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【ダイヤモンドオンライン】体重を17キロ落とした、我が「ハイボール・ダイエット」

 ダイエットは、一般の関心が高いテーマだ。しかし、多くの方法や書籍が次々出てくること自体が、その達成の難しさを示唆している。今回は、私事で恐縮だが、ダイヤモンドオンラインでの連載で、筆者が取り組んできたダイエットについて書いてみた。
 過去3年近くにわたり「緩やかに」取り組んできたダイエットが、ほぼ目標体重を達成して、現在、最終盤に差しかかっている。
 以下は、筆者が17キロ減に至るまでの道のりである。

□運動でダイエット ~どう考えても、現実的ではない
 最初に却下した。運動で消費するカロリーの小ささもさることながら、運動の後のビールと食事の美味さを考えると、どう考えても、現実的ではない。
 飲み食いを変えずに、ある程度の運動だけで痩せることができるのではないか、という希望は捨てることにした。

□デンマーク式ダイエット ~「お酒はダメ」という問題が立ちはだかる
 これは、栄養のバランスを崩さずにカロリーを落とすという方法で、病院が作ったメニュー(具体的な献立は、ダイヤモンドオンラインでの連載をご覧下さい)を食べて痩せる方法だ。
 始めて数か月は順調だったのだが、この方法には筆者にとって大きな問題があり、結果的に継続はならなかった。
 デンマーク式ダイエットには、メニューの裏面に注記があり、「お酒はダメ(絶対アルコール類はダメ)」と書かれていたのだ。
 筆者の場合、過去30年以上を平均して、お酒を全く飲まないという日は、一年にあっても数日だ。お酒を飲まない生活は考えにくく、また、毎日、禁を破っているという後ろめたい気持ちなのは感じが良くなかった。

□糖質制限ダイエット ~ウィスキーOKのダイエットに出会った
 詳しい原理は解説書に譲るが、炭水化物(ご飯、麺、パスタ、芋など)、日本酒、ビールなど血糖値を上げる飲食を控えて、カロリーを少し落とすと、体内の脂肪が糖質化されてエネルギーとして使われるので、体重が落ちやすい、という原理のようだ。
 筆者の経験では、糖質を徹底的に控えても、肉や野菜をたっぷり食べると体重は落ちないので、いくら食べても痩せるというような魔法のダイエット・メソッドではない。しかし、肉や魚、野菜さらに油についてもあまり気にしなくていいので、実行しやすい方法だ。

 ご飯や麺がダメなので、始めて数日は少し苦しい気がしたが、厳密な方法を4、5日続けると、食欲の質に変化が現れた。血糖値を急に上げない食生活を数日続けたことで、食事の際は「血糖値を早く上げたい」という習慣に我慢が利くようになったのだろう。そうなると、これまでよりも、食欲を我慢することが容易になった。
 また、この糖質制限ダイエットで嬉しいのは、ウィスキーは無制限に飲んで良く(その他の蒸留酒も甘くなければ良い)、赤ワインも辛口ならOKだという点だ。ご飯、パスタ、ラーメンのようなものを遠ざけることで生まれる喪失感を、美味しいお酒がかなりの程度埋めてくれる。
 はじめて自分の生活習慣を肯定してくれるダイエット法に出会った気がした。

□山崎式のアレンジ ~これが「ハイボール・ダイエット」だ!
 体重をあまり急激に減らすと、肌がかさついたり、ひどい場合はしわが出来そうだ。他人に対して、自分が不健康だという印象は与えたくない。
 そこで、ゆっくりと着実に落とすつもりで、長続きしそうな方法を考えた。多少の試行錯誤を経て、実行したのは、以下の7項目だ。

(1) 食事の際、ビール、日本酒、主食を控えて、ハイボール(ウィスキーのソーダ割り)を飲む。
(2) おかずは糖質類(芋など)、砂糖を多く使った味付けを避ける以外、特段の制限はなし。
(3) 主食は、食べるとしても、ご飯を「一日に小盛りの半分程度」まで。麺類は週に1、2回くらい。
(4) 飲むお酒は、ウィスキーか赤ワイン。量は無制限。なるべく美味しいものを飲む。
(5) 毎朝体重計に乗る。
(6) 体重について、「最安値+1キロ迄」=「安心して良し」、「最安値+1キロ~2キロ」=「警戒せよ」、「最安値+2キロ以上」=「急いで落とせ」、と認識する。
(7) 一月に2キロ以上落とさない。

