僕の感性

詩、映画、古書、薀蓄などを感性の赴くまま紹介します。

幸せになるために

2010-05-31 22:53:03 | 人生論
柳沢きみお氏は、お金はあった方がいいが、何でも買える大金持ちにはならなくていいと言っています。
つまり買う楽しみとか喜びはなくなるから、何も買えない貧乏人と同じになるということなのです。過ぎたるはおよばざる如しと述べています。

もっと極論をおっしゃるのが、瀬戸内寂聴氏です。若いころ書生と仲が良くなり旦那様を捨てて駆け落ちした経験を持っている人です。
1973年に中尊寺で得度。作家でもあり住職でもあります。酸いも甘いもかみ分けた人間だから、様々な人の相談に乗ったり、講演活動を精力的に行なえるんですよね。

彼女は、贅沢な食事をせず、家族揃っての食卓こそ幸せだと語っています。またお金を残すと遺産争いなど遺族や肉親が見苦しい争いをするので、身の程を過ぎた欲望を持つと破綻するとおっしゃっています。
「足るを知る」ことが大切で、お金や物を欲しがらず、目に見えない神様、仏様、人の心を大切にと説いています。
人は、誰かを幸せにするため、この世に送り込まれているので、ボランティアでもいいから何かした方がいいと言っています。
自分の存在が誰かの役に立つというだけで、人は自分の生き甲斐になりうるのです。

愛はきらめきの中に/ビー・ジーズ

2010-05-31 17:10:11 | Weblog



How Deep is Your Love
(Bee Gees)

I know your eyes in the morning sun
I feel you touch me in the pouring rain
And the moment that you wander far from me
I wanna feel you in my arms again


And you come to me on a summer breeze
Keep me warm in your love and then softly leave
And it's me you need to show ....


How deep is your love? (how deep is your love?)
I really need to learn
'Cause we're living in a world of fools
Breaking us down
When they all should let us be
We belong to you and me



I believe in you
You know the door to my very soul
You're the light in my deepest darkest hour
You're my saviour when I fall
And you may not think
I care for you
When you know down inside
That I really do
And it's me you need to show ....

How deep is your love? (how deep is your love?)
I really need to learn
'Cause we're living in a world of fools
Breaking us down
When they all should let us be
We belong to you and me


君は僕の魂の扉
うちひしがれるときも
君は僕の灯り
僕の心の支え

君がどれ程僕を想っているか
それだけが知りたいんだ

こんなくだらない世の中だけど
そっとしてほしい
二人で居られれば
他に何もいらない・・・


映画「サタデーナイト・フィーバー」のエンディングで流れていた曲です。

麗(うら)らか

2010-05-30 23:57:28 | ことば
「春のうららの隅田川」は『花』という唱歌の歌いだしの一節ですが、「うらら」は「うらうら」の縮まった言い方で、「うららか」と言っても意味は同じです。

うらうらに照れる春日に雲雀あがり心かなしもひとりし思へば(万葉集)

「うらら」と「うららか」はいずれも空が晴れて春の日が柔らかくのどかに照っていて
遠くはぼんやりと霞んだ様子を言います。

現在は季節や時刻の制約なくこの言葉が使われますが、もとは暮れ難い春の日を意識して「うらうら」を用いたようです。

「うらうら」「うららか」共に美しい日本語です。

兎汁、桜飯

2010-05-29 22:55:07 | Weblog
池波正太郎の鬼平犯科帳には多くの料理屋と名物料理が出てきます。
「万七」は長谷川平蔵のお気に入りで「兎汁」を食べています。




京橋の東詰を北へ行った大根河岸に[万七]という小体(こてい)な料理屋がある。
[万七]の名物は、兎(うさぎ)の吸物であった。
・・・名物の兎の吸物は、淡泊な兎肉の脂肪が出し汁にとけあい、なかなかに美味である。


当時、四足の動物は禁忌(タブー)の食べ物とされ、苦肉の策として兎肉を鳥肉として食べたのです。だから今でも兎は一羽二羽と数えるのですね。他に猪肉を山鯨と称して食べていたようです。


「万七」では他に「桜飯」が登場します。これは章魚(タコ)を茹でて赤くなったのを薄切りにして、酒と醤油でご飯を炊き込んだ料理らしいです。
これを魚の刺身で食べたと作品には出てきます。

美食家だった池波氏らしく食べ物への興味は尽きないみたいで、時代考証も正確にたくさんなされた苦労が窺い知れます。

卓球モスクワ大会日本男女ともメダル確定

2010-05-29 09:08:42 | 卓球




世界卓球モスクワ大会で、日本男子が香港を倒し銅メダル以上を獲得しました。

女子は、夜の9時半から始まって終了したのが今日の朝2時過ぎでした。
福原愛、平野早矢香とも韓国のカットマン金娥(キム・キョンア)に苦戦しましたが、3番で
石川佳純が中国から帰化した唐(タン)に逆転勝利し流れを日本に引き寄せました。
ラストで福原愛がカットマンの朴美英に勝利し銅メダル確定です。
カットマンを苦手とする福原愛が、ツッツキや表でのバックハンドでつなぎ、浮いたボールをスマッシュするという作戦が功を奏していました。

日本女子の粘り強さが際立った試合内容でした。

春の思ひ出/中原中也

2010-05-27 23:09:57 | 
 春の思ひ出
                         中原 中也

      摘み溜めしれんげの華を
        夕餉に帰る時刻となれば
      立ち迷ふ春の暮藹(ぼあい)の
        土の上(へ)に叩きつけ

      いまひとたびは未練で眺め
        さりげなく手を拍きつつ
      路の上(へ)を走りくれば
        (暮れのこる空よ!)

      わが家へと入りてみれば
        なごやかにうちまじりつつ
      秋の日の夕陽の丘か炊煙か
        われを暈(くる)めかすもののあり

      古き代の富みし館(やかた)の
        カドリール ゆらゆるスカーツ
        カドリール ゆらゆるスカーツ
      何時の日か絶えんとはする カドリール!
    (「山羊の歌」、昭9)



ホトトギス

2010-05-25 23:32:22 | 生き物
ホトトギスは、カッコウ目 カッコウ科に属する鳥で、鶯(ウグイス)などの巣に托卵するチャッカリ者です。
昔から文学書などで杜鵑、時鳥、子規、不如帰と漢字表記し、全てホトトギスと読みます。



ホトトギスは、その鳴き声を、清少納言が「いうべきかたなし」と激賞し「何とかして鳴き声を他の人より早く聞きたいものだと眠らないで待っていた」と書いたほど夢中になった名鳥なのです。

その鳴き声は「天辺懸けたか」のように聞こえると昔から言われますが、実際は
キョキョ、キョキョキョ、といった具合に聞こえます。

ホトトギスというと植物学者は、ユリ科の野草を思うかもしれません。

晩夏から秋にかけて咲く花で模様が鳥のホトトギスのように斑点があるのでその名が付きました。

また明治文学専攻の文学者は、徳富蘆花の小説「不如帰(ほととぎす)」を考え、俳人は高浜虚子の雑誌「ほとゝぎす」を思うでしょう。






それほどホトトギスは人々に愛されてきたのでしょう。