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民主党に「やる気」が感じられない

 ある新聞社から麻生首相のホテル・バー通いについて取材を受けた。警備の都合を考えるとホテルの利用は現実的だし、麻生氏が本当に行きたいであろう銀座、六本木の高級クラブや、自民党伝統の政治の場である料亭を使うよりも、ホテルのバーの方が明らかに安い。敢えて麻生氏側の問題をあげると、くだらない質問に対して、笑うのではなく、怒ってしまったことだろう、と答えた。首相の今回の対応は、リア・ディゾン並に下手だ(共に人気商売なのに)。

 記者さんは当ブログを読んでいてくれたらしく、「麻生氏をドリンクに喩えるなら、やはりブランデーの水割りでいいですか?」と質問されたので、ちょっと考えて、以下のようにメールした。
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麻生氏を喩えるドリンクですが、
水割りではなくソーダ割りですね。

「ブランデーのソーダ割り」。
(バーボンにして「バカぼん」だと洒落る手もありますが、
 高級なブランデーを不適切にソーダで割る喩えの方が適切でしょう)

最初は威勢がいいが、
ちょっと時間が経つと気が抜けてくるところが、
ソーダ割り的です。
これ以上時間稼ぎをしても、
氷まで溶けてもっと不味くなるだけでしょう。

パッと飲んで、さっと解散!

がいいと思います。
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 さて、以上は前置き。本題は、民主党はどうなっているのかだ。率直に言って、やる気が感じられない。

 民主党は、今国会で解散に追い込むつもりだったのではなかったか。しかし、経済対策を理由に麻生氏に解散を引き延ばされて、選挙資金的に苦しくなっているとも聞く。早期解散を期待して法案審議でも妥協したが、肝心の解散は行われなかった。(あるいは民主党がアメリカと取引したのかとも思ったが、そんな訳でもなさそうだ。党内が選挙に向けてまとまらないような事情があるのかも知れないし、何らかの再編が動いているのか?)
 民主党としては、あるいは、麻生内閣の支持率が下がっているからこれでもいいという気分なのかも知れないが、政治では何があるか分からないし、解散は早い方がいい。
 矢野元公明党委員長や創価学会の池田大作氏を民主党多数の参院に参考人招致するというカードもあった筈だが、矢野氏は話をしたいと言っている訳だし、問題があるのか無いのか、さっさとはっきりさせたらいい。与党がこれを嫌って解散してくれれば好都合だし、そうならない場合も、重要な問題を国会で取り上げられるのだから(是非がどのような結論になるとしても)いいことだろう。

 一つ言って置きたいのは、「経済が大変だから、今は解散の時期ではない」という理屈はおかしいということだ。一部の新聞の社説で、経済が重大な時なので、今は政局の時ではない、といった議論があったが、これは誤りだと思う。
 どのような対策を出すにせよ、政府の今後の行動に対して、国民がどのような期待(予想)を持つかが重要な影響力を持つので、いつ終わるか分からない内閣で経済対策を考え実行することは不適切だ。勝敗がどうなるにせよ、総選挙で国民の信を得た内閣が景気対策を行う方がいい。
 また、経済も「今」が一番の非常時なのかどうかは疑問の余地がある。米国の景気悪化が明らかになって、実体経済面の悪影響が出るのは、むしろこれからだ。日本の金融機関は、米欧に較べると、まだ「今」は健全な状態にあることもあり、今のうちに選挙を行って、景気が悪化する局面で対策が打てるようにしておくことが適切だろう。
 また、今後、通貨の問題を含めて、世界の経済体制が変化する可能性がある。こうした問題を扱う協議に参加するのも、自民・民主どちらであっても総選挙を経た政権のほうがいい。もちろん、可能な限り、経済政策の大枠を選挙でも国民に問うべきだ。
 「経済の非常時」を理由に内閣への追求が甘くなっているとするなら、これは、かつて菅直人元代表が「金融問題を政局にしない」と言って腰砕けした時を思い出させる。経済は、重大な問題であればあるほど、政治家が正面から取り組むべきだ。

 それにしても、民主党はどうしたのか?
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リア・ディゾンさんへの同情と希望