 尚、他人と会食する際にもお酒は主にウィスキーだが、コースについているご飯やパスタなどを残すようなことはしない。食べっぷりの悪い人間は感じが悪いと思う。ダイエットは、自分が中心の食事の範囲で行えばいい。

 私が行った方法は、「ハイボール・ダイエット」と名付けることができそうだ。ハイボールは、甘くないので、どんな食事にも合う。
 食べ物によっては日本酒が欲しくなるようなこともあったが、ウィスキーを飲み慣れると、どんなに辛口の日本酒でも甘く感じるので、最近は、ほぼ飲まなくなった。

 自宅では、ウィスキーと炭酸水を1:2.5くらいの割合で割って飲んでいる。ハイボール用のウィスキーは、ラフロイグかタリスカーをほぼ交互に使っている。筆者は、アイラ系のピートの効いたモルトが好きだが(注;タリスカーはアイラ・モルトではないが)、アイラ・モルトにも、炭酸割りに合うからっとしたモルトとそうでないモルトがあるように思う。たとえば、ラガブーリンはストレートで飲む分には大変美味しいが、ソーダ割りには不向きに感じる。国産では、山崎(12年物)がソーダ割りに合うように思う。

 6月11日(月曜日)の朝の時点の体重は67.5キロで、直近の最安値(最低値)は67.0キロだ。これは、ほぼ新入社員の頃の体重に戻ったことになる。一般に、私の身長で理想体重とされるのは68~69キロくらいだ。ここまでのところ、3キロ以上のリバウンドは一度も無い。健康診断は全ての数値で「A」ないし「問題なし」となった。
 飲酒と不規則な生活のゆえに、肝臓関係の数値を気にしていたが、上限基準値の少し下ぐらいだった値が、基準値の半分くらいに改善したので驚いた。肝臓の脂肪が減って、肝臓の負担が減ったからではないか、と友人から聞いたが、私は医者ではないので、正確な理由は分からない。
 ちなみに、全ダイエット期間を通じて、最大の敵は夜のラーメンだった。

 今後は、現在の食生活習慣をベースにしながら、体重が増えも減りもしない食事と生活のペースを探っていきたい。ウィスキーを中心にお酒を飲み、昼・夜の主食の量をコントロールすれば、体重を維持できるのではないかと考えている。
 夜型でよくお酒を飲む生活も当面変えるつもりはないし、なるべく長い距離を歩くという以外に特別な運動をするつもりもない。

 尚、体重が減って、本人の気分と体調は良好だが、女性にモテるようになった、とか、仕事が増えたとかいうことは一切無い。世間は、私のようなオッサンが太かろうが細かろうが関心を持たないものだ。
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【ダイヤモンドオンライン】確定拠出年金を効率的に生かせ!

 先週、ある大手家電メーカーの依頼で、この会社の確定拠出年金の有効な使い方について講演した。今週のダイヤモンドオンラインの連載では、このときの「楽しかった」講演の話題とともに、確定拠出年金について、他社の確定拠出年金加入者にも役立ちそうな、具体的なアドバイスを載せてみた。

 確定拠出年金は、爆発的とまではいえないが、着実に普及が進んでいる。先般、NTTグループが9万人の社員が対象となっている規約型企業年金を確定拠出年金に移行することを労働組合に向けて提案したことが報じられた。
 しかし、確定拠出年金の制度だけが普及しても、加入者がそれを有効に活用してくれなければ、将来の加入者の満足度が低かろうし、企業としても従業員に十分有効な形でお金を渡したことにならない。

<年金としての確定拠出年金>
 先ず、加入者の立場で、確定拠出年金の意味を考えておきたい。
 そもそも、「年金」とは何か。老後の備えとなる資金のことだが、制度としての年金の意義は、煎じ詰めると、(1)節税された資金運用手段、であることと、(2)長生きへの保険、の2点だ。但し、日本では後者を担うのはもっぱら公的年金で、確定拠出年金の加入者にとっての意味は「節税された資金運用手段」の方だ。

