遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

米下院外交委員会 尖閣問題に日本より深刻な切迫した危機感

2012-09-20 23:55:26 | 東シナ海尖閣諸島
 中国反日デモは、政府の規制強化で鎮静化してきましたね。報道でしか知ることは出来ないのですが、まるで嘘のような静寂と空しい後片付けや清掃の姿が祭りの翌朝のけだるい風景と重なって見えるのは、遊爺だけでしょうか。脚本・演出は誰だつたのでしょう。日本への圧力を強める口実を求めた胡錦濤政権、次期新政権の主導権争いの劣勢に一発大逆転を賭けた習近平・太子党+人民解放軍、格差社会・就職難にあえぐ若者(鍛えられた屈強な輩が多い様な)?
 連日テレビも新聞も大きく取り上げてくれることで、中国の脅威が広く日本国民に知られることとなりました。それでも、想定以上の中国の反応で驚いたと公言する首相を始めとして、中国と話し合って解決をとか、何もしないで中国が言っていた先送りすをれば良いとか、中国が「核心的利益」と定義し長期戦略で段階的にエスカレートさせている侵攻を、茹でガエルの様な鈍感さがはびこっている日本です。
 これに対し、米下院の外交委員会は、深刻に、切迫した危機としてみているようで、日本は真剣な懸念を抱くべき、「防衛費の増額」「米国との共同防衛の強化」そして「尖閣諸島の独自の防衛」と言った要請の声が出ているのだそうです。
 

尖閣危機 日本より切迫感 (9/20 産経 【あめりかノート】ワシントン駐在編集特別委員・古森義久)

  
「中国は海洋紛争の関係諸国に対し好戦的な暴漢のようにふるまい、とくに日本に向かって官営メディアやブログが国内の反日感情をあおり、各都市で反日暴動まで起こしているが、米国はあくまで同盟国としての日本を支援します」

 日本側としては、ほっとさせられる言明だった。米国連邦議会の下院外交委員会がつい先週、開いた
南シナ海などでの中国パワー拡張についての公聴会だった。その冒頭で委員長のイリアナ・ロスレイティネン議員が中国の南シナ海から西太平洋での行動を無法だと非難し、その軍事の攻撃や威嚇には米国海軍を使っても日本やフィリピンを守る
とまで明言したのだ。
 オバマ政権の高官たちの「尖閣には日米安保条約が適用される」という無機質な言明にちょっと息を吹きこむと、こうなるのか。伝統的に同盟の絆を重視し、しかもいまは野党の共和党の議員だから、こうした日本擁護の強い言葉が出るのか。
 だがオバマ政権と同じ民主党の同外交委筆頭メンバーのハワード・バーマン議員からも意外に強い見解が表明された。
 「
南シナ海などでの今回の緊迫は中国側が一方的に火をつけました。中国の領有権主張はいつも膨張的で根拠が不明確なのに、いままたさらに攻撃的、挑発的となった。オバマ政権は中国のアジア海域での覇権の拡張を許さない
でしょう」
 中国側の反日の部分にも鋭い批判がぶつけられた。中国政府の人権弾圧を長年、糾弾してきた共和党のクリス・スミス議員の発言だった。
 「中国の独裁政権は反日をあおるために、インターネットの検索でも『拷問』というと、戦時の日本軍の残虐行動の事例だけが山のように出るようにしています。古い出来事を昨日のことのように提示し、自分たちの現在の拷問はすべて隠す。
日本はこうした動きに真剣な懸念を抱くべき
です」
 米国側はこの種の領有権紛争にはもちろん超党派で平和的な解決を求めるが、この公聴会は
尖閣を含む中国がらみの海洋紛争をすでに軍事課題に近い位置づけ
をしていることが明白だった。ロスレイティネン委員長も冒頭の声明で「中国の西太平洋までもの覇権の追求のために海洋での軍事衝突の可能性が確実に高まってきました」と述べていたのだ。だから南シナ海、東シナ海での米軍の戦力強化もしきりに論じられた。
 その過程でロバート・ターナー(共和党)、ジェラルド・コナリー(民主党)、ブラッド・シャーマン(同)の3議員から
はっきり日本の名をあげての「防衛費の増額」「米国との共同防衛の強化」そして「尖閣諸島の独自の防衛」の要請
がなされた。
 証人として発言したトシ・ヨシハラ米海軍大学教授は「尖閣防衛の主責任は当然、日本にあり、万が一の中国の尖閣攻撃には
日本が最初に自力で対処して、反撃しなければ、日米共同防衛も機能しないでしょう」と述べ
た。こうして最悪の事態の軍事衝突を想定して、その対処への能力の強化を語るのは、軍事の強固な備えがあれば、軍事攻撃が防げるという抑止の思考からだろう。

