遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

経済ピンチのロシアへ中国が力の及ぶ限り支援提供

2014-12-26 23:58:58 | ロシア全般
 原油価格暴落に伴いルーブルの暴落に追い込まれ、日本や欧米諸国からのウクライナ侵略に対する経済制裁と併せ、ロシア経済がピンチに陥っていることは、諸兄がご承知の通りです。
 そのロシアの窮状に、中国が「中露両国は一貫して相互支持、相互支援(の関係)だ。ロシアが必要とするならば、中国は力の及ぶ限り必要な支援を提供する」と述べたのだそうです。
 

中国、露に経済支援意欲 ルーブル暴落 通貨スワップ拡大か (12/26 読売朝刊)

 
【北京=五十嵐文】ロシア通貨ルーブル暴落で経済が悪化するロシアへの支援について、中国外務省の華春瑩副報道局長は25日の定例記者会見で、「中露両国は一貫して相互支持、相互支援(の関係)だ。ロシアが必要とするならば、中国は力の及ぶ限り必要な支援を提供する」と述べた。

 香港フェニックステレビによると、高虎城ガオフーチョン商務相は通貨危機時に互いに
通貨を融通し合う通貨交換(スワップ)を拡大
したり、2国間貿易で人民元の利用を増やしたりすることが効果的だと語ったという。
 中露間の通貨スワップ協定の枠を現行の1500億元(約2兆9000億円)から拡大する案など、中国が対露支援に乗り出すとの見方が強まっている。欧米の経済制裁で孤立を深める
ロシアへの支援を通じて欧米主導の国際経済秩序に対抗し、人民元の影響力を強めていく狙い
とみられる。
 中露両国は10月にスワップ協定を締結した。中国はロシアのウクライナへの軍事介入を巡る欧米の経済制裁には参加していない。戦後70年に当たる来年に向けて歴史問題などでロシアと共闘する姿勢を強めている。

中国人のロシア旅行急増 割安品求め 輸出業者は悲鳴

 【北京=五十嵐文】ロシア通貨ルーブルの暴落がロシアと関係を深める中国の国民生活や商取引に影響を与えている。
中国国内より割安となった有名ブランドの化粧品や携帯電話を目当てに中国人のロシア旅行が増える
一方、ロシア向け輸出業者への打撃は大きい。
 中国最大手旅行サイト、シートリップによると、今月のロシア旅行の申し込みは、11月に比べて5割増となった。同社の営業担当者は「例年、冬はロシア旅行のシーズンではないが、今年はルーブル急落で現地での買い物が格安になったことが大きい」と分析する。
 中国のインターネットでは、中国人貿易商や留学生がロシアで購入し、中国に持ち帰ったとされる高級ブランド品の販売広告が目立つ。ロシアと取引のある中国人貿易商は「米アップル社のiPhone(アイフォーン)6なら中国国内より1000元(約1万9000円)程度安い」と話す。
 一方、毛皮などロシア向けの服飾輸出業者が集まる北京市内の「雅宝路」では、買い付けに訪れるロシア人貿易商の姿が減った。子供服専門卸商の陳麗梅さん(35)は「売り上げが50%以上落ち、店を閉めた友人もいる」と語った。


 中国の狙いは、記事で書かれている中露関係の緊密ぶりのアピール、欧米主導の国際経済秩序に対抗し、人民元の影響力を強めていくことですね。
 また、戦後70年となる来年の歴史問題での反日キャンペーンに、さほど積極的ではないロシアを巻き込んで共闘する狙いもあります。
 言葉を変えれば、中国の支援で、ロシアを中国の傘下に跪かせることですね。
 勿論、プライドの高いプーチンが、中国の麾下に傅くのは本心ではありません。ロシアの反応の情報が見つかりませんが、苦境のなか歯ぎしりして屈辱に震えながらも耐えて、支援を受け入れざるを得ない現実を受け入れていることでしょう。

 つまり、面従腹背は明らかで、歯止め策を模索しているはずです。中国共産党が、国共戦争で勝利し国民党を台湾に追いやり、政権を横取り出来たのは、ソ連の支援のおかげであり、帝政ロシア時代の繁栄を取り戻す目標を持つプーチンが、その中国の風下に立つことを良しとするはずがありませんね。
 ロシアの対中外交の対抗策は日露関係の距離です。日本に対し、何らかのコンタクトを求め、対中外交の情勢への歯止め策を講じるはずです。
 G7との制裁協調、力での現状変更を認めない日本の基本姿勢から、日本の対応は制限されますが、逆に千載一遇のチャンスでもあります。
 かつて経済不調のロシアで、日本の支援を求め、エリツィンが北方領土の交渉に軟化姿勢を示していたことがありました。プーチンがそこまで折れるかは楽観できませんが、対中歯止め策が必要に迫られることになっているのも事実です。
 今後のプーチン大統領の外交戦術が注目されます。



 # 冒頭の画像は、北京APEC首脳会議(11月)で会談した、安倍、プーチン両首脳




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ソ連が満洲に侵攻した夏 (文春文庫)




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