遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

福島第一 米・仏の指導受け入れへ

2011-03-29 23:35:45 | 東日本大震災
 原子力安全委員長(=日本の原子力の最高権威)の斑目氏は福島原発の現状を、「想像よりも、どんどん先にいっちゃっている」と、ギブアップ発言しています。こうなったら、米国に指揮をとってもらうしかないと思ったのですが、政府と東電が、それぞれに米と仏に支援を請うていました。
 どうしてバラバラなのか、バラバラに頼んでせっかく支援に来ていただいて、統率がとれた効果が得られるのかと心配ですが、日本の権威がギブアップしているのですから、世界中の英知を集結するしかない深刻かつ緊急事態ですね。
 
日米原発対応4チーム 官民参加放射能遮蔽、廃炉など (3/29 読売朝刊)

 日米両政府が東京電力福島第一原子力発電所事故への対応で連携を強化するため、合同の連絡調整会議を創設し、その下に課題ごとの検討・作業チームを新設したことが28日、明らかになった。日米双方の政府高官や原子力専門家、自衛隊、米軍のほか、東電や原発関連企業も参加し、日米同盟を背景に総力戦の態勢
を築く狙いがある。
 検討・作業チームは、①放射性物質の拡散を防ぐため、早急な取り組みが必要な「放射性物質遮蔽」②中期的に原発を安定化させる「核燃料棒処理」③長期の対策となる「原発廃炉」④住民の健康管理など「医療・生活支援」━━の四つだ。「医療」以外の3チームはすでに発足しており、「医療」チームも近く設けられる。細野豪志首相補佐官が4チームの取り組みを総括する。
 連絡調整会議は22日に本格稼働し、毎日開催している。米側は米エネルギー省と米原子力規制委員会(NRC)、米軍、在日米大使館が参加。28日夜の調整会議には、同日来日したNRCのグレゴリー・ヤツコ委員長も出席した。

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検討・作業チーム
①放射性物質遮蔽
 壊れた原子炉建屋などの遮蔽、原子炉への真水注水、放射性物質の観測・分析など
②核燃料棒処理
 原子炉内の核燃料棒や、使用済み核燃料の最終処理など
③原発廃炉
 がれき除去など作業用ロボットの活用、原発関連専門企業の支援のあり方など
④医療・生活支援
 原発から20?圏内の汚染除去、住民の定期健康診断、飲料水の安全確保など
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 原発ルネッサンスの世界の流れに冷や水をかけた福島第一の事故は、被害の拡大を防げるか、安定冷却状態に回復できるかを世界中が注目するとともに、共通の課題と認識して事態の改善への協力をいとわない体制を準備していました。
 ようやく門戸を開いたことで、世界各国からの不信感も払しょく出来るでしょう。日本は隠しているのではなく、事態の進行の後追いで精いっぱいで、狼狽しているだけ(=斑目発言)だとも解ってもらえるでしょう。
 米・仏の原子力の世界最先端の叡智が結集され、日々悪化の情報がもたらされているこの数日の状況が改善されることを願っています。

 「英雄フクシマ50」(今は、580)の皆さんの作業環境が報じられました。驚きです。
 福島第一原発から南約50キロメートルの小名浜港に被災者支援の為入港した、航海練習帆船・海王丸で、復旧作業にあたっている数十人の技術者が食事や睡眠をとったという報道で、命がけの過酷な作業への支援もなされていると安心していたのですが、とんでもない、食事も飲み物も、睡眠場所も不足する惨憺たる環境に放置されての現場作業が続いているのです。
 このギャップは、どういうことなのでしょう???
 
原発作業員 当初23時間勤務風呂、着替えなし (3/29 読売朝刊)

 
28日、経済産業省原子力安全・保安院の記者会見などで明らかになった東京電力福島第一原子力発電所の作業員らの過酷な労働環境。限られた食事、高い放射線量の中、危険と隣り合わせの修復作業が続く。

■日課
 原子力安全・保安院福島第一原子力保安検査官事務所の横田一磨所長(39)は22~26日、作業員への指示を行ったり、作業員らが食事や睡眠を取ったりする免震重要棟の「緊急時対策室」に滞在、28日会見を開いて状況を報告した。
 免震棟は地震の揺れを軽減できる構造で、昨年7月に利用が始まった。東電によると、2号機で爆発が起きた15日には、
東電と協力会社の作業員や技術者計約800人のうち、原子炉への注水を行う約50人を除いていったん所外に避難した
が、その後は270~580人程度が所内にいる。
 横田所長によると、作業員らは、毎日午前7時にミーティングを行い、各原子炉の状況や作業手順を確認。午前10時頃から午後5時頃まで作業を行い、免震棟に戻って夕食となる。就寝は午後10時過ぎ。夜勤の作業員は寝ずに、計器の数値を監視する。
 
