中国の習近平国家主席が、北京で開かれた外交政策に関する重要会議「中央外事工作会議」での演説で、「中国は今後グローバルな統治の刷新を主導する」と宣言し、「国際的な影響力をさらに増していく」とも明言したのだそうです。
今年 1月に発表された米国防戦略で、トランプ政権が中国を「主敵」とした戦略に、初めての回答したもので、米中対立を決定づける宣言だと指摘するのは、産経新聞ワシントン駐在客員特派員の古森義久氏。
早くも中国征伐へ舵を切った米国 日本には中国、北朝鮮、反日化する韓国と対峙する覚悟が必要に | JBpress(日本ビジネスプレス)
中国共産党機関紙の人民日報(6月24日付)での報道によると、習近平氏は6月22日、23日の両日、北京で開かれた外交政策に関する重要会議「中央外事工作会議」で演説して、この構想を発表したのだそうです。
この会議の目的は、中国の新たな対外戦略や外交政策の目標を打ち出すことにあり、これまで2006年と2014年の2回しか開かれていない会議で、チャイナセブンの他に、王岐山国家副主席や人民解放軍、党中央宣伝部、商務省の最高幹部らも出席したのだと。
習主席はこの会議で「中国は今後グローバルな統治の刷新を主導する」と宣言し、「国際的な影響力をさらに増していく」とも明言。中国独自の価値観やシステムに基づいて新たな国際秩序を築くと宣言している。
中国中心の新たな国際秩序を構築していくことを宣言した習近平は、トランプ政権の「中国の野望阻止」の政策と正面衝突することを宣言したことになります。
習近平主席のこの新たな対外政策演説は、中国がこれまでよりも指導的な立場に立って、米国が主導して構築してきた現在の国際秩序とは異なる「グローバルな統治」を目指すことが明言されているのだそうですが、人権、自由、法の統治という普遍的な価値は明記されていない。
トランプ大統領が2017年12月に発表した「国家安全保障戦略」でも、中国を米国主導の国際秩序への最大の挑戦者として特徴づけていました。
これまで習近平政権はその米国の態度に対して、正面から答えることがなかったが、今回の対外戦略の総括は、その初めての回答とも呼べそうで、米国の指摘に対し、まさにその通りだと開き直ったものなのですね。
受け流していた習近平が、正面から答え、反攻したことで、米中の対抗が明確になり、ますます険悪になっていく様相ですね。
独裁政権体制を確立した習近平の「中華の夢」追及の覇権拡大指向に、トランプ大統領の米国が気づいたことは良かったのですが、「自由で開かれたインド太平洋戦略」でのオーストラリアやインドとの連携に加え、イギリス、フランスとも連携して、中国の覇権拡大を抑止することが、日本の安倍政権に期待されます。
# 冒頭の画像は、中国の報復関税に対し追加関税を指示したトランプ大統領
トランプ氏、22兆円規模の中国製品に追加関税を警告 反発必至
この花の名前は、コダチダリア
↓よろしかったら、お願いします。
今年 1月に発表された米国防戦略で、トランプ政権が中国を「主敵」とした戦略に、初めての回答したもので、米中対立を決定づける宣言だと指摘するのは、産経新聞ワシントン駐在客員特派員の古森義久氏。
早くも中国征伐へ舵を切った米国 日本には中国、北朝鮮、反日化する韓国と対峙する覚悟が必要に | JBpress(日本ビジネスプレス)
中国がこれまでの国際秩序を塗り替えると表明 いよいよ米国と真正面から激突へ | JBpress(日本ビジネスプレス) 2018.6.27(水) 古森 義久
中国の習近平国家主席が、グローバルな統治体制を主導して、中国中心の新たな国際秩序を構築していくことを宣言した。この宣言は、米国のトランプ政権の「中国の野望阻止」の政策と正面衝突することになる。米中両国の理念の対立がついにグローバルな規模にまで高まり、明確な衝突の形をとってきたといえる。
習近平氏のこの宣言は、中国共産党機関紙の人民日報(6月24日付)で報道された。同報道によると、習近平氏は6月22日、23日の両日、北京で開かれた外交政策に関する重要会議「中央外事工作会議」で演説して、この構想を発表したという。
