僕の感性

詩、映画、古書、薀蓄などを感性の赴くまま紹介します。

九時から五時までの男

2016-07-26 12:30:00 | 文学

スタンリイ・エリンの九時から五時までの男をハヤカワ文庫で読んでいる。


短編10作が入っている。

表題作も面白いが、私は最後の「伜の質問」が最も好きだ。

代々死刑執行人を受け継いでいる男の話が、神妙に展開していく。

偽物サイン

2016-07-08 17:34:56 | 無念なこと
最近、オークションを見ていると太宰治やら三島由紀夫などのサイン本をみかける。

けれど度々偽物の署名入りの本が出品されているのに恐れ慄いている。

だいだい太宰治のサイン本がそんなに頻繁に出るはずがない。

偽物が出現すると、本物だと信じて入札する人がいる。

本だけだと3000円ぐらいのものが、10倍の3万に化けるのだ。

偽物づくりに精を出す人は、只管サインを模倣して何度も書く練習をする。

けれど毛筆でもペン書きでも線が途中で止まるのだ。

不自然に曲がった筆跡は、偽物と見破れないがために腕や手が震えるからだ。

かなりお粗末なサインもある。

偽サインが出るとそれを見た人が違反通告をする場合がある。

けれどその通告が入札する人たちには見ることができない。

質問欄でその出品者に「本物のサインですか」と尋ねた場合は

質問内容が記載されるけれど・・・

オークションの主催者側はよっぽどのことがない限り通告を

精査しない。

出品物が高く落札されればされるほど手数料が多く入るからだ。

そのへんが歯がゆくて仕方ないし、不正を堂々と見逃しているのも解せない。

ま、天知る地知るという諺があるようにお天道様がすべてお見通しだから

いつかは処罰される日が来ることだろう。

悪はかならず懲らしめられることになっているのだ。