1日2回の食事のうち、朝は1袋+数枚入りのビスケットを2袋に野菜ジュース。夕食は、水を入れて発熱剤で温められるワカメご飯や五目ご飯、キノコご飯やドライカレーなどと鶏肉やサバの缶詰1個。飲料水は1人1日1・5リットル配られているが、貴重なため、手洗いはアルコールを使っている。風呂やシャワーは使えず、着替えもほとんどない

 
救援物資の増加も検討されているが、周辺の放射線量が高いため、ヘリコプターでの輸送はできず、東電のバスで運搬
している。
 東電の現地のリーダー格の男性職員は
当初、「乾パンで飢えをしのいだ。わずかな仮眠で仕事を続け、乾パンをかむ力もなくなってきた。お茶が飲みたい
」と訴えていた。
 東電関係者は「原発のそばで放射線量が高く、換気の必要な調理はできない。室内でも通常はマスクをしている状態で、食べ物もできるだけ空気に触れない方がよいとの判断から、封を開けてすぐに食べられ、カロリーの高いものにしている」と説明している。

■士気
 
夜は冷え込んで寒いが、対策室や廊下で雑魚寝
となる。対策室は約35層四方で"すし詰め状態"。イスを並べて寝る作業員もいる。
 地震が発生した11日から所内に詰めていたという東電社員は、当初は23時間勤務して1時闇の仮眠を取る程度だったという。
 屋外の放射線量は依然として高い。このため、免震棟の床に鉛のシートを張るなどして、建物の内部の放射線量を毎時2~3マイクロ・シーベルトに抑えている。
 タービン建屋にたまった水などから高い放射線量を測定していることもあり、横田所長は今後の作業では、「水たまりを避けるなどの注意が必要だ」と話す。
 作業員は交代があるが、「幹部は(現場を)離れるのは難しい」(横田所長)状況だという。
夜のミーティングの終わりには、東電社員の「がんばろう」のかけ声とともに一本締めで、士気を高めている
という。
 東京女子大の広瀬弘忠教授(災害・リスク心理学)は「重要な仕事をしている割には、作業員に対する支援が不十分。食事や睡眠が不足している状態では作業の効率が落ちるし、ミスが発生する可能性も高くなる」と指摘。ビタミン剤などの栄養補給剤を提供することや、寝袋を用意することを提案している。

 この状況ではミスが生じるのは当然でしょう。原子力安全・保安院も安全のプロなのですから、ミスの再発防止策検討の命令をするだけ(生じたミスに改善しろと命令を出すだけなら小学生でもできる)でなく、環境改善策を考案し政府の力で実行するべきでしょう。
 交代で「海王丸」で休息できるようにすべきですし、「海王丸」へ物資を補給すべきです。
 
原発作業員、震災後初の温かい食事-小名浜港停泊の「海王丸」で - Bloomberg.co.jp

 作業に入っているメーカーの人材は、全国から人を集めていると報道されていました。放水作業を続けている消防も全国の消防が応援に出かけて負担の分散を図っています。
 一旦は非難した協力会社の人々も、複雑な思いを抱きつつも、戻ってこられているようです。
 が、全国の原発から人が応援に出かけているとの報道には接していません。それぞれで、訓練しているといったところまでです。
 復旧は人海戦術で行われており、被爆量を分散するために人手が必要なことはいまさら言うまでもないことです。
 他の原発からの人的応援は出来ないのでしょうか?外国に応援を頼みながら、国内の原発同志での横のつながりがない...?不思議な業界ですね!




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1 コメント

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Unknown (ww)
2011-03-30 12:07:37
原発作業員らは24時間暴力団に監視されたタコ部屋で、外部との連絡を絶たす!!辞めても暴力団の監視と「喋ったら殺すぞ」の脅迫!!

「そこです。被爆で死んだものも相当いますよ。ですが、作業員や清掃員は親や兄弟たちとも連絡を取らないものばかりを集めていますが、タコ部屋で24時間暴力団に監視されており、携帯も取り上げています」

「彼らは辞めることはできるんですか?」

「もちろん。ですが、辞めても機密保持が付いて回りますし、厳しい監視は続くんです。作業員が辞めて地元や元の街に帰っても、その地元の組織に監視させればいいんですから・・・もちろん、言葉で脅しもしますよ」

「怖ろしいね」

「考えてもみてください。これまで原発の作業員たちがマスコミに登場したことがありますか?まったくないと言っていいでしょ。先日、どこかのテレビで顔を隠した男が出ていましたが、あれは本当かどうか。本物だとしてもほとんど何も喋っていなかったでしょ。口にしたら終わりなのを知ってるからですよ。もちろんテレビも喋ったことがあってもあれ以上は報道できないですが。アハハ」

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