遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

日韓歴史共同研究

2010-03-25 00:38:58 | EEZ 全般
 第2期日韓歴史共同研究委員会の報告書が発表されました。
 中国との共同研究が、双方の主張を併記する形となっていましたが、韓国との間でも双方の主張のひらきは埋まらないようです。
 今回は、教科書についての議論が深められたのが特徴のようですが、これまで日本の教科書について話題となっていたところを、韓国の教科書についても俎上にならべ議論されたのは、双方を等しく比較する意味では、評価されてよいと考えます。
 
日韓歴史共同研究 未来志向なお過去重く 韓国側「反日」世論配慮か (3/24 読売)

 23日公表された第2期日韓歴史共同研究委員会の報告書は、教育現場の歴史教科書をめぐり、双方の歴史認識の隔たりの大きさを際立たせた。両政府は今、「未来志向」を目指すが、「過去」はなお重くのしかかる。(石川有希子、ソウル竹腰雅彦)
 
「共通の歴史認識」
 岡田外相は23日夕の記者会見で「歴史は非常に多様な見方が可能だから完全に一本化するのは困難だ」と指摘したうえで、「共通部分が増えていけば、それだけ相互の認識が近づく」と共同研究の意義を語った。
 これに対し、韓国側は「共通の歴史認識が必要だ」と当初から主張してきた。
 「韓国の歴史認識は基本的に植民地時代のままで、『反日』。国民世論にも配慮し、(議論は)日本側に同じ歴史認識を受け入れさせ、教科書作りをするのが狙いだった」。日本側委員は23日、不満をぶちまけた。

初の教科書研究
 歴史教科書をめぐる研究は韓国側の強い求めで今回初めて行われたが、多くの議論が平行線に終わった。
 日本側は戦後の韓国の歴史教育について、「日本的なものを『警戒』する構造が基底として存在する」と指摘し、「(韓国政権が)その払拭を達成できた事実はどこにも存在しない」と論じた。韓国側は「『反日教育』を政府が進んで主導してはいない」と反論。そのうえで、「
韓国の歴史教育は『侵略者日本』という史実的イメージを子どもたちに伝えてきただけだ」と言い切った。
 慰安婦問題をめぐっては、韓国側が「1930年代の植民地朝鮮で行われた大々的な慰安婦動員の事実は、多くの韓国人が『挺身隊』の動員と記憶している」などと記したのに対し、日本側は「『女子挺身隊』は軍需工場などでの勤労動員に限定される用語だ」「いまだに(両者を)混同したままという
重大な欠陥を有したままの立論だ」と反論した。
 竹島問題では、日本側が「近現代」史として、戦後の処理状況や交渉記録を分析したい、と提案したが、韓国側は固く拒んだ。「
韓国は竹島の領有権を日本と争っていることすら認めたくないのだろう」と、日本側委員は推測する。
 
「任那日本府」の認識では一致

 双方が一致した論点もわずかだがあった。
 時代区分が「古代」の「任那日本府」の存在をめぐってだ。日本列島から来た倭人が朝鮮半島を支配したかどうかをめぐる議論で、報告書では、日本側が「倭国の領土が存在したという理解は不可能だ」と記した。
 多くの韓国メディアは日本側が従来の主張を修正したと受け止めた。有力紙、朝鮮日報は報告書について、「日本の植民地史観の象徴とされ、朝鮮半島侵略を正当化した任那日本府説を日本自ら放棄したことが、最も注目される」と報道。
日韓の歴史議論の重要な転換点になるとの見方を示した。

アジア重視
 鳩山政権はアジア重視を標樗し、中国と韓国を核とした「東アジア共同体」の構築を目指している。今年は日韓併合から100年の年にもにあたり、双方は「センシティブで重要な年」だと認識している。日本側は23日、大々的な記者会見などは避け、この問題を政治問題化させないよう配慮したが、韓国側は記者会見で詳細に報告書の意義を説明した。相互理解を深めるには、「相違点も国民に率直に伝えるべきだ」との声が日本側でも出ている。

 
日韓歴史研究 相互理解を深める礎となるか (3/24 読売社説より抜粋)

 これまでは日本の教科書ばかりが俎上(そじょう)に載せられてきたが、今回は韓国側の教科書についても議論が交わされた。
 例えば、日本側からは、韓国の教科書に「日帝」という用語が多用されているが、誰を指すのか、「日本帝国主義者」なのかといった疑問が示された。天皇の称号が韓国の教科書では「国王」とされていることも問題とされた。
 
韓国側からも、韓国の教科書は先の大戦の記述が不十分といった率直な意見が提示された。

 韓国や中国は、折々の政権が自政権の維持のため内在する不満の目をそらすために反日を拡大させてきました。戦後も65年を経過した今も、反日教育を実施し、若者に意識を植え付け続けている両国ですが、その教育内容には自己都合で曲げられたものも含まれています。
 韓国の教科書を俎上に載せ、広く議論された(激論になった?)のは、ひとつの進歩といえます。
 それにしても、韓国の歴史教育の方針は、「『侵略者日本』という史実的イメージを子どもたちに伝える」ことだと言い切るものなのですねぇ。国と、歴史の科学者とが一枚岩で団結している様は、一党独裁の中国なら理解できますが、自由主義国での愛国心の賜物と、感心させられます。勿論、戦争の爪あとが深く強いということでもありますが。

 韓国は、「共通の歴史認識」を強調しています。その歴史認識とは、自国の歴史認識を強要しているのです。「慰安婦」と「女子挺身隊」を誤認している例にあるように、自国の都合で勝手に描いた歴史認識です。
 日本側では、この韓国の姿勢が続く限り共通認識をもつことは困難とサジを投げ出しています。

 竹島については、議論することさえ避ける姿勢のようですが、韓国がこのまま誤った歴史教育を続けていけば、その教育で育つ若者が増えつづけることとなります。
 同一の歴史認識は無理なのですが、相違点を明らかにし、現状の相互の内容を理解しあい、将来の歴史の中での議論を待つことにし、未来に向かった両国関係を考えていく方向に力を振り向けることができないかと、この共同研究委員会に甘く淡い期待を持っています。




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 竹島は日韓どちらのものか 日本は国境を守れるか

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1 コメント

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Unknown (むじな)
2010-03-31 13:32:01
竹島にせよ北方四島にせよ、大日本帝国が戦争で敗れた結果、かつての日本の領土がご破産になって、周辺の離島があいまいな状態になって、米軍が進駐しなかったところに韓国やソ連が入っていったというだけです。
ドイツだってそうやってポーランドにたくさん領土を取られているんだから、いまさらそんなことをいっても意味ありません。

幸い沖縄と小笠原と尖閣は米軍が進駐したので他国に取られることはありませんでしたが。

だとしたら、責めるべきは北方四島と竹島に進駐しなかった米軍にあるのでは?

敗戦で、周辺離島の境界線は曖昧になったんだから、先にとったほうが勝ちなのです。
それが国際政治の現実。

負ける戦争をするほうが悪い!

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