この会議の目的は、中国の新たな対外戦略や外交政策の目標を打ち出すことにあり、これまで2006年と2014年の2回しか開かれていない。
今回の会議には、中国共産党政治局常務委員7人の全員のほか、王岐山国家副主席や人民解放軍、党中央宣伝部、商務省の最高幹部らも出席した。出席者には中国の米国駐在大使も含まれており、超大国の米国を強く意識した会議であることをうかがわせる。
■これまでよりも指導的な立場に立つと表明
習主席はこの会議で「中国は今後グローバルな統治の刷新を主導する」と宣言し、「国際的な影響力をさらに増していく」とも明言した。中国独自の価値観やシステムに基づいて新たな国際秩序を築くと宣言している点が、これまでの発言よりもさらに積極的だった。
習氏の演説の骨子は、以下のとおりである。
・中国はグローバルな統治を刷新するための道を指導していかねばならない。同時に、中国は全世界における影響力を増大する。
・中国は自国の主権、安全保障、発展利益を守り、現在よりもグローバルなパートナーシップ関係の良い輪を作っていく。
・中国は多くの開発途上国を同盟勢力とみなし、新時代の中国の特色ある社会主義外交思想を作り上げてきた。新たな国際秩序の構築のために、中国主導の巨大な経済圏構想「一帯一路」や「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」をさらに発展させる。
・中国主導の新しいスタイルの国際関係は、誰にとっても「ウィン・ウィン」であり、互恵でなければならない。
習近平主席のこの新たな対外政策演説は、今後、中国がこれまでよりも指導的な立場に立って、新しい国際秩序を築いていくことの方針表明だといえる。具体的には「社会主義」という言葉を明確に打ち出しており、米国が主導して構築してきた現在の国際秩序とは異なる「グローバルな統治」を目指すことが明言されている。
だが、中国が構築しようとしている新たな国際秩序には、従来の米国主導の国際秩序にみられるような人権、自由、法の統治という普遍的な価値は明記されていない。中国は「社会主義」という標語の導入で、独自の国際秩序システムを推進しようとしているのだ。
■米国の指摘に「その通り」と応じた中国
米国のトランプ政権の中国認識を改めて確認すると、明白な対決の構図が浮かび上がる。トランプ大統領自身が2017年12月18日に発表した「国家安全保障戦略」での中国に関する記述には、以下の内容があった。この国家安保戦略は、中国を米国主導の国際秩序への最大の挑戦者として特徴づけていた。
・中国はインド・太平洋地域で米国に取って代わることを意図して、自国の国家主導型経済モデルを国際的に拡大し、地域全体の秩序を中国の好む形に変革しようとしている。中国は自国の野望は他の諸国にも利益をもたらすと宣伝しているが、現実には、その動きはインド・太平洋地域の多くの国の主権を圧迫し、中国の覇権を広めることになる。
・ここ数十年にわたり、米国の対中政策は、中国が既成の国際秩序に参加することを支援すれば、中国を自由化できるという考え方に基礎をおいてきた。だが、この米国の期待とは正反対に、中国は他の諸国の主権を侵害する方法で自国のパワーを拡大してきた。中国は、標的とする他の諸国の情報をかつてない規模で取得し、悪用し、自国内の汚職や国民監視をも含む独裁支配システムの要素を国際的に拡散してきた。
・中国は米国に次ぐ強力で大規模な軍隊を築いている。その核戦力は拡張し、多様化している。中国の軍事近代化と経済拡張は、大きな部分が米国の軍事や経済からの収奪の結果である。中国の急速な軍事増強の主要な目的の1つは、米国のアジア地域へのアクセスを制限し、自国が行動の自由を獲得することである。
・中国は他の諸国を中国の政治や安保の政策に従わせるために、経済面での報酬や懲罰を使いわけ、秘密の影響力行使工作や軍事力の威嚇も行っている。インフラ投資や貿易戦略は地政学的な野望の手段となっている。南シナ海での拠点の建造とその軍事化は、他国の貿易のための自由航行に危険を及ぼし、主権を脅かし、地域の安定を侵害する。