 加入者にとっては、掛け金が所得控除されることの節税効果が先ずは大きいし、次に運用益が非課税になることの効果も大きい(通常の運用では20%も課税される)。

 先ず、この段階で、少なくとも十分な収入のある人は、確定拠出年金を使わないのは「もったいない!」し、掛け金の大きさを選ぶことができるプランの場合は、自分が使える上限の金額まで使うことが「得!」である場合が多いと説明できる。

<確定給付年金(DB)と確定拠出年金(DC)の違い>
 また、年金には大別して、DB(Defined Benefit)とDC(Defined Contribution)、すなわち確定給付型(DB)と確定拠出型(DC)の年金がある。これは、企業年金の場合でも同様だ。
 従業員の立場に立つと、年金だけを考えるなら、企業側で運用リスクを負って将来の支払いを約束してくれる確定給付型年金の方が有り難いかも知れない。加えて、率直にいって、DBからDCに移行する場合、DCの想定利回りはDBのものよりも相当に低い場合が多く、年金が実質的に減額されていると見ることができる場合が多い。
 しかし、好条件のDB年金に固執すると、企業に過大なリスクとコストを追わせることになり、結局、将来の給与やボーナスが圧迫されたり、経営が傾いたりもする(数年前、金融危機に加えて年金の重みで米国のGMが倒れたことは記憶に新しい)。

 そもそも、確定給付の企業年金は、大半の企業とその株主にとって合理的ではない。筆者が、講演させて貰った会社も、エレクトロニクスの技術はあっても、少なくとも運用会社ではない。株主にしてみると、この会社の技術やビジネスに投資しているつもりなのに、数千億円、あるいは兆円単位の資産運用のリスクが株式に付随することは余計というしかない。

 DBからDCへのトレンドは経営合理的であり、DCの場合、自分の財産の額と受給権がはっきりしているメリットがある。また、転職の際に持って歩くことが出来るので(「ポータビリティ」と呼ぶ)、人材の流動化にも対応できる。

<確定拠出年金の運用原則>
 確定拠出年金の運用選択肢の選択と資金配分は、「好み」や「相場観」からではなく、あらかたを論理的に決めることができる。
 確定拠出年金の運用を原則として述べると以下の通りだ。

(1) 自分の資金全体の運用計画を決めて、確定拠出年金にその一部を割り当てる。
(2) 割り当てにあたって考慮すべきは、第一に「運用益非課税のメリットが生きる期待収益率の高いもの」、第二に「通常の運用商品よりも安い手数料で買える商品があればそのメリット」、の2点。
(3) 1資産1商品でシンプルなものを選ぶ。
(4) 同じリスク内容ならコストの安い商品を選ぶ。

 ちなみに、自分の運用計画の立て方としては、損をした場合の損失額と期待リターンを勘案した上でリスク資産に投資する額を決め、残りを(ほぼ)無リスクな資産で運用することとし、リスク資産は内外の株式インデックス・ファンドに概ね半々に投資する簡便法を紹介した(詳しくは、たとえば拙著「超簡単 お金の運用術」(朝日新書)などをご参照下さい)。

 具体的なプランは、図も交えて連載の方で詳しく紹介しているので、そちらをご覧頂いた方がよいだろう。大まかな流れとしては、自分の資産全体についての運用計画を作成したのち、[新興国株式]→[外国株式]→[国内株式]の順で確定拠出年金に割り当てる。そして、残ったリスク資産投資枠は、別途自分で運用する、といった具合だ。

 「新興国株式」にどれくらいの期待リターンを想定するか、といった辺りで個人差が出る可能性があるが、自分では株式や投資信託を持っているのに、確定拠出年金では元本確保型の商品に資金配分しているというようなちぐはぐな運用は合理的でないと分かると、確定拠出年金の有効利用が進むのではないだろうか。

 これからも、機会があれば、確定拠出年金の具体的な使い方をアドバイスする仕事をしてみたいと思っている。
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