インドネシア政府が進めるジャワ島の高速鉄道計画については、日本の新幹線方式の受注が有力とされていたのだそうですが、中国が猛烈な巻き返しを図っていて、「中国案は技術、資金の両面で素晴らしい」とインドネシアの国家開発企画庁長官に言わしめるほどになっているのだそうです。
ジョコ大統領は就任後初の外遊先として日本を選び、今年3月に来日し、日本からの投資を呼び込もうと、トップセールスに奔走していました。
【インドネシア】ジョコ大統領が来日、首脳会談で1,400億円の経済協力に合意―HSBC投信 - エキサイトニュース
インドネシア大統領が来日、日本勢誘致へ奔走 :日本経済新聞
中国は、インドネシア側が技術移転を求めていることに対し、合弁会社の設立を提案して、両国の協力で鉄道部品を製造する工場をインドネシアに作り、東南アジアの高速鉄道市場を共同で開拓するとの構想を持ち出しているのだそうです。AIIBの設立国に加盟しているインドネシアとの連携を売りにしているのですね。そして更に、高速鉄道を足がかりに港湾など他案件の受注も目指すとのことで、鉄道個別ではなくトータルでの価格で価格競争力を出そうとしているのですね。
AIIBの設立で始まる、ADB(アジア開発銀行)との競争を、日中が代理戦争をする様相ですね。
国内のインフラ投資が行き詰まり、過剰投資で産まれた余剰生産力を、海外市場で埋めようと言う、習近平の「一帯一路」構想。日中の代理競争は、崖っぷち経済で捨身の中国政府が勝つのか、日本企業が勝つのか、今後を占うのに注目されます。
# 冒頭の画像は、ジャワ高速鉄道のイメージ図
この花の名前は、二輪草
↓よろしかったら、お願いします。
ジョコ大統領は就任後初の外遊先として日本を選び、今年3月に来日し、日本からの投資を呼び込もうと、トップセールスに奔走していました。
【インドネシア】ジョコ大統領が来日、首脳会談で1,400億円の経済協力に合意―HSBC投信 - エキサイトニュース
インドネシア大統領が来日、日本勢誘致へ奔走 :日本経済新聞
ジャワ鉄道受注 中国巻き返し 巨額融資 インドネシア絶賛 (8/26 読売朝刊)
【ジャカルタ=池田慶太】インドネシア政府が進めるジャワ島の高速鉄道計画をめぐり、有力とされてきた新幹線方式の受注を目指す日本に対し、中国が猛烈な巻き返しを図っている。多額の資金提供などを持ちかけ、中国主導の経済圏構築への協力を取り付ける戦略で、インドネシア政府が今月中にも決める発注先の行方は混沌こんとんとしてきた。
日本に危機感
「中国案は技術、資金の両面で素晴らしい」。インドネシアの国家開発企画庁長官(当時)は、中国が10日に出した高速鉄道計画の提案書を絶賛した。インドネシア側の要望が大きく反映された内容だったからだ。
インドネシア政府は社会基盤(インフラ)整備予算の不足から、自国負担を軽減したい。中国は総事業費約55億ドル(約6600億円)の全額を年利2%で融資し、インドネシア政府の当面の負担をゼロにすると応じた。
インドネシア側はまた、技術移転を求めているが、中国は合弁会社の設立を提案。両国の協力で鉄道部品を製造する工場をインドネシアに作り、東南アジアの高速鉄道市場を共同で開拓するとの構想を持ち出した。
さらに、インドネシアのジョコ政権は昨年発足後の実績作りを急いでおり、2019年に満了する大統領任期中に高速鉄道が完成することを期待する。これに対し中国案は「15年9月着工、18年完工」とのスピード工事を約束した。
インドネシアの高速鉄道計画では当初、耐震性や安全性に優れる日本の新幹線方式の採用が有力だったが、中国が昨年秋から追い上げに乗り出した。習近平国家主席は、今年3月と4月のジョコ大統領との首脳会談でトップセールスを展開し、技術協力で合意。今月の提案にこぎつけた。
中国の積極姿勢の背景には、アジアなどをまたぐ中国主導の巨大経済圏「一帯一路」構想にインドネシアを組み入れる戦略がある。中国の徐紹史・国家発展改革委員会主任(閣僚級)は11日、インドネシア閣僚らとの会合で「自由に使える巨額資金を提供できる」とし、インドネシアがインフラ開発案件の一覧表を提出すれば融資に応じる考えを示した。高速鉄道を足がかりに港湾など他案件の受注に広げたい考えとみられる。
経済発展に伴うインフラ需要が拡大するインドネシアにとって、中国の資金力は魅力的だ。インドネシアは、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)にも創設メンバーとして参加。インフラ開発では「中国と相思相愛」(インドネシア経済専門家)とされる。
日本も手をこまねいているわけではない。今年3月に来日したジョコ氏に新幹線に試乗してもらい、5月には福田元首相をジョコ氏に派遣し、新幹線を売り込んだ。7月に出した日本案では、年0・1%の低利融資を提示。従来「26年まで」としていた完工の時期も21年に早め、ジョコ政権の期待に応える姿勢を示した。日本政府関係者は「中国に受注を取られる危機感があったため」と明かした。別の日本政府筋は「最後の局面で(インドネシア政府に対する)ハイレベルの働きかけも検討中だ」と語る。