米国政府は中国に対してここまでの警戒や懸念を表明してきたのである。これまで習近平政権はその米国の態度に対して、正面から答えることがなかったが、今回の対外戦略の総括は、その初めての回答とも呼べそうだ。つまり、米国による「中国は年来の国際秩序に挑戦し、米国側とは異なる価値観に基づく、新たな国際秩序を築こうとしている」という指摘に対し、まさにその通りだと応じたのである。米国と中国はますます対立を険しくしてきた。
中国の習近平国家主席が、グローバルな統治体制を主導して、中国中心の新たな国際秩序を構築していくことを宣言した。この宣言は、米国のトランプ政権の「中国の野望阻止」の政策と正面衝突することになる。米中両国の理念の対立がついにグローバルな規模にまで高まり、明確な衝突の形をとってきたといえる。
習近平氏のこの宣言は、中国共産党機関紙の人民日報(6月24日付)で報道された。同報道によると、習近平氏は6月22日、23日の両日、北京で開かれた外交政策に関する重要会議「中央外事工作会議」で演説して、この構想を発表したという。
この会議の目的は、中国の新たな対外戦略や外交政策の目標を打ち出すことにあり、これまで2006年と2014年の2回しか開かれていない。
今回の会議には、中国共産党政治局常務委員7人の全員のほか、王岐山国家副主席や人民解放軍、党中央宣伝部、商務省の最高幹部らも出席した。出席者には中国の米国駐在大使も含まれており、超大国の米国を強く意識した会議であることをうかがわせる。
■これまでよりも指導的な立場に立つと表明
習主席はこの会議で「中国は今後グローバルな統治の刷新を主導する」と宣言し、「国際的な影響力をさらに増していく」とも明言した。中国独自の価値観やシステムに基づいて新たな国際秩序を築くと宣言している点が、これまでの発言よりもさらに積極的だった。
習氏の演説の骨子は、以下のとおりである。
・中国はグローバルな統治を刷新するための道を指導していかねばならない。同時に、中国は全世界における影響力を増大する。
・中国は自国の主権、安全保障、発展利益を守り、現在よりもグローバルなパートナーシップ関係の良い輪を作っていく。
・中国は多くの開発途上国を同盟勢力とみなし、新時代の中国の特色ある社会主義外交思想を作り上げてきた。新たな国際秩序の構築のために、中国主導の巨大な経済圏構想「一帯一路」や「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」をさらに発展させる。
・中国主導の新しいスタイルの国際関係は、誰にとっても「ウィン・ウィン」であり、互恵でなければならない。
習近平主席のこの新たな対外政策演説は、今後、中国がこれまでよりも指導的な立場に立って、新しい国際秩序を築いていくことの方針表明だといえる。具体的には「社会主義」という言葉を明確に打ち出しており、米国が主導して構築してきた現在の国際秩序とは異なる「グローバルな統治」を目指すことが明言されている。
だが、中国が構築しようとしている新たな国際秩序には、従来の米国主導の国際秩序にみられるような人権、自由、法の統治という普遍的な価値は明記されていない。中国は「社会主義」という標語の導入で、独自の国際秩序システムを推進しようとしているのだ。
■米国の指摘に「その通り」と応じた中国
米国のトランプ政権の中国認識を改めて確認すると、明白な対決の構図が浮かび上がる。トランプ大統領自身が2017年12月18日に発表した「国家安全保障戦略」での中国に関する記述には、以下の内容があった。この国家安保戦略は、中国を米国主導の国際秩序への最大の挑戦者として特徴づけていた。
・中国はインド・太平洋地域で米国に取って代わることを意図して、自国の国家主導型経済モデルを国際的に拡大し、地域全体の秩序を中国の好む形に変革しようとしている。中国は自国の野望は他の諸国にも利益をもたらすと宣伝しているが、現実には、その動きはインド・太平洋地域の多くの国の主権を圧迫し、中国の覇権を広めることになる。
