物語のつづき 物語25.
ブッダのお徳にふれたヤサの父親であるクリカ長者は、
感動のあまり、
翌日の夜、ブッダを食事に招待しました。
その際に、ブッダは説法をしたのですが、
これに感動したヤサの母親とヤサの妻もブッダに帰依いたしました。
当時のインドは女性を汚れ多いものとして、
宗教団体などには入れなかったのですが、
ブッダはそんな風習にはおかまいなく、
受け入れました。
ブッダというお方がどれほど平等ということに徹しておられたか、
これによって推察することができます。
ところで、
ヤサが出家したというニュースは、
地元であるベナレスの郊外ロクヤオンで評判になりましたが、
彼は交友関係がひろいうえに、
友人たちから信頼されてもいましたので、
友人・知人が50人以上もブッダサンガ(ブッダの僧侶集団)に
入門することになりました。
このときに、
ブッダサンガは、61人に達することになりますが、
そこで、
ブッダは、次のように仰せられました。
「比丘たちよ。
わたしは人間を縛っているすべてのものから自由になった。
そなたたちもあらゆる束縛から自由になった。
そこでこれから世の幸せのために
人々の利益のため、
布教の旅に出ることにしよう。
悟った法(教え)を伝えよう。
同じ道を二人一緒に行ってはならない。
一人びとりが別の道を行き、
手分けして広く法を説こう。
世の中には汚れの少ない者がいる。
彼らは法を聞かなければ退歩するが、
聞けば法を悟ことができるはずである」
ブッダの弟子が61人になった時点で、
ブッダは世に言う
【伝道宣言】を致しました。
仏教は、静かで、控えめで、
とにかく一人で座禅ばかりしているイメージ
がありますが、
このように、かなり、早い段階で
伝道の旅に出ることをお命じになります。
仏教は積極的で救済的情熱にあふれた面を忘れてはならないとともに、
ブッダご自身がそういう人であったことを物語っております。
上記のブッダのご発声からわかることは、
まず、伝道する目的が
人々の幸せのため!であったこと。
そして、
この「一人で行くな!」の真意でありますが、
これは単に複数人で行くことを禁止する趣旨ではなく、
別々に行ったほうが多くの人々に悟りへの機縁を与える
ことができるからだとされていて、
やはり、ブッダの衆生救済への熱意が
現れています。
この「一人で行くな!」ですが、
もちろんブッダご自身も、別の道を一人で旅立たれました。
すぐさま、弟子たちに
マガダ国へ布教に向かうことを告げられました。
その師匠の力強い後ろ姿は、
弟子たちにとっても
ずいぶん頼もしいことであったでしょう。
つづく
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ブッダのお徳にふれたヤサの父親であるクリカ長者は、
感動のあまり、
翌日の夜、ブッダを食事に招待しました。
その際に、ブッダは説法をしたのですが、
これに感動したヤサの母親とヤサの妻もブッダに帰依いたしました。
当時のインドは女性を汚れ多いものとして、
宗教団体などには入れなかったのですが、
ブッダはそんな風習にはおかまいなく、
受け入れました。
ブッダというお方がどれほど平等ということに徹しておられたか、
これによって推察することができます。
ところで、
ヤサが出家したというニュースは、
地元であるベナレスの郊外ロクヤオンで評判になりましたが、
彼は交友関係がひろいうえに、
友人たちから信頼されてもいましたので、
友人・知人が50人以上もブッダサンガ(ブッダの僧侶集団)に
入門することになりました。
このときに、
ブッダサンガは、61人に達することになりますが、
そこで、
ブッダは、次のように仰せられました。
「比丘たちよ。
わたしは人間を縛っているすべてのものから自由になった。
そなたたちもあらゆる束縛から自由になった。
そこでこれから世の幸せのために
人々の利益のため、
布教の旅に出ることにしよう。
悟った法(教え)を伝えよう。
同じ道を二人一緒に行ってはならない。
一人びとりが別の道を行き、
手分けして広く法を説こう。
世の中には汚れの少ない者がいる。
彼らは法を聞かなければ退歩するが、
聞けば法を悟ことができるはずである」
ブッダの弟子が61人になった時点で、
ブッダは世に言う
【伝道宣言】を致しました。
仏教は、静かで、控えめで、
とにかく一人で座禅ばかりしているイメージ
がありますが、
このように、かなり、早い段階で
伝道の旅に出ることをお命じになります。
仏教は積極的で救済的情熱にあふれた面を忘れてはならないとともに、
ブッダご自身がそういう人であったことを物語っております。
上記のブッダのご発声からわかることは、
まず、伝道する目的が
人々の幸せのため!であったこと。
そして、
この「一人で行くな!」の真意でありますが、
これは単に複数人で行くことを禁止する趣旨ではなく、
別々に行ったほうが多くの人々に悟りへの機縁を与える
ことができるからだとされていて、
やはり、ブッダの衆生救済への熱意が
現れています。
この「一人で行くな!」ですが、
もちろんブッダご自身も、別の道を一人で旅立たれました。
すぐさま、弟子たちに
マガダ国へ布教に向かうことを告げられました。
その師匠の力強い後ろ姿は、
弟子たちにとっても
ずいぶん頼もしいことであったでしょう。
つづく
