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【DOL】企業内OB会は品がない!慶應三田会に見る「学閥」の功罪

 『週刊ダイヤモンド』最新号では、「慶応三田会 学閥の王者」と銘打ち、60ページを超える大特集を展開しています。
 そこで今週のダイヤモンド・オンライン『山崎元のマルチスコープ』では、学校単位の人的なネットワークとメンバー内部での便宜の図り合いを「学閥」と捉え、「企業内OB会は品がない!慶應三田会に見る「学閥」の功罪」と題する記事を書きました。

 客観的に見て、三田会を含めた慶応出身者の人的ネットワークは、個々の卒業生にとっても、学校自身にとっても、慶応を選ぶ「価値」の一部をなしているようです。慶応大学よりも、人数面で規模の大きい大学は他にもありますが、有力なポジションに就いているOBが多いか否かは、人的ネットワークの価値に直結します。

 出身大学を起源とする「学閥」について言えば、どの大学でも、どこででも、という訳ではありませんが、経済合理的な人的ネットワーク形成の一つになる場合があると考えられます。
 但し、この学閥を企業内にも持ち込んで、慶応大学の三田会とか一橋大学の如水会といった、卒業学校単位の親睦会を作ってOB同士が卒業年次を超えて寄り集まるのは、いかがなものでしょうか。

 例えば、地方国立大学の成績優秀者などは、慶応の卒業生と比べても、十分に優秀だと思いますが、東京本社の企業の多くにあって、彼らには三田会のような社内ネットワークはありません。
 三田会に限らず、企業内で学閥親睦会を立ち上げておられる方々は、例えば弱小勢力大学出身者の心情を慮って、社内での学閥活動を自粛するくらいのことを考えるのが、見識というものではないでしょうか。もちろん、全社内における公平性と、会社としての結束を図るために、企業の経営者が例え三田会の評議委員であったとしても、自社内に於ける学閥活動の自粛を実現することが、適切な振る舞いではないでしょうか。

 組織外の学閥ネットワークにはポジティブな価値があり、これを構築・利用することは構わないでしょう。しかし、三田会に限らず、「企業内」に作られた大学別のOB会は、「不公平」で「品が無い」ので、自粛すべき存在だと考えています。
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【現代ビジネス】カリスマの暴走「セブンの乱」に学ぶ、ビジネスパーソン「7つの教訓」

 セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長が、職を辞することを発表するに至った一連の経緯には、正直なところ驚きました。
 そこで、今回の現代ビジネス「ニュースの深層」(隔週連載)では、「カリスマの暴走「セブンの乱」に学ぶ、ビジネスパーソン「7つの教訓」」と題した記事を書きました。

 この「セブンの乱」には、組織で仕事をするビジネスパーソンが参考とすべき多くの教訓が含まれています。記事ではセブンに因んで7つの教訓を紹介しています。

■教訓1:勝てる票読みのない採決をしてはならない
■教訓2:情報漏れに注意すべし
■教訓3:自分の「残存価値」に敏感になれ
■教訓4:息子の扱いに注意せよ
■教訓5:社内の批判を外に向かって発信してはならない
■教訓6:破れたグループは一掃される
■教訓7:子分のことを考えて喧嘩せよ

 記事の最後に、セブン&アイ・グループの今後についての考察を加えています。
 今のセブンには、巨大な流通グループを指揮すると同時にビジネスの選別を行う能力と共に、ネットと関連するビジネス、ポイントと宅配の強化、金融事業の深化、といった課題があるように見えます。
 以下、私の空想ではありますが、セブン&アイ・グループは、例えば、ネット企業と経営統合してネット企業側の経営者にグループのCEOを託す、というのはどうでしょうか。将来セブンが一層成長するためには、これくらいの大技が必要になるのではないでしょうか。
 コンビニには、もっともっと「使いで」があるはずだと、安いのに、平均的な喫茶店の珈琲よりもずっと美味しいセブン・イレブンの珈琲を飲みながら、そう思いました。
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【エンジニアの生きる道】仕事に役立つ人脈ネットワークの作り方

 株式会社VSN様(技術系人材サービス業)のWEBサイトにて、「経済評論家・山崎元の「エンジニアの生きる道」」というタイトルで、月一回、エンジニアの方に向けたコラムを書いています。

 今回のテーマは「仕事に役立つ人脈ネットワークの作り方」です。
 ビジネス上有用な人間関係においては、一対一だけでなく、ネットワークとしての人脈を持っていることが、特に役に立ちます。ネットワークは、