 歌手(?)のリア・ディゾンさんが、自身の妊娠とこれにともなう芸能活動の休止を15日の記者会見で発表した。翌16日のスポーツ紙には一面トップで報じた社もあるし、朝の情報バラエティ番組でも大きく取り上げた。私は、たまたま出演した「やじうまプラス」の番組の中で記者会見の模様とメディアの取り上げ方を見た。
 会見は、話題にはなったが、失敗だったと思う。会見を見た人の殆どリアさんに好感を持たなかっただろう。質問には一切答えないという異例の方針をメディアに伝えて、あらかじめ決められた質問に対する彼女の応答と、写真撮影だけで終了した会見だったが、やりとりに意味不明の部分があったし、怒号のように質問が飛ぶ中、これを無視するリアさんは、硬直的で尊大な変な人として画面で伝えられたと思う。
 コメンテーターとして同じ番組にご出演された江川紹子さんは「いったい、何サマのつもりなのだろう、と思ってしまう」とコメントされたが、この会見に関する限り、何の違和感もない。芸能人としてメディアを利用する立場でありながら、愛想は悪いし、質問には一切答えず、「指輪を見せて下さい」という注文にさえまともに応えない彼女は、何とも感じが悪かった。
 もっとも、質問に答えるのは嫌だという事前通告を聞きながらも、「つわりは大丈夫ですか?」というような質問を止めずに取材して、これに対して困る様子を画面や紙面に容赦なく晒すメディアの側も、これが彼らの商売なのだとはいえ、気分のいいものではない。あれだけ本人が困り、嫌がる様子を見ていながら「おめでたい発表なのだから、もっと笑顔で和やかに」などと言われても、メディアの側が、無神経に自分に好都合なことを言っているように聞こえる。
 それにしても、リアさんの所属事務所の対応は不十分だ。準備した質問にしか答えない会見なのに、たぶん、質問だけをチェックして、答えはリアさんに任せた(放り投げた)のだろう。「彼は、あなたのどこが気に入ったのですか?」という質問に対して、「ビッグ・ピーチ!」と一言リアさんが叫んで、「それはどういう意味ですか?」という会場から飛んだ質問には答えない、といったやりとりは、不必要な悪印象を与えるものだった。
 リアさんが将来芸能活動に復帰する意思があることを言おうとしたと思われる「ポイしないでね」という台詞も、状況を考えると全く不十分だった。ファンやメディアの人々に対する感謝の言葉くらいは最低限必要だろうし(商売としては)、将来の復帰の可能性をポジティブな印象で伝える言い回しを、事務所は事前に本人と一緒に考えておくべきだった。

 グラビアで売れて、「グラビア界の黒船」とも称されたリア・ディゾンさんだっが、当初から本人がやりたいことと周りの期待にズレがあったようだし、芸能界に上手く溶け込めずにいたように思う。
 彼女は、グラビアが好きでは無かったし、歌で売れたかったのだと思う。しかし、申し訳ないが歌はいいとは思えなかったし(高校の学芸会レベル以下だったと思う)、日本語と礼儀が十分にこなれていないままメディアに露出していた。リア・ディゾンに「音」は不要だった。
 事務所としては、この点を正確に伝える努力をすべきだったのではなかろうか。露出を惜しみながら、グラビア・写真集、CMで、大きな仕事を取っていくと、ビジネス的には大成功できたのではないだろうか。
 自分がどう受け止められているのかが正確に分からないから、彼女の側では、メディアや芸能界に対する不信感が生まれたのではないだろうか。
 紅白歌合戦に出た頃が彼女の人気と商品価値のピークだったと思うが、この頃も、周囲から孤立して精神的に不安定な状態であったことが報じられていた。日本語力が十分でなかったこともあっただろうし、危機感あるいは嫉妬を抱いた周囲のイジメもあっただろうと思う。事務所のサポートが不十分だったのではないか。
 もっとも、不十分ながらも、彼女を売ろうとして努力してきたのに、今回、(たぶん)何の事前相談もなしに妊娠して活動を休止するとリアさんに通告された事務所やマネージャーにも大いに同情の余地はある。
 しかし、これまでの経緯と彼女の心境(周囲への不信)を思うと、今回の記者会見は、彼女が可哀相に見えて仕方がなかった。

 被写体としてのリア・ディゾンさんの素質は圧倒的だったと思う。
 彼女自身が晒すことを好まなかったであろう完璧なボディーもさることながら、哀愁を帯びた表情が独特だった。写真によって出来不出来の差が大きかったが、彼女と比較すると、具体的に名前は挙げないが、同時期に売れていたグラビア・アイドル達の姿は、華のない日常的でつまらないものに見えた。ライバル達が危機感を持って、彼女に意地悪したい気持ちになったのも仕方がない。
 率直にいって、リア・ディゾンさんのルックスは、顔の造りも、ボディーも私の好みではないが、それでも、よく撮れた写真はどきりとするほど素晴らしいと思う(ネットで画像検索すると写真が山のように出て来るが、水着・下着やセミヌードのものよりも、着衣のものの方がいい)。
 リア・ディゾンさんに関して、一つだけ個人的な希望をいうと、荒木経惟さんがリア・ディゾンを撮ったポートレートを見てみたい。たぶん、ものすごく合うと思う。「ヌード」とか「縛り」といった無理はいわない。普通のポートレートでいい。
 出産を無事終えて、落ち着いたら、考えてみて貰えないだろうか。
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いつ本格的に強気に転換するか?

