僕の感性

詩、映画、古書、薀蓄などを感性の赴くまま紹介します。

お蕎麦な日々

2013-06-28 14:58:17 | 食べ物
6月23日に御殿堰の「そば処庄司屋」で食べた天保そばです。

天保年間に飢饉対策用として保存されていた蕎麦の実を発芽させて見事に復活した古代の蕎麦です。

蕎麦本来の旨みが感じられました。けれど麺つゆが若干少ないような気がします。


本日お邪魔したのは旅籠町の羽前屋さん。
麺が太めでかための田舎風そばです。

天ざるそば1300円をオーダーしました。

最初に一味唐辛子を蕎麦に振り掛けて食しました。
蕎麦本来の味を噛みしめているというイメージです。
蕎麦好きにはたまらない食感かもしれません。


天ぷらは変わり種に茗荷がありました。
茗荷特有の香りが味わえて乙な一品でした。


蕎麦の実と香の物も付いて1300円はリーズナブルかもしれません。
店員の応対もGoodでした!



桜桃のそれぞれ

2013-06-26 08:56:34 | 食べ物
義兄の家に用事で出かけました。
義兄の家はサクランボ農家です。

可愛らしい果実が紅く色づいておりました。

佐藤錦というもっともメジャーな品種です。

セネカと佐藤錦を交配した「紅さやか」というサクランボはちょっと異質です。

まるでアメリカンチェリーのように紫黒色を呈しています。
果肉の味は刺激的な酸味が少なく、どこか私には物足りなさを感じました。

帰りに「香果錦」という品種のそれを手折って持たせてくれました。


ちょっとやさしいひと時を過ごすことができました。

ホタルブクロ

2013-06-25 23:41:10 | 
暑い日差しを遮断してくれる格好な庭があります。



ナナカマドが大きく聳えるYさんの家です。


いつも秋に竜胆が趣深く迎えてくれるので、おおいにはしゃいで撮影するのですが、今日はホタルブクロが招いてくれました。


植物学者の牧野富太郎氏は、「小兒其花ヲ以て蛍を包む故に蛍嚢の和名アリ」と、ホタルブクロの由来を花に蛍を入れて鑑賞したからと言いました。
けれど実際は、昔、提灯を「火垂る」と称したそうで、やはり花の形からその名が命名されたにちがいありません。

薄紫も白いのも私は大好きです。











ナツツバキの小型版、ツバキ科、ナツツバキ属の姫沙羅(ヒメシャラ)の花も可愛らしかったです。


ニワトコかと思ったのですが、名前がよくわからない美しい落葉高木の花もお届けしますね。


夏の風情を楽しむことができました。
ありがとうございます。


金色夜叉

2013-06-19 11:27:34 | 文学
尾崎紅葉の代表作「金色夜叉」の中で最も有名なのは、熱海の海岸で貫一が宮を足蹴にするシーンであろう。
金持ちの御曹司へと乗り換えた宮を「おのれ姦婦!」となじりながら蹴り飛ばすのである。
間貫一

この宮が心変わりした御曹司の名が富山唯継。彼の名前には財産(富の山)を唯(ただ)親から受け継いだという寓意性がある。
作者の尾崎紅葉は意図的に登場人物に寓意性を持たせたのである。
主人公の貫一も彼の一途で一本気な性格を表している名前だ。鰐淵直行や赤樫満枝らも高利貸しの悪辣さが表現されている。
富山唯継


赤樫満枝

意外と知らないのが鴫沢宮の名前の由来。

鴫沢宮

西行法師が詠んだ「心なき身にもあはれは知られけり鴫立つ沢の秋の夕暮」という和歌からとったらしい。
和歌での「心なき」の意味は「情趣を解さない」という意味だが、紅葉は「薄情だ」とか「冷淡だ」という意味合いで
この歌の内容を名前に使い、「鴫立つ沢」を名前に採ったのであろう。

尾崎紅葉は日本の古典に造詣が深く古典の読解力も巧みであった。

是非彼の教養にあやかりたいものだ。