インドネシア政府は欧米系のコンサルティング会社に日中の提案内容を評価するよう依頼。週内にもまとまる評価結果に基づき、発注先を最終判断する予定だ。
【ジャワ島の高速鉄道計画】
インドネシアの首都ジャカルタからバンドンまでの約140キロ区間が当面の対象。将来的には第2の都市スラバヤまで約730キロ区間に延伸する構想となっている。ユドヨノ前政権時に浮上し、日本は2008年頃から調査などで協力してきた。
【ジャカルタ=池田慶太】インドネシア政府が進めるジャワ島の高速鉄道計画をめぐり、有力とされてきた新幹線方式の受注を目指す日本に対し、中国が猛烈な巻き返しを図っている。多額の資金提供などを持ちかけ、中国主導の経済圏構築への協力を取り付ける戦略で、インドネシア政府が今月中にも決める発注先の行方は混沌こんとんとしてきた。
日本に危機感
「中国案は技術、資金の両面で素晴らしい」。インドネシアの国家開発企画庁長官(当時)は、中国が10日に出した高速鉄道計画の提案書を絶賛した。インドネシア側の要望が大きく反映された内容だったからだ。
インドネシア政府は社会基盤(インフラ)整備予算の不足から、自国負担を軽減したい。中国は総事業費約55億ドル(約6600億円)の全額を年利2%で融資し、インドネシア政府の当面の負担をゼロにすると応じた。
インドネシア側はまた、技術移転を求めているが、中国は合弁会社の設立を提案。両国の協力で鉄道部品を製造する工場をインドネシアに作り、東南アジアの高速鉄道市場を共同で開拓するとの構想を持ち出した。
さらに、インドネシアのジョコ政権は昨年発足後の実績作りを急いでおり、2019年に満了する大統領任期中に高速鉄道が完成することを期待する。これに対し中国案は「15年9月着工、18年完工」とのスピード工事を約束した。
インドネシアの高速鉄道計画では当初、耐震性や安全性に優れる日本の新幹線方式の採用が有力だったが、中国が昨年秋から追い上げに乗り出した。習近平国家主席は、今年3月と4月のジョコ大統領との首脳会談でトップセールスを展開し、技術協力で合意。今月の提案にこぎつけた。
中国の積極姿勢の背景には、アジアなどをまたぐ中国主導の巨大経済圏「一帯一路」構想にインドネシアを組み入れる戦略がある。中国の徐紹史・国家発展改革委員会主任(閣僚級)は11日、インドネシア閣僚らとの会合で「自由に使える巨額資金を提供できる」とし、インドネシアがインフラ開発案件の一覧表を提出すれば融資に応じる考えを示した。高速鉄道を足がかりに港湾など他案件の受注に広げたい考えとみられる。
経済発展に伴うインフラ需要が拡大するインドネシアにとって、中国の資金力は魅力的だ。インドネシアは、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)にも創設メンバーとして参加。インフラ開発では「中国と相思相愛」(インドネシア経済専門家)とされる。
日本も手をこまねいているわけではない。今年3月に来日したジョコ氏に新幹線に試乗してもらい、5月には福田元首相をジョコ氏に派遣し、新幹線を売り込んだ。7月に出した日本案では、年0・1%の低利融資を提示。従来「26年まで」としていた完工の時期も21年に早め、ジョコ政権の期待に応える姿勢を示した。日本政府関係者は「中国に受注を取られる危機感があったため」と明かした。別の日本政府筋は「最後の局面で(インドネシア政府に対する)ハイレベルの働きかけも検討中だ」と語る。
インドネシア政府は欧米系のコンサルティング会社に日中の提案内容を評価するよう依頼。週内にもまとまる評価結果に基づき、発注先を最終判断する予定だ。
【ジャワ島の高速鉄道計画】
インドネシアの首都ジャカルタからバンドンまでの約140キロ区間が当面の対象。将来的には第2の都市スラバヤまで約730キロ区間に延伸する構想となっている。ユドヨノ前政権時に浮上し、日本は2008年頃から調査などで協力してきた。
中国は、インドネシア側が技術移転を求めていることに対し、合弁会社の設立を提案して、両国の協力で鉄道部品を製造する工場をインドネシアに作り、東南アジアの高速鉄道市場を共同で開拓するとの構想を持ち出しているのだそうです。AIIBの設立国に加盟しているインドネシアとの連携を売りにしているのですね。そして更に、高速鉄道を足がかりに港湾など他案件の受注も目指すとのことで、鉄道個別ではなくトータルでの価格で価格競争力を出そうとしているのですね。
AIIBの設立で始まる、ADB(アジア開発銀行)との競争を、日中が代理戦争をする様相ですね。
国内のインフラ投資が行き詰まり、過剰投資で産まれた余剰生産力を、海外市場で埋めようと言う、習近平の「一帯一路」構想。日中の代理競争は、崖っぷち経済で捨身の中国政府が勝つのか、日本企業が勝つのか、今後を占うのに注目されます。
# 冒頭の画像は、ジャワ高速鉄道のイメージ図
この花の名前は、二輪草
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