1.価値の高い人と結びついている
2.多くの人と結びついている
3.その結びつきが強固である

の3つによって価値を高められます。
 この点で、人脈形成のダメな例として「異業種交流会」が挙げられます。視野を広げ、顧客の開拓につながることもあるでしょうが、
1.多忙であろう重要人物がその場に来ている確率は小さい
2.そもそもネットワークに乏しい人がそこに集まっている
3.異業種且つ短時間での大量の名刺交換は、将来につながる人間関係が出来にくい
といった構造的な問題があります。

 異業種交流会的なパーティに行く場合は、
1.食事は予め済ませておき、会では人との話に集中する
2.名刺交換はターゲットを絞り、次回に会う約束ないし合意をその場で取り付ける
の2点に注意し、その後にプライベートで会うことが出来た人とは、なるべく間を置かずに、もう一度会う機会を作るようにしましょう。そうすることで、相手を自分の人脈に組み入れることが出来ます。

 良い人脈作りについては、社内外を問わず「勉強会」を開催してその幹事をすることが、誰にでも出来て、且つ最も有効な手段ではないでしょうか。

 「勉強会」の幹事を自ら務めることで、全てのメンバーとの頻繁なやり取りが否応なく生じます。そうするうちに、メンバーと仲良くなる切っ掛けが出来やすく、また、一般には面倒だとされる幹事役を務めることで、個々のメンバーに「小さな恩」を売ることが出来ます。
 テーマは、仕事に関連するものであれば理想的でしょう。また、勉強以外の会であっても、「呼ぶ側」になって出来れば自分が幹事役を務め、コミュニケーションの中心に入ることが重要です。

 さて、ここまで記事を書き進めて、改めて自分の人脈ネットワーク戦略が不適切で且つ貧しいものであったことに気が付きました。
 遅ればせながら私も、勉強会等を作ってみようかと思っています。
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【DOL】 金融マンに相談するな! 入社1年目の「お金」の教科書

 ダイヤモンド・オンライン『山崎元のマルチスコープ』に、「 金融マンに相談するな! 入社1年目の「お金」の教科書」と題する記事を書きました。

 近年は25日以外を給料日とする会社も増えて来ていますが、今週25日に初月給を受け取ったという新入社員は、多いのではないでしょうか。
 発売中の『週刊ダイヤモンド』(4月30日・5月7日合併号)では、「お金の賢者と愚者」と題した大特集を組んでいます。
 そこで今回は、特に新入社員に知って欲しいこの特集の内容紹介と、特集では取り上げられていないけれども新入社員に是非知って頂きたい「お金の扱い方」についての補足を紹介しています。

 まず、「銀行との付き合い方」として、
・クレジット機能のついたキャッシュカードを持つとしても、決済にリボ払いを選んではいけない
・ネット専業の銀行でなくても、インターネット・バンキング機能を利用して、余計な金融商品のセールスを受けるリスクのある窓口には近づかない
・銀行はお金の運用に使うには、顧客の情報を知りすぎた手強すぎる相手である
・銀行員が積極的に売る運用商品に、良いものは皆無といってよい
等の注意点を紹介する一方で、これからお金を稼ぐことが楽しみになるような、「買っていい運用商品」についても、具体的商品名を挙げて紹介しました。

 記事の最後には、新入社員に言いたいこととして、以下、7項目を補足しています。
 これらはもちろん、新入社員以外の読者のご参考にもなるはずです。

1.本業に注力!
 若い時分(20代)は副業よりも本業に時間を投資する方が、投資効率がいい。

2.収支の合う生活ペースを掴め
 一年間、遅刻せず、借金せず、挨拶が出来るようになれば、ひとまず合格だ。

3.ダメな会社は辞めていい
 「石の上に三年」は無用の忠告だ。但し、次の就職先が確保出来る前に辞めるのは「絶対にいけない」

4.民間生保の生命保険には関わるな
 生命保険は「損な賭け」であり、会社の健康保険に入っていれば高額療養費制度が利用出来る

5.確定拠出年金は大きく利用せよ
 運用の選択肢は、「外国株式(先進国株式)のインデックスファンド」から考えるとよい。

6.さらに投資するならNISAを使え
 NISAではTOPIX連動型のETFに投資することがベストの選択肢になる可能性が大きい

7.金融マンに相談するな
 「無料相談」であっても、彼らに近づかない方がいい。プロの大人を甘く見てはいけない!
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