goo

【ダイヤモンドオンライン】「学歴フィルター」問題から新しい就活の形を考える

 ダイヤモンド・オンラインの「山崎元のマルチスコープ」に「「学歴フィルター」問題から新しい就活の形を考える」と題する記事を書きました。

 「ゆうちょ銀行」が、就職案内のセミナーの参加希望者に対して、所属大学で差別をしていることが明らかになり、ネット空間で大いに話題になりました。

 違法ではないとしても、学生側から見て不公平感があるのはもちろん、企業の行動としては、社会的にも、また一般的なコンプライアンスの観点からもマイナスでしょう。

 しかし、全てのエントリーを平等に扱って選考を行う事は、多くの大企業、特に就職人気の高い企業にとって膨大な手間とコストの掛かる作業です。何らかの基準でフィルターを設けることは、経済合理的であり、そのフィルターを「学歴」に求める事は「フェアではないが、有効だ」と考えられるのではないでしょうか。

 現状、大学入学時の学力を測る大学の入学試験の結果が、本人のビジネス的問題処理能力と最も相関が高い指標だと考える事は現実的です。また、もともと企業側に優れた人材の評価能力があるわけでもありません。彼らが、大学名を選考に使うのは已むを得ないことだと理解すべきでしょう。

 学歴フィルターの公開を望む声もありますが、会社としては、自社に多くの大学の出身者を抱えていることもあり、世間的な反感を買う可能性も大きく、ビジネス的な判断として難しそうです。

 記事本文では、一つの方法として、応募に際し社員からの推薦状を求めることを提案しています。社員がリスクを取り手間を掛けて推薦状を書くか否かは、人材評価上有力なフィルターになります。学生には、入社したい会社の社員と何らかの「縁」を作ることが求められますが、これは、殆ど全てのビジネスにあって必要な種類の能力です。

 もともと企業の勝手であるはずの学歴フィルターが外に出て問題になるのは、インターネットを通じて大量のエントリーを受け付けることから始まる「雑な採用活動!」をしているからではないでしょうか。一般論として採用にはもっと力をいれるべきですし、選考の時期や方法も含めて、もっと各企業独自の方法があっていいはずです。
コメント ( 5 ) | Trackback ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする