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【ダイヤモンドオンライン】ゼロから「1」をつくるベンチャー企業経営術とは?

 今週のダイヤモンド・オンライン「山崎元のマルチスコープ 」では、文句なしに「今年最高のビジネス書」と言っていい、ピーター・ティール氏の『ゼロ・トゥ・ワン』(関美和訳、NHK出版)を紹介しています(※リンクをクリックすると、新しいページが立ち上がります)。
 この本は、主にスタートアップを題材とした経営の本としても読めるし、どのようなベンチャーにどう投資したらいいのかを考える投資の参考書としても読めます。今回は、経営書の側面について紹介してみました

 ティール氏は、ペイパルとパランティア(どちらも上場して巨額の富をもたらした)の共同創業者にして、フェイスブックの最初の外部投資家であり、スタートアップ企業に投資するファンドの運用者でもあります。
 経済学の世界では、全ての人や企業が儲ける方法を体系化することは難しいですが、それでも、儲かっている企業に共通の原則をまとめることならある程度可能でしょう。ティール氏は、これを、主にスタートアップ企業を対象に高いレベルで達成したように見えます。

 本書から、スタートアップを成功に導くコツをいくつか拾いあげてみると、

・チームで働くことが原則で、かつ実際に仕事をやり遂げるにはそれを少人数にとどめる必要がある
・創業時がぐちゃぐちゃなスタートアップはあとで直せない
・CEOへの報酬が少ない方が上手く行く
・社内の平和こそ、生き残りに必要なものだ
・いちばんよくある失敗の原因は、ダメなプロダクトではなく下手な営業である

 など、スタートアップの原則とも言うべき考え方がいくつも出てきますが、最も特徴的なのは、「競争」を徹底的に嫌うことです。ティール氏は「競争は資本主義の対極にある」とまで言い切っています。
 本書においては、競争に巻き込まれることのデメリットを強く意識して、これを忌避し、スタートアップ企業は、小さくても独占的な地位を築くことが出来るマーケットをターゲットとすべきだと強調しています。

 こうしたスタートアップの経営方法は、スタートアップではない大企業の一プロジェクトのマネジメントにも応用可能でしょう。
 社員が安全な大企業の傘の下にいて官僚的に仕事をするのではなく、自分の持ち場をベンチャー企業のように考えて、仕事に取り組んで欲しいと考えている経営者は少なくないはずです。

 記事では、「ビジネスパーソンには、一冊で二度以上美味しいはずだ。読書の秋に真っ先に読むべき一冊だ」(記事から引用)と、まとめています。
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