維新と競合でみんな・渡辺代表「本当に愚か」

2012-12-19 17:16:01 | 2012選挙

みんなの党の渡辺代表は19日午前のテレビ朝日の番組で、衆院選で日本維新の会と候補者が競合し、落選が相次いだことについて、「みんなの党と維新の会(の得票)を合わせると自民党の上を行く選挙区はあった。本当に愚かだった」と述べた。
 


 渡辺氏は候補者調整が不調に終わった理由について「維新が太陽の党とくっついて、最後はコントロール不能な状態だった」との認識を示すとともに、「石原代表と橋下代表代行の政策が全然違う。橋下氏は改革の原点に戻ってほしい」と述べ、太陽の党出身の石原氏ら以外の議員とであれば、維新の会と連携できると強調した。


小選挙区24% 比例代表15% 自民 民意薄い圧勝

2012-12-18 18:27:15 | 2012選挙


戦後最低の投票率となった十六日の衆院選は、自民党が定数(四八〇)の六割を超える二百九十四議席を確保する圧勝で終わった。しかし小選挙区で自民党候補の名を書いたのは全有権者の約四分の一、比例代表に至っては15・99%だった。自民党の勝利は、必ずしも民意を反映したものではない。多党乱立と低投票率が自民党を利した結果であるということが、はっきり分かる。
 

 衆院選の投票率は小選挙区で59・32%。戦後最低を記録した。
 

 一方、自民党の得票率は小選挙区が43・01%。比例代表は27・62%。ただし、これは投票した人の中での比率だ。
 

 全有権者に占める比率は24・67%、比例代表は15・99%となる。選挙区でも比例代表でも自民党候補や党名を書いた有権者は「少数派」だ。
 

 ところが、自民党が獲得した議席は小選挙区で定数の79%にあたる二百三十七議席、比例代表は、同31・67%の五十七議席だった。
 

 現在の衆院選挙制度は、小選挙区制と比例代表の並立制を採用している。民意を集約して二大政党制に導く小選挙区制で自民党は、有権者全体に占める得票率の三倍以上の議席を獲得。信じられないような世論との乖離(かいり)が生じた。
 

 民主党は、小選挙区で自民党の約半分にあたる22・81%の得票だったが小選挙区での獲得議席は自民党の一割強の二十七にとどまった。ここで両党が明暗を分けた。
 

 このようなずれは、十二党が乱立した今回の衆院選で、多くの候補が票を食い合ったことが最大の要因。特に、最大の争点の一つだった原発政策で「原発ゼロ」を公約する政党が小選挙区で競合し、結果として原発を容認する自民党を利した形だ。


とことんインタビュー 民主党の懺悔〈上〉 壊し屋菅直人

2012-12-18 11:59:45 | 2012選挙

総選挙で民主党が惨敗した。その急激な没落は、政権交代可能な選挙制度や二大政党制のあり方を揺るがす。3年前、高支持率で誕生した政権はなぜ、坂道を転げ落ちたのか。県内の当事者たちに、有権者への懺悔(ざん・げ)の言葉を求めた。1人目は、宮城4区から立候補して落選した前職の石山敬貴さん(43)。
 


 ――民主が駄目になったきっかけは何か

 

 「菅直人首相だ。マニフェストになかった消費増税も環太平洋経済連携協定(TPP)も、知識不足のまま言い出した

 

 ――政権を取った政党は野党時代とは違うことをしなければならない宿命があるのでは。

 

 「マニフェストを実行できなかったことを色々言われるが、財源がないからではなく、やる気がなかったから。党の上の人は不勉強。中長期的ビジョンを持たず、政策を言葉でしか知らない。特に松下政経塾出の人は言葉だけ。だから、野党のばらまき批判に『ごめんなさい』となった」
 


 ――消費増税関連法案にもTPPにも反対。今回、惨敗した最大要因は、あなたも関係した党内政争だ。

 

 「執行部は政争になるような消費増税とTPPを打ち出し、党内の批判を抑えて推進するのを『格好いい』と考えた。そのゴタゴタが有権者に批判された」

 

 ――執行部は反対派を切る純化路線を採った。

 

 「党内でコミュニケーションがゼロ。根回しが下手。消費増税でも小沢(一郎)さんに電話して『落としどころはどこか』と聞けば良かった。増税を決める時も、学級会みたいにワイワイやって、最後は『政調会長に一任』だった」
 


 ――増税法案に県内の民主議員で一人反対した。政党人としておかしい。

 

 「全く悔いはない。何回でも同じ行動をとる」

 

 ――今回落選。有権者の反応はどうだったか。

 

 「全くの無視。2009年の政権交代直後は、地元で演説中によく怒られた。そのときは嫌だったが、期待の裏返しだったと思う。ただ、今回も実績を理解してくれた人は本気で応援してくれた。県農協政治連盟から推薦を受けて、『仕事が評価された』と、妻とともに泣けてきた」
 


 ――05年の総選挙で、民主の公募に応じて立候補。どこに引かれたのか。

 

 「『人』を重視した点。政権獲得後、高校授業料を無償化したように、子どもを大切にした。地方分権だって進めた」

 

 ――今はどうか。

 

 「旧民主は、保守の自民に対抗するリベラルな都市重視の政党だった。それが小泉純一郎首相が現れて対立軸にならなくなった。(旧自由の)小沢さんが民主に加わり、地域を守る政党になって、新たな対立構図になったが、菅首相になって、元の民主に戻った
 


