたオバマ大統領(当時)。
 結果は、習近平の「太平洋二分割統治論」で押し切られ、今日の状況を産んだのでした。
 第一列島線が第二列島線へ、さらには第三列島線構築に食指を伸ばす中共の習近平。
 日中のEEZ境界線でのガス田開発の共同開発協議は、尖閣諸島などにたいする「海警法」の施行で、勝手に施政権を主張するに至っていますね。
 尖閣諸島については、石原都知事(当時)が、国民からの寄付も募り、中山石垣市長とも連携し、都有化と実効支配実績諸策を推進しようとしましたが、カンカラカン(菅)の民主党政権が割り込んで国有化にレベルアップし中国を刺激。中国との実効支配実績競争(日本側は無為無策)が始まり今日に至っているのは、諸兄がご承知の事。
 EEZ境界線近海のガス田は、完全に中国に支配され、レーダーを設置するなど軍事施設化もされているのですね。
 尖閣については、直接的には当時の日本の民主党政権の失政ですが、以後、無為無策を継承してきた自民党政権も共犯。

 菅、バイデン両首脳会談では台湾侵攻(尖閣侵攻はセット)をエスカレートする対中抑止力への軍備強化が話し合われたようですが、具体策の実施がいそがれますね。



# 冒頭の画像は、日米首脳会談記者会見の様子




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