 ニューヨーク・ダウも日経平均も久しぶりに1万割れをつけた。
 レベルはともかく、当面の感じとしては、市場の気分が些か弱気に偏りすぎているような気がする。米国の経済安定化法案は、銀行の不良資産を幾らで買うかが不明な点で「効果が不十分ではないか」と言う余地のある代物だが、これは同時に買値・買い方によっては銀行の潜在的損失をかなり埋める可能性もあるわけで、プラス面が過小評価されているような気がする。このような解釈の偏りは、経験的に、多くの場合行き過ぎのサインだから、ちょっと「買い!」と言ってみたい気分が起こる。
 もっとも、この種の気分を私も何回も経験しているし、市場の予測を発表することを商売としておられる皆様も、しばしばこういう気分を感じるらしく、多くの方が「そろそろ強気だろう」という強気を述べては失敗している。普通の相場で言う「コツンと来た感じ」が、サブプライム相場には通用しない。ここが底かと、少し体重を掛けると、地面が崩れる、といった感じなのだ。
 日本株のフェアバリューに対する価値は、私がいつも使う計算方法で、フェアバリュー(リスクプレミアムが6%)よりも僅かに安いくらいだが、現時点で、是非とも買わなくては!というほど株価は安くないし、計算の基になる企業の利益が下方修正されそうなので、バリュー面から目をつぶって買えるという状況では未だない。
 悪材料としては、GEがバフェット氏から資本を調達(これを呼び水にして一般からもっと調達したが)したことが印象的だった。大きな金融事業を抱えているとはいえ、GEのような(元?)優良会社が、資金繰りを心配して資本を調達するくらいなのだから、アメリカのクレジット・クランチは相当のものなのだろう。MMFの解約が、銀行預金の引き出しに染るような可能性が絶えずありそうだ。リーマンショック以来の強度のクレジット・クランチが実体経済に目に見える影響を与えるには2、3ヶ月は掛かるだろうが(少なくとも統計が発表されるのにそれくらい時間が掛かる)、この悪影響がかなりのものになるのではないかという恐れを感じる。
 また、ヨーロッパにも「サブプライムの毒」がかなり回っているので、ヨーロッパの経済の急速な悪化も心配だ。やはり、考え始めると、弱気材料の方が多い。
 一方、外人投資家主導のローカル市場である日本の株価が、アメリカなどの株価の影響を受けるのは当面仕方がないが、日本の経済は、景気が低調ながらも、金融システムの強度、つまり主要銀行の財務内容には比較的余裕がありそうだ(中堅以下の数行を除くと)。国際金融や証券化業務への出遅れが幸いしたわけだが、相対的なアドバンテージではある。
 迷っているときりがないので、乱暴に山勘を使うと、来年の早い時期に、米欧の大手銀行が保つか保たないかというような山場が来るような気がする(NYダウで7000~8000ドルくらいのイメージだ)。ここが底なら分かりやすい。
 私は両行の財務内容を分析したわけでも情報を持っている訳でもないが、イメージとしては、シティバンクとUBS(共にサブプライム損失の大きな象徴的銀行として名前を挙げた)が国有化されるとかされないとかいった場面が現れて、株価が大きく下げるというような分かりやすい状況が来るなら、「世界の中心で『ここが底だ!』と叫ぶ」といいのだろうが、普通、世の中はそんなに分かりやすくない。
 傾向として私はやや(自分ではホンの少しだと思っているが)弱気の予想に傾きやすい(セールスマンには向かないし、企業では出世しにくい心理的傾向だ)。そうしたことを考えると、そろそろ少し意識的に強気の材料を探す方がいいのかも知れないと思うのだ。
 「株価下落の、私たちの生活に与える影響は何ですか?」といった質問にその場その場で答えるようなことばかりをやっていると(テレビのインタビューを軽視するわけではないのだが、あまりにも同じパターンの質問が多い)、相場的思考が停滞してしまう。とりとめの無い話で恐縮だが、まだ弱気を基調として考えるか、強気の思考を積極的に起動するか、現在迷っていて、どうするか自分なりに考えている

(他人にはどうでもいいことだろうし、自分で株を買うわけではないのでこの「考え」は実利につながらない。でも、考えること自体は悪い感じがしない)。

 尚、私は、マーケットの話は複数のメディアに高頻度で原稿を書いているので、コメント欄のご質問には原則としてお答えしません。コメントを書き込まれる方は主にご自分の「意見」を書いてください(私は、勝手に、感想や追加の意見を書き込むつもりですが)。皆様のご意見は全て真剣に拝読します。コメンテーター同士の議論も歓迎致します。
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