 ――民主は政権交代のためだけの寄せ集め政党だったのでは。

 

 「09年に『選挙で政権交代が可能』の事実を国民が認識した。これで歴史的意義の80%は終わった」

 

 ――党の意向に沿わない政策を選挙で訴えるのは、政党を選ぶ小選挙区制では有権者への信義則違反だ。

 

 「覚悟の上でやったから仕方がない。ただ、言わせて欲しい。これほど強固な党議拘束は日本くらいにしかない。これなら、国会議員を半減どころか、執行部数人だけで間に合う。TPPのような重要問題は国民投票を活用していい。問題意識を共有できる」
 


 ――地域を必死で回った。一方で相手の自民候補は身内からも「地元にいない」と批判を浴びていた。選挙制度に疑問を感じるか。敗退はつらくないか。

 

 「がんばった議員が評価されない。風に左右されれば政治家は育たない。初出馬の05年は知名度がなくても7万9千票。議員になって3年3カ月、ぶっ倒れながら戦い抜いた今回が5万4千。不思議ですねぇー」
 


 ――民主は再生できるか

 

 「そう願っている。ただ、今回、勝ち残ったのは、TPP賛成派ばかり

 

 ――応援できないか。

 

 「残った議員が納得するかの問題だが、路線は新自由主義的で都会派政党、小さな政治を売りにするといった内容で決まっているのではないか。やっていけばいい。それが明瞭になれば、応援できない。当然」(聞き手・島田博、蔵前勝久)

 


第三極、競合区で共倒れ 自民に漁夫の利

2012-12-18 08:42:11 | 2012選挙

第三極、競合区で共倒れ 自民に漁夫の利

 【石塚広志、二階堂勇】今回の衆院選は、第三極の日本維新の会、みんな、日本未来の各党が同一選挙区で競合し、民主党とともに「共倒れ」するケースが相次いだ。第三極の候補が多い選挙区ほど、自民党の候補が「漁夫の利」を得て当選するケースが増え、大量の議席につながった。
 
 300選挙区のうち、第三極が自民、民主と争ったのは203選挙区。ほかに自民推薦の無所属や公明、民主推薦の国民新と争ったところが5選挙区ある。

 第三極の3党全てが候補を立てた「5党対決型」▽いずれか2党が立てた「4党対決型」▽いずれか1党が立てた「3党対決型」の選挙区を比べると、最も競合した「5党型」(12選挙区)では自民が全勝した。


「自民党が漁夫の利」 愛知知事
2012.12.17 11:46 [衆院選]
 愛知県の大村秀章知事は17日の記者会見で、自民党が大勝した衆院選の結果について「民主党が分裂し、第三極勢力がまとまらなかったことで、自民党が漁夫の利を得たからだ」と述べた。新政権に対しては「足元の景気は弱含みとなっており、経済対策を重点的にやってほしい」と訴えた。

 自ら代表を務める政治団体「減税日本」から日本未来の党に合流した前職らを応援してきた河村たかし名古屋市長に対しては「彼の思い描いた通りにならなかった。引き続き、盟友として共同歩調を取りたい」と話した。

「自民に漁夫の利与えてしまった」 みんな・渡辺代表
みんなの渡辺喜美代表は、投票が終わった午後8時ごろから東京都内のホテルに設けた開票センターに詰めた。相次いで当選の報が入ると、「やった」と拍手をしながら、壇上の一覧表に赤い飾りを貼り付けた。公示前より議席を増やし、深夜の会見では「大変ありがたいこと。勝利と言える」と語った。
 
 一方、自民党が大きく議席を伸ばしたことについては「民主党が崩壊過程に入り、その反射的効果だ」と分析。第三極がバッティングしたとして「漁夫の利を与えてしまった」と話した。
 
 「民主党は政権交代時に訴えた約束をことごとく反故(ほご)にして、第2自民党化した。財務省のいいなりになったことを国民は見透かした」と批判し、「安倍さんにも同じことが予測される。役所の既得権益である業界団体と結びついた選挙をした。来年の参院選までにこうした先祖返りDNAを変えられなければ、失墜は早い」と語った。
 
 今後の党の動きについては「日本維新の会は司令塔が二つあるような政党では一緒にやるのは難しい。改革の原点に戻ってほしい」。自民に対しては「国益を踏まえた改革、開国を進めることであれば協力は惜しまない」と語った。
 


死票率56%に上昇=民主は惨敗で8割超

2012-12-17 19:41:13 | 2012選挙

16日投開票された衆院選で、小選挙区で落選候補に投じられ、有権者の投票行動が議席獲得に結びつかなかった「死票」は、全300小選挙区の合計で約3730万票に上った。小選挙区候補の全得票に占める「死票率」は56.0%で、前回の46.3%と比べ9.7ポイント増となった。
 今回は「第三極」として新たに日本維新の会や日本未来の党が参戦して12党が乱立。共産党も前回までの方針を転換し、原則として全選挙区に候補者を立てた。当選者が1人の小選挙区制では、候補が多数で票が分散されれば当選ラインは下がり、落選候補の合計得票数が増える傾向があることから、前回より死票率が上がったとみられる。
 死票率を政党別にみると、小選挙区で237議席を獲得した自民党は12.9%で、大敗した前回の74.0%から大きく低下。一方、惨敗した民主党は前回の13.2%から82.5%に大幅上昇した。第三極同士で共倒れが目立った維新も81.9%。小選挙区全勝の公明党は0%だった。