 こうした米国議会での尖閣に触れる議論は政権の公式言明よりはずっと米側全体の本音に近いだろう。その本音は
尖閣紛争を日本側よりもはるかに深刻に、切迫した危機としてみているように思えるのだった。

 デモの如何にかかわらす、第二列島線までの制海空権を確保するための尖閣=旧琉球の沖縄、更には日本をチベットやウィグルの様に併呑し属国化する戦略を持つ中華思想の国は、日本や世界の反応を見ながら段階的に戦術をエスカレートさせてきています。
 
 尖閣近海への艦船派遣は、「海監」「魚政」といった海洋調査船や漁業監視船だけではなく、軍のフリゲート艦も配備されています。
 
【尖閣国有化】尖閣北方に中国軍艦2隻 周辺での中国軍の活動判明 - MSN産経ニュース

 兼ねて想定されている、漁船団と監視船のセットでの尖閣上陸作戦開始を想定させた大量の漁船団出港情報は、さすすがに一気にそこまでのステップアップは控えたようですね。中国共産党のブラフ(威嚇的はったり)だったとの軽視する声が聞かれますが、以外と慎重に、繊細な気配りで、しかし着実に戦術を実行に移す中国らしさで、日本がシミュレーション済という対応作戦の反応を見ながら進めてきている様ですね。
 二人の日本人の上陸に備えただけの偶然なのか、中国漁船の上陸に備えたのか、警察が配備されていることが表面化しました。

 大船団の漁船は着ていませんが、12隻の調査船や監視船が着ました。そして、2つの中国による実効支配の実績を残す目的を達成しています。
 ひとつは、日本の巡視船が、11管区では1,000トン以上が、7隻(りきゅう、くだか、もとぶ、くにがみ、はてまる、よなくに、いしがき)なのに対し、12隻の艦船を配備し尖閣の巡視艦艇数で日本と競い第三国に同等の外観を示し始めた。かねてから、定期巡視を宣言していましたが、今後、何隻で定期巡視するのか着目点となります。

 ふたつ目は、これが周到で痛手なのですが、漁船の検問の実績を残しました。
 
【尖閣国有化】中国の漁業監視船が台湾や中国の漁船にコンタクト - MSN産経ニュース

 実効支配の実績となるものに、水域を管理している実績があります。実際に中国や台湾の漁船とコンタクトし、管理している実績を造ったことは、中国が実効支配していると、第三国に示すことが出るのです。
 
 日本人上陸が許されていない無人島の周辺海域を定期巡回する艦船の数、近海で操業する漁船の管理能力で競う作戦ですね。人民解放軍は、武力戦略の他に「三戦」戦略があることは、諸兄がご承知のとおりです。
 
 米議会に指摘されるまでもなく、当事者の日本が想定外などと言うことがない様、あらゆる角度での戦略を、短期でも、中長期でも急ぎ再構築が必要です。
 マスメディアの馬鹿コメンテータやMCにも、眼を覚ましていただくか交代していただかねばなりません。

 明日(9/21)は、自民党総裁選街頭演説が沖縄で行われる由。各候補がズバリ本音を言うか、あたりさわりない発言か、注目されます。


 # 冒頭の画像は、隊列を組んで進む「海監」



  ツタンカーメンのエンドウ

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中国、核ミサイルの標的 (角川oneテーマ21)




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