・ここ数十年にわたり、米国の対中政策は、中国が既成の国際秩序に参加することを支援すれば、中国を自由化できるという考え方に基礎をおいてきた。だが、この米国の期待とは正反対に、中国は他の諸国の主権を侵害する方法で自国のパワーを拡大してきた。中国は、標的とする他の諸国の情報をかつてない規模で取得し、悪用し、自国内の汚職や国民監視をも含む独裁支配システムの要素を国際的に拡散してきた。
・中国は米国に次ぐ強力で大規模な軍隊を築いている。その核戦力は拡張し、多様化している。中国の軍事近代化と経済拡張は、大きな部分が米国の軍事や経済からの収奪の結果である。中国の急速な軍事増強の主要な目的の1つは、米国のアジア地域へのアクセスを制限し、自国が行動の自由を獲得することである。
・中国は他の諸国を中国の政治や安保の政策に従わせるために、経済面での報酬や懲罰を使いわけ、秘密の影響力行使工作や軍事力の威嚇も行っている。インフラ投資や貿易戦略は地政学的な野望の手段となっている。南シナ海での拠点の建造とその軍事化は、他国の貿易のための自由航行に危険を及ぼし、主権を脅かし、地域の安定を侵害する。
米国政府は中国に対してここまでの警戒や懸念を表明してきたのである。これまで習近平政権はその米国の態度に対して、正面から答えることがなかったが、今回の対外戦略の総括は、その初めての回答とも呼べそうだ。つまり、米国による「中国は年来の国際秩序に挑戦し、米国側とは異なる価値観に基づく、新たな国際秩序を築こうとしている」という指摘に対し、まさにその通りだと応じたのである。米国と中国はますます対立を険しくしてきた。
中国共産党機関紙の人民日報(6月24日付)での報道によると、習近平氏は6月22日、23日の両日、北京で開かれた外交政策に関する重要会議「中央外事工作会議」で演説して、この構想を発表したのだそうです。
この会議の目的は、中国の新たな対外戦略や外交政策の目標を打ち出すことにあり、これまで2006年と2014年の2回しか開かれていない会議で、チャイナセブンの他に、王岐山国家副主席や人民解放軍、党中央宣伝部、商務省の最高幹部らも出席したのだと。
習主席はこの会議で「中国は今後グローバルな統治の刷新を主導する」と宣言し、「国際的な影響力をさらに増していく」とも明言。中国独自の価値観やシステムに基づいて新たな国際秩序を築くと宣言している。
中国中心の新たな国際秩序を構築していくことを宣言した習近平は、トランプ政権の「中国の野望阻止」の政策と正面衝突することを宣言したことになります。
習近平主席のこの新たな対外政策演説は、中国がこれまでよりも指導的な立場に立って、米国が主導して構築してきた現在の国際秩序とは異なる「グローバルな統治」を目指すことが明言されているのだそうですが、人権、自由、法の統治という普遍的な価値は明記されていない。
トランプ大統領が2017年12月に発表した「国家安全保障戦略」でも、中国を米国主導の国際秩序への最大の挑戦者として特徴づけていました。
これまで習近平政権はその米国の態度に対して、正面から答えることがなかったが、今回の対外戦略の総括は、その初めての回答とも呼べそうで、米国の指摘に対し、まさにその通りだと開き直ったものなのですね。
受け流していた習近平が、正面から答え、反攻したことで、米中の対抗が明確になり、ますます険悪になっていく様相ですね。
独裁政権体制を確立した習近平の「中華の夢」追及の覇権拡大指向に、トランプ大統領の米国が気づいたことは良かったのですが、「自由で開かれたインド太平洋戦略」でのオーストラリアやインドとの連携に加え、イギリス、フランスとも連携して、中国の覇権拡大を抑止することが、日本の安倍政権に期待されます。
# 冒頭の画像は、中国の報復関税に対し追加関税を指示したトランプ大統領
トランプ氏、22兆円規模の中国製品に追加関税を警告 反発必至
この花の名前は、コダチダリア
↓よろしかったら、お願いします。